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あいしてるっていって
組まれた太腿に浮く青白い血管を見つめていた。車体が大きく揺れた拍子に隣の男が大袈裟に嫌な顔をする。
《インスタントフィクション》光
「もしかして猫?」
彼女が嬉しそうに言う。
僕は遠くの白い仔猫に目をやり本当だ、と返す。
「どうして分かったの?」
「わたし、実は心が読めるの」
彼女は最近、頓珍漢なことを言う。
僕が本を読んでいると、横に彼女が来た。
「今読んでるの、面白い?」
「うん、でもすこし内容が明るすぎる気がする」
「暗いよりはいいじゃない」
彼女は本を読まない。
握りしめた手に汗が滲む。
言葉に
《短編》ポニーテール
初めて彼に髪をくくってもらったのは、いつだっただろう。
随分と昔のような気もするし、案外そんなに前じゃなかったような気もする。
その頃私は不安定で、
そんなに飲んでもいないお酒に酔ったふりをしては、彼に無理な甘え方をしていた。
ずっと前から決まっていた彼の予定を無視してそばにいてとせがんだり、
バイトに行く前の彼にコップのお茶を浴びせたり、
文句も言わずに私の泣き言を聞いてくれる彼を本当は鬱
3月の読了本とおすすめ(2/2)
こんにちは、皆見です!
先日3月の読了本12冊を紹介させていただきました!
読んでくださった方には重複になるのですが、3月は「消化祭」だったため、あまり楽しい読書期間ではなかったんです。
しかし、今回はその中で救いになってくれた素晴らしい一冊をご紹介しようと思います!
早速!
『1R1分34秒』 町屋良平
こちらでございます!!!
こちら、第160回(2018年11月)芥川賞受賞作です
2月の読了本とおすすめ(3/3)
こんばんは、皆見です🌙
3月も半分終えましたね!…ということは急がないと2月の紹介しにくくなっちゃうのでは?と思ってnoteを開いております!
これをお蔵入りにはしたくない!!
それくらい素敵な小説と出会えましたので早速紹介させていただきます!
ナチュラル・ウーマン 松浦理英子
2月に読んだ16冊のうち特によかった本2冊目、こちらになります!
この作品はネタバレどうこう、というタイプの物