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めけめけの徒然なるままにアンチテーゼ
2024年10月19日 23:52
夜の匂いが琥珀色に染まる時あなたは不要に言葉に僕を誘い誘いを犠牲に愛を語る戸惑うことも許されない刹那が夜の向こう側へと時を歪めるもうこんなもんでいいじゃないか弱音を吐く僕の吐息をあなたは煙のように吸い込みながら夜の長さは二人が決めるのだと嘯くどうにもならない躍動は絡み合う指先にまとわりついて離れることを許さない偽りに濡れた月のように欲望の雫が溺れ
2024年9月7日 10:55
僕はいつだって探している面白いこと楽しいこと誰かを笑わせたり、笑いあったり僕はいつだって探している誰かの笑顔みんなの笑い声一緒に歌ったり、朝まで踊ったりずっとそうしていたいからずっとそうできるようにずっとそうであるように僕はいつだって探しているんだ僕はいつだって探しているつらいこと悲しいこと誰かの心が泣き叫んでいるのを僕はいつだって探しているこぼれ落ちる涙
2024年9月5日 19:27
忘れ去られた忘れ物見捨てられたビニール傘に交じって、保管庫でその時を待つ置き忘れたことすら思い出されないそれは悲しいことなのか持ち主はいつか思い出すかもしれないそういえば、どこにいってしまったのだろうかとどこを探しても見つからず探すことも諦めて仕方ないと片付けられる忘れ去られた忘れ物見捨てられたビニール傘運命は同じその日が来るのじっと待ち続ける廃棄の日が近づく忘
2024年9月1日 20:07
川は流れる淀みがあってもなくても、それは流れているそれはこの街から遠く離れた山からずっと流れてきているのかもしれないもっと身近な場所からも流れてきている水面に映る景色は、青い空、削れ行く岩々、枯れ落ちた木の葉、生命の息吹、季節を告げるありとあらゆるものが流れているその記憶に街の風景が加えられる街の明かり、人々の暮らす音、置き去りにされたペットボトルにメッセージは入っていない何か
2024年8月29日 00:29
眠れない夜を数えない。 決まって思い出してしまうあなたの顔は、どうやら日に日にぼやけてしまっている。「昨日は嘘も交えていろいろ話したけれれども」と彼女は言った。その時の顔は覚えていないけれどもその声もトーンも昨日のことのように覚えている。 あれはなんであったのか。何が嘘で何が本当なのか。考えた数は眠れない夜に等しい。その夜の会話はどんどんと薄れてい行く。何が嘘で何が本当なのか。その中
2021年9月24日 10:44
だから僕は手をにぎるよそのぬくもりを感じたいからだから僕は手をにぎるよ言葉よりも伝わる何かがあるからその大きな手は僕を導いた人ごみの中、迷わないようにたどり着いた公園で僕はその手を離して駆け回る日が暮れる頃帰りたくないという僕の手を大きな手が握って明日また来ようねっていうんだ僕はしかたなくその手を握り返し小さくうなずくまた迷うことなく家に帰れるんだだから僕は手を握る
2020年4月13日 12:08
自分の中の、どす暗いものに向き合うとき、それは葛藤という名の戦争になる。どす暗いものの正体とは、欲望であり、渇望であり、それを堕落として正しさを貫こうと戦いを挑むのは、果たしていったい何なのであろうか。正義感、倫理観、道徳的観念、それらの連合軍なのだろうか。或いは自我を形成する自己意識、俗な言い方をすれば魂のようなものが、抗おうとしているのだろうか。人の心の迷いとは、すなわち葛藤であり
2020年1月13日 11:17
孤独を自覚し、死を傍らに置く生き方は、案外と楽なのだ何かにすがる事もなく、何かに頼る事もなく、何かにもたれる事もなくひょうひょうと生きられればそれは至極でも、そう簡単にいかないだけに、人は面倒なのだどうしようもなくさみしくて、どうしようもなく愛おしくて、どうしようもなく欲してしまうなぜなら心があるからなのだなぜなら愛を知るからなのだなぜなら恋する事に焦がれるからなのだ心はまま
2019年8月1日 17:19
一人ぼっちの兵隊さんが言いました「人殺しはよくない」とすると彼に息子の右腕を手投げ弾で吹き飛ばされた母親がいいました「じゃあ、人の手足を吹き飛ばすのはかまわないのか」とそれはおかしい、間違っているとみんな口々に一人ぼっちの兵隊さんに言いました「でも彼は右手にマシンガンを持っていたので、仕方がなく反撃したんだ。やらなければこちらが殺されていた」と兵隊さんは言いました「じゃあ、
2019年6月20日 19:00
今宵も世界に素敵な詩を捧げよう隣の家のミヨちゃんが大事に飼っていたインコが死にました彼女は近所の公園の隅に、小さな墓をつくってあげました次の日、墓は野良犬たちに荒らされて、彼女は大きな声で泣きましたでも、神様はいなかったので、代わりに僕が詩を作ってあげました彼女の悲しみは癒され、僕はとても幸せな気持ちになりました僕の詩が悲しみを癒すと知り、神様に感謝を捧げましたでも、神様はいなかった
2019年6月15日 18:00
あなたに触れたいと思う気持ちを、僕は見つめている それを罪であると言い捨てるのはとても簡単だ 罪を認めても、償うことを前提に、僕はあなたを見つめている それは悪なのかもしれない 正しい選択が真理へと続くのなら この先に僕を待ち受けているのは嘘で固められた暗黒の塔なのかもしれない 僕はらせん状にどこまでも続く階段を上り続け そして結末はどこにたどり着くこともなく、地面に落ちてしまう