マガジンのカバー画像

雑記

14
思いついたことをつらつらと。
運営しているクリエイター

記事一覧

母の命日とそれに付随する日記のようなもの

母が亡くなって今日で丸9年になる。長らく介護を続けたせいもあり、終わったときには果てしない徒労感が鉛のようにずっしりと心にのしかかり、しばらく元の生活に戻れなかったのを思い出す。そして遅ればせながらやってきた一人暮らしと、ひらべったくどこまでも続いていく一人暮らしという白紙のような退屈さ。一人っ子なので孤独感には慣れっこであり、わりとのびのびと暮らしてはいるものの、一年に一度の命日となると、母と二

もっとみる
たまには僕ヤバの「おねえ」について語ろう

たまには僕ヤバの「おねえ」について語ろう

※ヘッダーは桜井のりお先生のTwitterでフリー素材として提供されていたものを使用しました。

つい最近、マンガクロスの連載で読んでいた『僕の心のヤバいやつ』を全巻紙で揃えるという偉業を成し遂げた。基本漫画は連載で追う人間で、読み返す前提で無い限りコミックスでは揃えないーーつまりはよほどの「お気に入り」にならない限り買わないスタンスなのだが、この作品は別だった。他の読者と同様、ご多分に漏れず、火

もっとみる
侵食するクロームと電脳世界の叛逆〜サイバーパンク2077プレイ雑感〜

侵食するクロームと電脳世界の叛逆〜サイバーパンク2077プレイ雑感〜

PS2以降、ゲームからはぐれていた人間がPS4を購入して丸2年が経過した。世間はすでにPS5へと移行していく中で、止まっていたゲーマー人生を取り戻さんと毎日のようにゲームをやっているわけだが、2010年代のゲームは映画との境目がほぼ無いに等しい。「ムービーのままゲームがやりたい」少年期に抱いたあどけない夢が実現した興奮というものは凄まじく、刺激的かつクラクラするような魅力に酔いしれる日々が続いてい

もっとみる
オススメする夏曲

オススメする夏曲

Spotifyに加入してからというもの、深夜の音楽探訪が止まらない。寝る前のスマホはご法度であることは重々承知しているのだが、近年の音楽シーンは天才ばかりなせいか、聴き惚れる曲のオンパレードなのだ。そんな中で、僕が今年の夏に毎日聴いている夏曲プレイリストを雑文がてら紹介したいと思う。

1.乱反射ガール/土岐麻子

プレイリストの一曲目は重要であり、雰囲気を決めると言っても過言ではない。誰を選ぼう

もっとみる
愚か者に幸あれ『イエスタデイをうたって』ネタバレありアニメ雑感

愚か者に幸あれ『イエスタデイをうたって』ネタバレありアニメ雑感

※ヘッダー画像は、TVアニメ『イエスタデイをうたって』公式サイトhttps://singyesterday.com/より引用しました。

それは酷く遠回りで、起こりうる事象は人によってはじれったく、あっさりしたものに映るかもしれない。しかし歩みの速度は人によって違うもので、変化もまた同じである。誰しもがすぐに足並みを揃えられるわけでもなく、また変化に対して要領良く対処できるわけでもない。それは時に

もっとみる

FF思い出話

以前ドラクエよもやま話を書いたが、今回はFFについて語ろう。FFについて語ることはそんなに多くはないが、これもまた自分にとっては大事な青春の一ページであり、FFの楽しみは常に狂喜と興奮の中にあった。

FF1&2、ファミコン版の3はやったが、内容はあまり覚えていない。幼くて印象に残ってはおらず、恐らくゲームをやった回数より攻略本を眺めた回数のほうが多い。同世代なら理解できると思うが、攻略本を読むだ

もっとみる
今更だけどイエスタデイをうたってについて語ろう

今更だけどイエスタデイをうたってについて語ろう

※ヘッダー画像は『イエスタデイをうたって』1巻98Pより引用

過去作品のアニメ化は最近の風潮だが、てっきり有名作ばかりだと思っていたのでこのニュースには心底驚いた。個人的には平成最後の大ニュースで、この作品がアニメになるなどまるで予想だにしてなかったのだ。

