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震える心、揺れる心

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心を動かすことはできないかもしれないけれど、震えさせたり、揺れさせたりできるのなら、僕はそれをしよう
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#詩

夜の匂い

夜の匂い

夜の匂いが琥珀色に染まる時

あなたは不要に言葉に僕を誘い

誘いを犠牲に愛を語る

戸惑うことも許されない刹那が

夜の向こう側へと時を歪める

もうこんなもんでいいじゃないか

弱音を吐く僕の吐息を

あなたは煙のように吸い込みながら

夜の長さは二人が決めるのだと嘯く

どうにもならない躍動は

絡み合う指先にまとわりついて

離れることを許さない

偽りに濡れた月のように

欲望の雫が溺れ

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さがしものはなんですか?

さがしものはなんですか?

僕はいつだって探している
面白いこと
楽しいこと
誰かを笑わせたり、笑いあったり

僕はいつだって探している
誰かの笑顔
みんなの笑い声
一緒に歌ったり、朝まで踊ったり

ずっとそうしていたいから
ずっとそうできるように
ずっとそうであるように
僕はいつだって探しているんだ

僕はいつだって探している
つらいこと
悲しいこと
誰かの心が泣き叫んでいるのを

僕はいつだって探している
こぼれ落ちる涙

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忘れ去れた忘れ物

忘れ去れた忘れ物

忘れ去られた忘れ物
見捨てられたビニール傘に交じって、保管庫でその時を待つ

置き忘れたことすら思い出されない
それは悲しいことなのか
持ち主はいつか思い出すかもしれない
そういえば、どこにいってしまったのだろうかと

どこを探しても見つからず
探すことも諦めて
仕方ないと片付けられる

忘れ去られた忘れ物
見捨てられたビニール傘
運命は同じ
その日が来るのじっと待ち続ける

廃棄の日が近づく

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川の流れにゆだねられたもの

川の流れにゆだねられたもの

川は流れる
淀みがあってもなくても、それは流れている

それはこの街から遠く離れた山からずっと流れてきているのかもしれない
もっと身近な場所からも流れてきている
水面に映る景色は、青い空、削れ行く岩々、枯れ落ちた木の葉、生命の息吹、季節を告げるありとあらゆるものが流れている

その記憶に街の風景が加えられる
街の明かり、人々の暮らす音、置き去りにされたペットボトルにメッセージは入っていない

何か

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眠れない夜を数えない罪

眠れない夜を数えない罪

 眠れない夜を数えない。

 決まって思い出してしまうあなたの顔は、どうやら日に日にぼやけてしまっている。

「昨日は嘘も交えていろいろ話したけれれども」と彼女は言った。その時の顔は覚えていないけれどもその声もトーンも昨日のことのように覚えている。

 あれはなんであったのか。何が嘘で何が本当なのか。考えた数は眠れない夜に等しい。その夜の会話はどんどんと薄れてい行く。何が嘘で何が本当なのか。その中

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手を握るよ

手を握るよ

だから僕は手をにぎるよ
そのぬくもりを感じたいから
だから僕は手をにぎるよ
言葉よりも伝わる何かがあるから

その大きな手は僕を導いた
人ごみの中、迷わないように
たどり着いた公園で
僕はその手を離して駆け回る
日が暮れる頃
帰りたくないという僕の手を
大きな手が握って明日また来ようねっていうんだ
僕はしかたなくその手を握り返し
小さくうなずく
また迷うことなく家に帰れるんだ

だから僕は手を握る

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心の庭

心の庭

自分の中の、どす暗いものに向き合うとき、それは葛藤という名の戦争になる。
どす暗いものの正体とは、欲望であり、渇望であり、それを堕落として正しさを貫こうと戦いを挑むのは、果たしていったい何なのであろうか。

正義感、倫理観、道徳的観念、それらの連合軍なのだろうか。
或いは自我を形成する自己意識、俗な言い方をすれば魂のようなものが、抗おうとしているのだろうか。

人の心の迷いとは、すなわち葛藤であり

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こころ

こころ

孤独を自覚し、死を傍らに置く生き方は、案外と楽なのだ
何かにすがる事もなく、何かに頼る事もなく、何かにもたれる事もなく
ひょうひょうと生きられればそれは至極

でも、そう簡単にいかないだけに、人は面倒なのだ
どうしようもなくさみしくて、どうしようもなく愛おしくて、どうしようもなく欲してしまう

なぜなら心があるからなのだ
なぜなら愛を知るからなのだ
なぜなら恋する事に焦がれるからなのだ

心はまま

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ひとりぼっちの兵隊さん

一人ぼっちの兵隊さんが言いました

「人殺しはよくない」と

すると彼に息子の右腕を手投げ弾で吹き飛ばされた母親がいいました

「じゃあ、人の手足を吹き飛ばすのはかまわないのか」と

それはおかしい、間違っているとみんな口々に一人ぼっちの兵隊さんに言いました

「でも彼は右手にマシンガンを持っていたので、仕方がなく反撃したんだ。やらなければこちらが殺されていた」と兵隊さんは言いました

「じゃあ、

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世界に捧ぐ

今宵も世界に素敵な詩を捧げよう
隣の家のミヨちゃんが大事に飼っていたインコが死にました
彼女は近所の公園の隅に、小さな墓をつくってあげました
次の日、墓は野良犬たちに荒らされて、彼女は大きな声で泣きました
でも、神様はいなかったので、代わりに僕が詩を作ってあげました
彼女の悲しみは癒され、僕はとても幸せな気持ちになりました
僕の詩が悲しみを癒すと知り、神様に感謝を捧げました
でも、神様はいなかった

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彼女は傘をささない

彼女は傘をささない

 あなたに触れたいと思う気持ちを、僕は見つめている
 それを罪であると言い捨てるのはとても簡単だ
 罪を認めても、償うことを前提に、僕はあなたを見つめている

 それは悪なのかもしれない
 正しい選択が真理へと続くのなら
 この先に僕を待ち受けているのは嘘で固められた暗黒の塔なのかもしれない
 僕はらせん状にどこまでも続く階段を上り続け
 そして結末はどこにたどり着くこともなく、地面に落ちてしまう

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