マガジンのカバー画像

あしたの小窓から。

723
小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
運営しているクリエイター

2018年12月の記事一覧

つらい一年、というのがあってもいい。

つらい一年、というのがあってもいい。

今日は大晦日。12月31日。2018年最後の日だ。

今年は、例年フェイスブックでしていた「十大ニュース」を note でしてみることにした。すこし長くなるけれど、お付き合いいただけたらうれしいです。

第十位 甲子園、そして M1。引越しのバタバタの後、ネットで「熱闘甲子園」を観ていたらどハマりし、はじめての甲子園観戦。

金足農の吉田輝星や根尾、藤原を要する大阪桐蔭などスターが多い年でもあり、

もっとみる
お金をめぐるクロニクル。

お金をめぐるクロニクル。

父方の祖父母は、岐阜県大垣市に住んでいた。
だから僕たち家族は二人のことを「大垣のおじいちゃん、おばあちゃん」と呼んでいた。

二人は電気店を営んでいた。「ツバサ電気」という名前で、地域では親しまれた店だったらしい。頑固だけど腕のいい技術者だった祖父と人付き合いの上手な祖母の相性も商売にはよかったようだ。一時期は、何人かの従業員を抱えるまでになっていたとか。

ぼくの小さい頃にはもう従業員さんはい

もっとみる
あなたになれたら。

あなたになれたら。

昨晩、ある方の食事会に参加させてもらった。

おいしい手料理をごちそうになり、面白い話をたくさんして、気づいたら六時間過ぎていた。帰り際になっても、もっともっと話したいことがあった。

「資産がだんだん殖えていく性質をもつとしたら、それはお金ではなく、愛情とか友達とか人間関係だと思うんですよね」

とその人は言っていた。で、そのとおり生きているのがよく分かった。

その人には「くつろぎ」があった。

もっとみる
就業と残業のあいだ。

就業と残業のあいだ。

就業と残業のあいだにあるもの、

それは定時である。

僕は社会人になりたての頃から定時にこだわる男だった。
5時とか5時半になると、体がソワソワしはじめる。
そして、手早く仕事を片付ける。

1.2倍、いやもっとだろうか、このときの手際は、それまでが嘘だったかのように速い。定時が近づくと、ウルトラマンのカラータイマーのように「脱出モード」のスイッチが入るのだ。

なにから脱出したいのかは分からな

もっとみる
12月26日のライトスピード。

12月26日のライトスピード。

つかまって! ライトスピーーード!
(東京ディズニーランド『スターツアーズ』より)

クリスマスに浮かれた翌日、12月26日は息が止まったようになる。

昨日までの夢から醒めて、ここが「日本の」「年末」だということにハッと気がつくのだ。

街からは華やかなイルミネーションが消え、門松やしめ飾りに変わる。
かつて勤めていたディズニーランドでも、あれほどの歓喜と熱狂を呼んだクリスマスが一夜にして消え失

もっとみる
なんにもないクリスマス。

なんにもないクリスマス。

なんにもない なんにもない
まったくなんにもない
(かまやつひろし『やつらの足音のバラード』より)

そんな気分の12月25日、世間はクリスマスである。
メリーで赤鼻であわてんぼうのジングルベルなのだ。

ところが、今年はそんな気持ちにまったくならない。
テレビもないし、都心に行くことも少ないから「クリスマスらしさ」に触れることが少ないのかもしれない。まったくなんにもない。

かつては違った。

もっとみる
小さな死。

小さな死。

生きてることが辛いなら
いっそ小さく死ねばいい
恋人と親は悲しむが
三日と経てば元通り
(森山直太朗『生きてることが辛いなら』より)

