無敵のチーク

少し前までわたしはメイクにほとんど興味がなかった。メイクをしても、顔や印象なんてほとんど変わらないと思っていたし、メイクなんてしても意味がないと思ってしまうくらいくらい、自分の顔が好きじゃなかった。
だから今までは、身だしなみ程度のメイクしかしてこなかった。

でもそんなわたしのメイクに対する意識は、あるたったひとつのチークによって、覆された。

NARSのオーガズムチーク。

画像はファッションスナップコムさんよりお借りしています。

なにがきっかけで知ったのかは覚えていないけれど、初めて知ったとき、まずその名前に衝撃を受けた。オーガズム。なんてセクシーな名前だろう。

その名の通り、オーガズムを迎えているときのような艶のあるセクシーな表情に仕上がり、パーソナルカラー問わずどんな人にでも似合うチークとのことだったので、わたしはそのまま勢いで、人生初のデパコスを手にした。

ドキドキ、した。

デパートのカウンターに行ったときも、小さな紙袋に入ったチークを持って歩いたときも。
家に帰ってさっそく頰にのせてみると、その気持ちはさらに大きくなった。

かわいいと綺麗の良いところどりのピーチピンクに、派手すぎないゴールドのラメが光る。
鏡に映るわたしの表情が、いつもよりずっと生き生きしているように見えた。

自信が、持てた気がした。少なくとも今のわたしは、このチークをつける前のわたしよりずっと、100倍綺麗なはず。
だって、こんな素敵なチークをつけているんだもの。綺麗じゃないわけなんてない、かわいくないわけがない。

そう、これはきっと、無敵のチークだ。

それからわたしは少しずつだけれど、メイクを楽しめるようになった。世の中にはコスメオタク？のような女子はたくさんいて、そんな人たちには到底敵わないけれど、わたしはわたしなりにメイクを楽しんでいる。

話題の化粧品は気になったらチェックするし、どうしても欲しかったら、デパコスもたまーーーにだけど買ってしまう。

派手なメイクは苦手だけれど、自分に似合うメイクは好き。そんなメイクを見つけていくのが好き。彼にかわいいと褒められるのも嬉しいけれど、何より鏡に映った、幸せそうな笑顔の自分を見るのが好きなんだ。

メイクはすごい。たったひと手間加えるだけで、少しだけ自分を好きになれる。こんな素敵なメイクをしているのだから、わたしはきっと素敵なんだ、って思うことができる。背中を押してくれる。

そんな気持ちを教えてくれたのは、他でもない、NARSのオーガズムチークで。出会って2年以上経つけれど、今だに一番使い続けているコスメだ。たぶんそれはずっと、変わらない気がする。

だってこのチークは、わたしのとっておきの、無敵のチークなんだもの。