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好きなもの

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すき、は偉大なる杖だ。幾度となく折れでも、幾度となく立ち上がった。いくつになっても、すきだと叫んでばかりいる。
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#エッセイ

84°33でつながってたい。

84°33でつながってたい。

たまらなくなって、あわててパソコンを開いた。うれしい。
前回の更新から約3ヶ月ぶりでしょうか。
お久しぶりです。元気にしています。お元気ですか?
元気でなくてもいいんです。生きていてくれれば。

あれから仕事を始めました。
心配していた夏休み、家事の分担、子どものメンタル、7月に抱えていた問題は夫と子どもとの話合いと試行錯誤を重ね合いながら、9月からは週4と求人票通りに働いています。

いまにして

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アウトサイダーアートはいい匂いがして水銀のように魅力的

アウトサイダーアートはいい匂いがして水銀のように魅力的

アウトサイド・ジャパン展(~5/19)に行った。

アート展に行った、なんて言うと、アート好きを公言しているようだけど(いやそんな風に見る人はいないかもしれないけど!)、それは全くの間違いで、たぶん芸術と比べるなら、まだCBテストレポート(特定電気用品PSE適合性検査に提出する試験証明書)の方が理解できるよねえ…!?と悩むほど、わたしは芸術鑑賞に疎い。

絵を見れば油の波が気になる始末。
彫刻を見

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すきなひと

ものすごく好きな人がいました。
もう20年くらい、いや25年くらいすきでいます。
10年ぶりかでその人の新刊を読みました。

その人の言葉に触れると
自分の中にふだん隠しているマグマみたいなのが
ダクダクと沸騰し泡が爆ぜてしまいます。

ホントのわたしに戻してしまうのです。

この体がいちばん喜ぶことを知る、言葉でした。

わたしはまた あのときと同じ様に
爆ぜたマグマが内壁にベッタリとこ

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いのち短し、夏夜の乙女たち

いのち短し、夏夜の乙女たち

夏のビーチに オンナの子が1人でいた。
申し訳程度にしかない 面積の小さな水着をくくり
まっさらな肌に 夏の跡を残しにきた。

ここは静岡の とあるビーチ。
駿河湾に囲まれた穏やかな波が
白砂の砂丘に 広く浅く かぶる。
波跡が 何筋もきざまれている。

もう午後3時をまわり
お目当ての こんがりした男たちは
さんざん、波と女の体に騒ぎ疲れ
砂遊びに夢中か 昼寝を貪り
だれも おんなのこに

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深夜の首都高に響く声

深夜の首都高に響く声

午後11時、深夜の首都高を走る。

大きく畝るコンクリートを滑り、目下にテールランプが直線に並ぶ様を見て、ここは空中に浮かぶ川だとおもう。
ガードレールの堤防に、ライトの樹木が植えられ、何処までも続く道は、荒川顔負けの車専用の川にみえた。この川は人の作ったものだ。

高速脇に佇むいくつもの赤い目をもつ巨人群たちの体は、所々明るく、その中でかすかなミニチュアの人影がみえる。

彼らは一様に誇らし

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感想:未来のミライ

感想:未来のミライ

満月で台風の日、太平洋では満潮時刻
国土に大きな風の塊が乗り上げた。
地元は海辺に近く
広い砂浜に遠浅の海がやってきたに違いない。

その日、東京という平地で
わたしは子どもにせがまれて映画を観た。

『未来のミライ』

とんでもない時代がきたなとおもった。
あれはリトマス紙だ。
恐らく本当にいろんなものの
中和剤、中和点のような作品に見えた。

子どもにリアルを。大人にファンタジーを。
どちらか

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哲学カフェのお侍さん

哲学カフェのお侍さん

少し前に、何ヶ月か、都内の哲学カフェを巡っていた。

テツガク、という言葉にただならぬ魅惑の気配を感じた猛者が、どこからともなく湧き集い椅子に座る。

どうひっくり返しても、面白い、以外の何でもなく、どこも、まあ本当に、多種多様な奇特な蜂の花園だとおもった。

テーブル上には、世代と地域を超えた料理が並び、かつそれらを混ぜたり、かけたりして、元の料理は少しずつ味を変える。

その味変中に、ファ

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ハウル

ハウル

ハウルの動く城が放映されるようで今から意気込んでいる!
なんたってハウルは、夫と結婚する布石のような作品だからだ。

当時大学生だったわたしは、当時の彼とこの映画を観て、あぁわたしの結婚相手はこの人しかいない!と座席で思わず前のめりになるほど感動した。

空がうまく歩けない人の手を取り、歩き方を教えてくれる。
ワガママでコダワリが強くて頑固で信条を持ち
どこまでも人に優しく、
同じくらい深

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