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愚者は経験に学び、賢者は客観的事実に学ぶ

成功者が持っている能力の共通点に自己評価と客観的評価の一致というものがあります。


成功へと導く能力「自己評価と客観的評価の一致


自己評価とは「自分ってこうなんだよね」って自分で自身を評価する事で、客観的評価とは「あの人ってこうだよね」って他人が自分を評価する事です。

この「自分ってこうだよね」と「あの人ってこうだよね」が一致していると物事は成功しやすくなると言う事を2つ前の記事でお話ししましたよね。

2つ前の記事↓

ではなぜこれらの評価が一致していると成功しやすくなるのかというと、例えば近年有名人がアパレルブランドを立ち上げるのが流行っていますが、成功している人もいれば滑っている人もいますよね。

ここでアパレルブランドを出す前に

「自分がアパレルブランドを出したらどれぐらいの人が買うのか」という自己評価を考えた時に

「あの人のアパレルブランドが欲しいかどうか」

というファンの客観的評価が一致していれば成功するし、少なくとも滑ることはないわけです。

このようにアパレルブランドだけでなく、多くのビジネスや経営において自己評価と客観的評価を一致させる能力はとても重要です。



しかし組織心理学者のTasha Eurichらが行った研究で「自分ってこうだよね」という自己評価って8~9割間違えているよねという事が判明しました。



80~90%の人の自己評価は間違えている


なんかいろんな人が「自分ってこんな人間です!」「僕はこの能力が高いです!」って自己評価をする事って少なくはないと思うのですが、まあそれらは大体間違えているのです。


じゃあどうやったら正しい自己評価ができるようになるのかというと、まず自己評価のズレには意識的な自己評価のズレ無意識的な自己評価のズレ2パターンあり、その内「意識的な自己評価のズレの治し方」を昨日の記事でお話ししてきましたよね。


昨日の記事↓


では今日は何についてお話ししていくのかと言うと、もちろん無意識的な自己評価のズレの治し方です。



こんにちは、座右の銘は「酒に溺れられない夜はない」まひろです。



なぜ人は無意識に自己評価を間違えるのか


と言うわけで早速本題に入っていこうかなと思うのですが、ここでまず疑問に抱くのが「無意識に間違えるってのはどういうこっちゃ?」って事ですよね。

昨日は意識的に自己評価を間違えるケースについてお話ししてきましたよね。

意識的にとはどう言うことかと言うと、例えば学生時代にテストで大体80点を取れたのに国語だけ50点だった時、友達から「お前テスト良かったんだって?何点だったの?」なんて聞かれた時に人はついつい「あー、良かったよ?まあ8割ぐらいかな〜」みたいに意識的に自己評価をずらしてしまう事とかです。

要するに、こういう事実ではなく「自分はこうでありたいという理想」「他人からこう見られたいという目線」を気にして話を盛っちゃったり・自分にとって都合の悪い事実を隠したりする事ですよ。


こういう意識的な自己評価のズレの治し方を昨日の記事ではお話ししたのですが、ただこう言う経験って多くの人が一度は経験した事があるし、記憶にも残ってると思うんですよね。

僕も小学生でお漏らしをしてしまった時に当時飼っていた犬の仕業だと事実を捻じ曲げようとしたことがあります。余裕でばれたのですが。


だから意識的な自己評価のズレに関しては親近感があって想像できるって方も多いと思うのですが、無意識って要するに記憶に残ったりしていないのでいまいちピンとこない人って割と多いと思うんですよね。

そんな方々はこういうシチュエーションを想像してみてください。


「あれ、前はこうやって上手く行ったのに今回は失敗した。なんでだ?」

「この前あの上司(目上の人)〇〇って言ってたのに今回は△△って言っていたよ。どっちなんだ?」

「なんで自分ってこうなんだろう。てか自分って何なんだ?」


こういう上に挙げた例を経験した事がある方は多分読者の皆さんの80~90%の方々が「あれ〜なんかおかしいな」って疑問に思う経験された事があると思うのですが、無意識の自己評価のズレってこういうことなんですよね。

