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アンケート回答者の属性(性別/年齢/セクシャリティ)

冊子についての解説はこちら▼

私は大学の卒業制作で、“恋愛感情”をテーマに、4冊の冊子を制作した。

今回からは、そのうちの1冊である『“現代の若者”による翻訳』という冊子の内容について、載せていこうと思う。


第一章 回答者の属性

①性別
回答者の性別について。

●考察
性別については、圧倒的に女性率が高かった
男女問わず様々な意見を聞きたいと考えていたが、アンケート全体として、偏りが出てしまったかもしれない。
この「女性率の高さ」には、美大生の女性率が高いことや、私の友人がそもそも女性ばかりであることなどが関係しているのかもしれない。
また、偏見になってしまうかもしれないが、女性の方がこういったアンケートに興味を持ち、答えてくれる人が多かったりするのかもしれない。

「回答しない」「Xジェンダー」の回答もあった。




②年齢
回答者の年齢について。

●考察
年齢については、当然の結果とも言えるが、私と同年代の21歳22歳 の割合が圧倒的に多かった。
平均年齢は、約21.2歳であった。
下は 16歳から上は 28歳まで、全体的に「若者」と呼ばれるような世代から、多くの回答を集めることができた。

もっと年齢層が上の方や、逆に小学生・中学生などに答えてもらうのも面白そうだと感じるが、せっかくこの年代の回答を122票集めることができたので、今回は「“若者”による翻訳」というテーマで進めていくことにした。



③セクシャリティ
セクシャリティ、性的マイノリティについて。

セクシャリティ(セクシュアリティ)とは、性のあり方のこと。

性のあり方を決める主な要素は、
身体的性(身体構造における性)
性自認(自分自身の性をどのように認識しているか)
性的指向(どのような性に恋愛感情や性的欲求を抱くか)
性表現(自分のありたい性をどのように表現するか)
の 4つがある。

性的マイノリティ(セクシャルマイノリティ)とは、「身体的性・性自認・性表現が一致している異性愛者」以外の人の総称。



●セクシャリティ 種類

セクシャリティの種類について、いくつか紹介していきたい。
※セクシャル=性的指向 ロマンティック=恋愛指向

・ヘテロセクシャル
 異性に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
・ヘテロロマンティック
 異性に対して恋愛感情を抱くセクシャリティ。
・シスジェンダー
 性自認と身体的性が一致しているセクシャリティ。
・レズビアン(LGBTQ の L)
 性自認が女性で、女性に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
・ゲイ(LGBTO の G)
 性自認が男性で、男性に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
・ホモセクシャル
 同性に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
・ホモロマンティック
 同性に対して恋愛感情を抱くセクシャリティ。
・バイセクシャル(LGBTQ の B)
 男性・女性の両方に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
・バイロマンティック
 男性・女性の両方に対して恋愛感情を抱くセクシャリティ。
 (相手が必ずしも性的対象になるとは限らない)
・パンセクシャル
 あらゆる性別の人に対して性的魅力を感じるセクシャリティ。
 相手の性別を問わず「好きになった人が好き」という考え方。
・パンロマンティック
 あらゆる性別の人に対して恋愛感情を抱くセクシャリティ。
 (相手が必ずしも性的対象になるとは限らない)
・アロマンティック
 他者に対して恋愛感情を抱かないセクシャリティ。
・アセクシャル
 他者に対して性的欲求を抱かないセクシャリティ。
 恋愛感情を抱くことはあっても、その相手に性的な感情を持つことはない。
・ノンセクシャル(= ロマンティック・アセクシャル)
 恋要感情はあるが、他者に対して性的欲求を抱かないセクシャリティ。
 (「恋愛感情はある」と断意されているのがアセクシャルとの違い)
・エーゴセクシャル
 他者に対して性的欲求を抱かないものの、性的空想やボルノ、自慰などを楽しむことはするというセクシャリティ。
・グレーロマンティック
 恋愛感情をごくわずか、あるいは滅多に感じない人、特定の条件の下でのみ感じる人、自分が恋愛  感情を持っているのかどうかはっきりとわからない人。
・グレーセクシャル
 性的欲求をごくわずか、あるいは滅多に感じない人、特定の条件の下でのみ感じる人、自分が性的  欲求を感じるのかどうかはっきりとわからない人。
・デミロマンティック
 「強い感情的な絆や、信頼関係が築かれている関係」の人に対してのみ、稀に恋愛感情を抱くセクシュアリティ。
・デミセクシャル
 「強い感情的な絆や、信頼関係が築かれている関係」の人に対してのみ、性的欲求を抱くセクシャリティ。
・モノガミー
 「一夫一妻性の婚姻」という考え方。
・非モノガミー(≒ポリアモリー )
 「非・一夫一妻性」の考え方。
・トランスジェンダー(LGBTQ の T)
 性自認と身体的性が一致していないセクシャリティ。
・Xジェンダー
 (身体的性に関係なく)性自認が男性にも女性にもあてはまらないセクシャリティ。
・クエスチョニング(LGBTQ の Q)自分のジェンダーやセクシャリティが何なのか分からず悩んでいる人。
・性同一性障害
 生まれ持った身体的性と、性自認が一致しない状態。

