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エッセイ

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2019年9月の記事一覧

彼女は親友じゃない、わたしの人生を変えた人

彼女は親友じゃない、わたしの人生を変えた人

今日は友だちの結婚式だった。

彼女とは高校生のころからの付き合いで、高校時代は部活が一緒で、いちばん仲が良かった。共に上京して、大学は違ったけれど、家が近かったからよく遊んだ。変なプリクラを撮ったり、280円均一の居酒屋で塩キャベツをひたすら食べたり、お互いの恋愛話に花を咲かせ、ときには怒ったり怒られたりもした。

社会人になっても「明日会える?」という突拍子もない連絡ができる、数少ない友だちの

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いつかただまっすぐに猫を追いかけて知らない世界に飛び込みたい

いつかただまっすぐに猫を追いかけて知らない世界に飛び込みたい

ある秋の始まりの日、帰り道の夜。

何か声がするなと振り返ったら、黒猫がいた。

わたしに向かってミャーミャーと鳴いている猫。

かわいいなあ、と視線を合わせて近づいてみたら、逃げられた。だよね、わたし、猫に近づこうとしても大体逃げられちゃうからなあ。

今日もいつも通りかな、と思って帰ろうとしたら、猫はまた少し離れたところから、わたしを見てミャーミャーと鳴いている。

どうしたんだろう?

また

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会社を休むことが「悪」ではないと思えるようになった

会社を休むことが「悪」ではないと思えるようになった

帰宅したら、38.2度の熱があった。たぶん、いつもの持病みたいなもの。
たしかに昨日の夜から違和感はあって、今日の朝も熱がある気がしたけれど、人に移るものではないし薬があったから仕事に行った。

やっぱりちょっと無理しすぎたかなあ。明日は休みを取って病院に行こう。

そんなふうに思ったのが、昨日のこと。

なんだかそんなふうに、休みを取ろう、と気軽に思えるようになったのも最近のことだなと思う。

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変わらない女の子たち【Perfume】

変わらない女の子たち【Perfume】

田舎から上京する際にずっと聞いていたワンルーム・ディスコ、こんな恋がしたいと思い描いていたマカロニ、イントロからかっこよすぎてドキドキしたGAME、一歩踏み出す勇気をくれたドリームファイター、「きみはねぇ たぶん本当はそう すべてパーフェクトなスター」とデビューしてもなかなか芽が出ないPerfumeのために綴ったパーフェクトスタイル、恋のはじまりのねえ、苦しくてどうしようもない失恋をしたときに泣き

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もしも半身浴をせずに寝たら

もしも半身浴をせずに寝たら

わたしの日課は、半身浴をして寝ること。

一人暮らしをはじめてからほぼシャワーだけで生活していたのだけれど、ある日半身浴を勧められ、始めてみたらとても良かったのだ。

もともとむくみやすい体質だからか、半身浴をすることで身体がスッキリとし、ちょっと食べすぎちゃった日も半身浴をすることでリセットできる(ここ大事)。

寝つきもよく、目覚めも良くなった。お風呂に入るのが好きではなくて(正確に言うとお風

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必要な寂しさ

必要な寂しさ

「10月に実家の北海道に帰るね」と彼から連絡があった。どうやらお母さんが怪我をして、そのお見舞いに行くらしい。
お大事にしてね、いってらっしゃい。と伝えて、その話題は終わった。

実家に帰る、その言葉を聞いたとき、胸の奥がぎゅっと痛んだ。
別に、連れて行ってほしいとか、挨拶に行きたいというわけじゃない(もちろん、彼のお母さんのことは心配している)。
それにもともとその日程はわたしも予定があって、彼

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闘い続ける恋の話【ポルノグラフィティ/東京ドーム2days】