と、言うのも冬目景の描く「イエスタデイをうたって」は有名作というわけではないからだ。かといって知る人ぞ知る隠れた名作というわけでもない。そ

もっとみる
よもやま話番外編。トマトの卵炒め〜西紅柿炒蛋〜

よもやま話番外編。トマトの卵炒め〜西紅柿炒蛋〜

西紅柿炒蛋(シーホンシーチャオダン)またの名を蕃茄炒蛋(ファンチェチャオダン)と呼ばれる中華料理がある。日本語で言うと「トマトの卵炒め」であり、現地だと日本人受けする料理の一つなのだが、不思議と日本国内ではマイナーで、食べたことのない人も多い。国内だとトマトは基本サラダに使われることが多く、生で食べるイメージが強いため、痛めるという発想がなかなか思い浮かばないのだろうか。かくいう僕もTwitter

もっとみる
チャーハンよもやま話

チャーハンよもやま話

失敗しないチャーハン。それは全人類共通の悩みである。だがコツさえ掴めば、チャーハンはそう難しくない。ただ、美味しいチャーハンを作るためにはいくつかクリアしなければならない条件があり、それを省くと確実に失敗する。失敗点は様々だ。フライパンにこびりつく。ごはんがダマになる。全体的にベチャベチャする。妙にパサついているetcetc……。しかしその悩みも今日でおさらばだ。あくまで自己流だが、今回は美味しい

もっとみる
ボードゲーム体験記〜ドラスレ編〜

ボードゲーム体験記〜ドラスレ編〜

TVゲームから長らく離れている僕にとって、新しく開拓した趣味であるボードゲームは安価かつとても楽しいものだ。今日は色々と遊んだボードゲームの中から、初心者でも遊びやすいものをピックアップしていきたいと思う。第一回目となる今回は、RPG好き必見の協力型ボードゲーム『ドラスレ』を紹介しよう。

『ドラスレ』最大の魅力は「濃縮されたRPG感」である。一プレイ30分という短さながら、その内容は非常に濃

もっとみる
ステーキよもやま話

ステーキよもやま話

一番好きな料理は? と聞かれたらまず間違いなくステーキと答える。僕はステーキが好きだ。市民権や人気は焼肉やすき焼きのほうが上で、贅沢の代名詞にもなっている。焼肉やすき焼きはみんなで囲んで食べる楽しみがあるが、ステーキはそうではない。この「囲む」という行為の有無は意外に大きく、それがステーキが焼肉やすき焼きに一歩譲る部分だろう。ステーキを囲んでいたら、それはただの最後の晩餐である。贅沢感はまるでない

もっとみる
ホットケーキよもやま話

ホットケーキよもやま話

ホットケーキは、飽きる。

フカフカの生地を切り分け、生クリームをたっぷりとつけ、甘いシロップに浸しながら頬張ったその瞬間は確かに幸福なのだが、5分もしないうちに飽きる。積み重なったホットケーキの視覚的なインパクトは郷愁を呼び覚まし、絵本の世界に迷い込んだかのように人を一瞬でメルヘンな存在へと変えるが、それも一枚目を平らげるまでの話である。飽きずに食べられるのはどんなに頑張っても一枚目がせいぜいで

もっとみる
ファースト・コンタクト『万年筆編』

ファースト・コンタクト『万年筆編』

子供の頃の夢を大人になって叶えた人間は少ない。だがそれは理想となる自分や憧れの職業になれなかったというだけの話で、もっと小さな望みなら、叶えることのできた人間は多いのではなかろうか。

僕にとってのそれは万年筆であり、万年筆を自在に使いこなす人間になることが昔からの小さな夢の一つだった。実際に万年筆を4本所有している今の身からすれば、夢というほど大げさなものには思わないのだが、何も知らない当時

もっとみる
ドラクエ思い出話

ドラクエ思い出話

初めての冒険の書は、スーパーの特売チラシの裏に覚えたてのひらがなで書いたふっかつのじゅもんだった

ぼんやり光るブラウン管を食い入るように見つめながら、どれだけ目を皿のようにして書き写しても、必ずどこかを間違えていた。

「じゅもんが ちがいます」

このメッセージが表示されるたびに半泣きになったのは言うまでもない。三回ぐらいメモを取って予備を常に作っておくのが幼い僕が編み出した冒険のやり方だった

もっとみる