◯その他
モノセクシャル、アルロセクシャル、バイキュリアス、ポリセクシャル、オムニセクシャル、スコリオセクシャル、アプロセクシャル、リスロマンティック、リスセクシャル、クワセクシャル、ポリアモリー、アンドロセクシャル、ジニセクシャル、トゥースピリット、トランスセクシャル、クロスドレッサー、トランスヴェスタイト、MtF、FtM、MtX、FtX、ノンバイナリー、ジェンダーフルイド、ポリジェンダー、クィア、インターセックス(DSD、性分化疾患)

などに分類される。


【参考サイト】
・Tsunagary オフィス合同会社 , Tsunagary Cafe(つながりカフェ), “LGBTQ+ 用語集” ,  https://tsunagary.jp/vocabulary,(参照 2022-10-11)

・Rickey, JobRainbow MAGAZINE ,  【“「LGBT」と違う?】セクシュアルマイノリティ・セクマイとは?【定義や種類まとめ】” ,  https://jobrainbow.jp/magazine/whatissexualminority,(参照 2022-10-11)

・Rickey, JobRainbow MAGAZINE ,
“LGBT 診断 ~多様なセクシュアリティの世界まとめ~” ,  https://jobrainbow.jp/magazine/lgbt-shindan,(参照 2022-10-11)

・We Think(Shibuya). , 自分らしく生きる PROJECT , “
LGBT の種類を一覧で解説。アメリカ版 Facebook には 58 種類の性別がある。” ,  https://jibun-rashiku.jp/column/column-2409,(参照 2022-10-11)