この歌詞をはじめて聴いたときにはギクッとした。
いま調べたら 2008年のリリースだから、ちょうど会社を辞めた年の曲だ。

作詞は御徒町凧さん。当時は「いっそ小さく死ねばいい」という部分が物議を醸していたと思う。

でも、最後まで聴くと「嫌になるまで生きるがいい」

もっとみる
奈落のむこうの十年。

奈落のむこうの十年。

「よくもまあ、この会社を辞めるなんて思ったね。
 後悔しないといいけど」

と、にやにやしながらその人は、退職の挨拶をしに行った僕に言った。

当時勤めていた会社の、たしか技術部門の部長さんだったと思う。十分な地位も得ていて、この先も安泰。そういう立場から見たら、僕の決断はあまりにも無謀に思えたのかも知れない。

皮肉だったのか、心配だったのか、真意は分からない。ただ、部長さんには僕のゆく世界がま

もっとみる
闇の居場所。

闇の居場所。

汽車は闇をぬけて 光の海へ
夢がちらばる 無限の宇宙さ
星のかけ橋 渡ってゆこう
(佐々木功『銀河鉄道999』より)

漫画やアニメの表現が重たく、グロテスクになったと感じるようになったのは、僕が歳を重ねたせいだろうか。

以前はもっと『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』『ドラえもん』のようなものが多かった気がする。藤子不二雄ワールドといって『パーマン』や『忍者ハットリくん』『オバケのQ太郎』など

もっとみる
ゆずへの手紙。

ゆずへの手紙。

本当のファンからしたら、僕はそれほど「ゆず」ファンとは言えないかもしれない。

でも「夏色」「栄光の架橋」「雨のち晴レルヤ」といったヒット曲は耳にしているし、それ以外の曲もずいぶん聴いたり、歌ったりしてきた。ライブにも行って、楽しい思いをさせてもらった。

桜木町で弾き語りをしていたところから、あれよあれよという間に人気者になり、紅白出場、ワールドカップや朝ドラのテーマソングと大きな仕事をものにし

もっとみる
なんだかなぁの場所より。

なんだかなぁの場所より。

プロ野球選手のことを考えていた。

彼らは怪我をしていても、機嫌が悪くても、調子が出なくても試合に出て、打席に立とうとする。そうして、打てたり、凡退したりする。試合に出たくても出られない控えや二軍の選手もいる。

その結果が、年末の今ごろ、契約更改として示される。
試合に出られて、いい結果を残せた選手には際立った対価が支払われ、そうでない選手は大幅なダウン提示、最悪の場合、戦力外通告を受ける。

もっとみる
ハンサムと僕。

ハンサムと僕。

高校の時、僕の出席番号は10番だった。
一つ前、9番の同級生は、身長が180cm以上あって、サッカーがうまくて、おまけにすさまじいハンサムだった。

すさまじいハンサムというのは、巷で見かける「ちょっとイケメン」とか「見ようによってはイケメン」とは次元が違う。「お前、なんでここにいるの?」と言いたくなる感じの、明らかにまわりとは異質な、美術品のようなハンサムっぷりだった。

始業式や終業式で前後に

もっとみる
fighter(s)

fighter(s)

ぼくたちと同じときに同じ場所で出会い、結婚した友人夫婦に再会した。

ぼくらは結婚三年目、彼らは式を挙げたばかり。「結婚」という関係になったときに、それまでとどれほど変わったかという苦労話を「うちもそうだった」と深くうなずきながら聞いた。

友は、これからはじめようとしている仕事の話も聞かせてくれた。
想像もしなかった方向に歩みを進めようとしていることに驚き、また楽しみに感じた。

期間をあけて友

もっとみる
make-up shadow

make-up shadow

シャドー [1] 【shadow】
① 影(かげ)。陰影。 「アイ--」
② 〘心〙ユング心理学で,人格の影の面を指す元型の一つ。自分が生きられなかった半面が無意識の中に残されて作られるイメージ。
(三省堂『大辞林』より)

1月17日(木曜日)に開催する

『魂と繋がる歌の唄い方®️』〜夢と魔法の裏の国

のベースになっている体験は、以前『テーマパーク。』という記事で紹介したある参加者さんの『魂

もっとみる