闘い続ける恋の話【ポルノグラフィティ/東京ドーム2days】

9月7日、大好なポルノグラフィティの東京ドーム公演の初日。朝起きたわたしは、「行きたくないな」と寝ぼけまなこに思って二度寝をした。

本心だった。

単純に、終わってほしくなかったという気持ちもある。
けれどそれ以上に、ライヴが終わったそのあと、自分がどうなってしまうかわからなくて怖かった。
ポルノグラフィティは良くも悪くもわたしの感情のすべてを握っていて、彼らの何気ない一言や一曲一曲で、わたし

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無敵のチーク

無敵のチーク

少し前までわたしはメイクにほとんど興味がなかった。メイクをしても、顔や印象なんてほとんど変わらないと思っていたし、メイクなんてしても意味がないと思ってしまうくらいくらい、自分の顔が好きじゃなかった。
だから今までは、身だしなみ程度のメイクしかしてこなかった。

でもそんなわたしのメイクに対する意識は、あるたったひとつのチークによって、覆された。

NARSのオーガズムチーク。

画像はファッション

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夕焼けを歩いて帰った

夕焼けを歩いて帰った

最近、仕事終わりに会社から歩いて帰っている。電車だと15分くらいの距離だけど、歩くと約1時間。

きっかけは本当に些細なこと。
上司が、自転車が壊れたから駅から家まで1時間近く歩いて帰っている、と言っていたのを聞いたからだ。

会社から家まで、歩けない距離じゃないことはずっとわかっていて、でも道もよくわからないし、面倒くさいし、何より早く家に帰りたいし。そんな理由で、今までずっと電車を使っていた。

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noteが書けない

noteが書けない

少し前にnoteの連続更新の苦しみについて書いた。連続更新55日目を迎える今日もわたしは、睡眠負債を抱えている。
そして今、それを超える問題にぶつかった。noteが、書けない。

文章を書くのは好きだ。noteを書くためのネタや材料は持ち合わせている。
けれど、それを言葉にできない。頭では書きたいことがたしかにあるのに、言葉にならない。

「何か書きたいけれど、書くことがなくてどうしよう」ではない

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「そうやって飛んで行くところ、好きだよ」

「そうやって飛んで行くところ、好きだよ」

自分のことを好きか嫌いか?と聞かれて、好きと言える人は、世の中にどれくらいいるのだろう。

近年のわたしのテーマは「自分を愛すること」で、とにかくできるだけ自分を蔑まないようにしているのだけど、正直まだまだ全然、自分のことを好き、と全力で肯定することはできない。

前ほど落ち込んだり自虐的になることは減ったと思うけれど、それでも自分のことを認めてはあげられない。

ある飲み会の二次会で、ちょっと真

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働く誇り

働く誇り

建設業界で働いている。わたしは、自分の仕事が好きではない。というか、業界が自体が、好きではない。

働き方改革もなんのそのなブラック企業がうようよ、反社会的勢力の方・・・?みたいな人もいるし、男性だから、女性だからという理由の差別は耐えない。

それ以外にもモヤモヤすることはたくさんあって、でもそんな中、自分の業界を、仕事を誇りに思えることがある。

人を助けることができるところだ。

千葉県を中

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恋の呪い

恋の呪い

すれ違った人の香水にいつかの誰かを重ねてしまうこと、そんなことで悲しくなりたくないと悲しくなること

好きな男の人が自分の手を離れて世界の一部になってしまうことに絶望すること、まるで自分だけが世界の外側に取り残されてしまうように感じてしまうこと

わかりあえない結末を受け入れられずにまた人を求めてしまうこと、かすかな可能性を信じ同じことを繰り返してしまうこと

一度好きになってしまうと永遠に好きで

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逃げられない、たった一本のペン

逃げられない、たった一本のペン

昔、小説を書いていた。
今となっては、小説と言うにはあまりに陳腐で恥ずかしいものばかりだけど。

サイトを作って、同じような趣味を持つ人たちと出会い、お互いの小説を何度も読み、影響を与えあい、世界を重ねて。それを原動力として、ペンを握る。

そんなことを心から楽しんでいたわたしたちだけど、いつのまにか、それぞれがそれぞれの生活に帰り、ペンを握る日々は終わりを告げた。

ひょんなことから、その当時の

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