Q1.あなたが性的マイノリティである場合、差し支えなければ、その内容についてできるだけ詳しく教えてください。

A.
・性同一性障害
・バイセクシャル(2票)
・バイロマンティック/バイセクシャルです
・バイセクシャル(性的欲求があまりないので A セクでもあるかもしれない)
・バイセクシュアル。男女どちらとの恋愛も可能ですが、同性の方が安心します。
・名前忘れちゃったけど、男女両方好きになれるやつだと思います。
・女性も恋愛対象です
・マイノリティかは分からないが、同性も恋愛的に好きだなぁとなんとなく思うことはある
・マイノリティなのか分からないけど、一度だけ同性に恋をしたことがあります。
・今まで好きになったのは男性ですが、かっこいい女性にも魅力を感じ、付き合うことができると思う為、バイセクシャルだと思っています。
・バイセクシャルかどうかはわからないが男性の身体よりも女性の身体の方が好き 女性にドキドキしたこともある
・バイセクシャル、またはパンセクシャル
・パンセクシャル
・基本的には異性が好きだけど、今まで 3回くらい同性を気になったことがある。(男っぽい見た目の女友達が好きだったり、バイの女友達に告白っぽいことをされて気になったり)
あと恋愛対象にはならなくても性的な対象になる同性はいるししたこともある。
・好きになった人が好きな人なので性別関係なく付き合えます
・異性愛者と思っているけれど多分 9.9割同性愛者です
・どんな人を好きになるか想定した時、性別を判断基準に考えていないので、恋愛感情だけならバイセクシュアルに該当するのだと思います。
もし性的嗜好を含めるなら、異性との性的行為で連想される多くに忌避感または嫌悪感を抱いているので、これに名前をつけるならレズビアンに該当すると思います。
恋人として行う行為の中に明確なタブーがあるから、それを要求することになるであろう大半の異性とは付き合えないだけ、というのが正直な感覚です。
・現時点での自認はデミロマンティック寄りの選択的アロマンティック / エーゴセクシャルです。男性が苦手であまり関わりを持ちたくないため基本的に親しくなるのは同性のみですが、女性であることに性的魅力を感じる等の感覚はありません。消去法によるレズビアンだと感じています。
・非モノガミー、アロマンティク、パンセクシャル
・アロマンティック
・詳しくはわからないけど誰も好きにならない
・アセクシャル アロマンティック
・アロマンティックアセクシャルです。最初の頃はレズビアンかもしれないと思いましたが、人に相談しているうちに根本的に恋愛感情が分かっていないことが理解できるようになりアロマンティックアセクシャルで自認が落ち着きました。
・グレーロマンティック&アセクシュアル
・asexual
・アセクっぽさがある気がします。友情や愛おしさは相手の性別問わず芽生えますが、それ以上のものを求めようと思いません
・ノンセクシュアルとレズビアンが混ざった人です。感情の面で人に執着があるようなのですが、性的欲求についての実感がありません。キスやハグぐらいまでは親愛の気持ちでできるのですが、それ以上は特に楽しみを感じません。
・ノンセクシャル

▲Miroでの分類結果



●考察
この項目については、想像以上に回答数が多かった。
「性的マイノリティ」に属する人や、 自身の「セクシャリティ」について疑問を抱いている人はかなり多いのだな、という印象を受けた。

回答数と照らし合わせると、普段生活している中で、このような「性的マイノリティ」に属するような方と出会う機会は頻繁ではないが、わざわざ周りに公言をしていなかったり、 そういった話題を避けるようにして生活している方も多いのではないか。  

特に、男女問わず人を好きになる「バイセクシャル」「パンセクシャル」傾向、人に恋愛感情も性的感情も抱かない「アセクシャル」傾向、人に恋愛感情を抱かない「アロマンティック」傾向の人は多い印象だった。

また、「消去法によって自分のセクシャリティを定義づけている」との意見も見受けられた。
「セクシャリティ」とは、簡単に型に当てはめられるようなものではなく、とても複雑なものであるように感じる。

自身のセクシャリティについて、かなり詳しく記述された回答もあり、私自身の認識を深める上でとてもありがたく感じた。
詳しく書いていただいた回答の中には、「相手の恋愛感情という部分に暗幕がかかっているように何も感じ取れないので、突発的に相手が行動を起こしたようにしか受け取れず、相手の感情を予測できないことに恐怖を感じます。」という内容もあった。
確かに、自分自身が持っていない、感じたことのない感情については、「どんなものなのか」を予想することすら難しいはずである。そうなると当然、「恋愛感情がきっかけとなって起こした行動」や、「恋愛感情がきっかけとなって発した言葉」などを理解することも難しい。
これは、例えば「生まれつき盲目の人が、目が見える人の感じる感覚を正確には理解できない」であったり、「生まれつき耳が聞こえない人が、音という概念を正確には理解できない」というものにも似ているな、と感じた。
「恋愛感情」とはこういうものなんだよ、と他の人から説明を受けたとしても、実際に感じたことのない感情を正確に理解することは不可能に近いだろう。

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