まあ元々無意識のことなので鮮明なイメージを持つ事って難しいのですが、なんとなくイメージできたり「あ、そんな体験ある」って思われたと思います。


そしてこの上に挙げた事が大体人が自己評価を無意識で間違える3つの原因です。



自己評価を無意識で間違える3つの原因


てな感じで80~90%の人って意識的だけでなく、無意識でも自己評価を間違えてしまうものなのですが、じゃあその原因になってるのはナンジャラホイって事ですよね。

人が無意識に自己評価を間違える原因は3つあります。それは何かと言うと


・経験

・権力

・「なぜ?」と自問する事


この3つが原因で人は「自分はこうだ!」とか「自分はこの能力が高い」という自己評価を間違えるんですよね。それもこの際言ってしまうと、大体人って自分を過小評価するのではなく過大評価して自己評価を間違えるのです。


・大体の人は自分を過大評価する

自分を過小評価するなら損することはあっても失敗することはありませんが、自分を過大評価してしまうと損をするし失敗もするんですよね。

例えば「俺の能力ではこの事業はできない」って自分を過小評価して新規事業を諦めたとして、もしかしたら成功したかもしれませんが失敗をすることもありません。

逆に「俺ならこの事業は成功させられる」って自分を過大評価して自分が持ち合わせている能力以上の新規事業に突っ込んで行けば、能力が足りないので失敗をするし損もするのです。

だからまあ極論の話ですが、過小評価と過大評価なら過小評価の方がまだマシなのですが、大体の人って自分を過大評価してしまう事がこのTasha Eurichらが行った研究でついでに分かってるんですよね。

そしてもっと言えば自己評価は過少すぎず過大すぎず、正しく正確にする事に越したことはないことはもうこの記事のシリーズを通して僕は自分の耳にすらタコができる程お話ししましたよね。

なので1つ1つこの3つの原因を紐解いていこうと思います。



経験は必ずしも学びではない


ということで、世間一般では「経験」って良いものっていう通念があると思うのですが、2002年にスウェーデンのウプサラ大学心理学部が行った実験では

経験から学ぶ人は、これは前もって調べておこうっていう事前の下調べこれは間違えているなぜならこうだからだという反証的証拠の探求や、果たして自分の考えは正しいのだろうかと自分の思い込みを疑ってみるなどの自己評価の正確性を上げるための能力が低い。

という事がわかったんですよね。

こうやって経験から物事を学ぶって思っている人に限って必要な所で考える事を怠っちゃったりするんですよね。


そしてまた2007年にコロンビア大学が行った実験では

527の組織の3,217人のマネージャー(業務を管理・統括する責任者)とそのマルチソース評価者(複数の人から同じ条件で評価をしてもらう事)からデータを収集した結果、経験がより豊富なマネージャーは経験の浅いマネージャーよりも、リーダーシップ能力に関する自己評価の精度が低かった

という事がわかっています。

って感じで経験で確かに得することもあるし世の中では経験を頼ることに良い事だとされているのですが、実は経験に学ぶ事経験が自分は多いという自覚デメリットの方が多いんですよね。


だからたまに「僕(私)はめちゃくちゃ色んな人生経験をしてきたから君より凄いんだよ」とか「長年の経験は大事だ」みたいなこと言っている人をたまに見かけるのですが、別に経験が多いからと言って精神年齢が高くなるわけでもないし、経験が長いからと言って言っている事が正しいというわけでもないのです。

こういうのを世間では「老害」なんて言ったりするそうですが、なぜ年上の人が年下に「経験」を語るケースが多いのかというと経験でしか勝てる部分を見つけられないからなんですよね。

人の脳って30歳ぐらいから大体老化が始まるので、年老いた人が若い人より秀でているケースって非常に稀なわけで、基本的に年下の人の方が何でも能力的には優秀なわけです。

でも日本には年上の人を敬うという謎ルールがあるので、どうしても事実よりも経験年数が重視されてしまうのです。

人間関係はそれでも破綻しませんが、ビジネスとか経営とかって感情や根性論で動かないわけです。なので「経験」に頼った考え方を取り入れても、どっちにしろデメリットの方が多いんですよね。


経験に頼ったり経験を重要視する事って大して大切ではなく、本当に大切なことって初心の心を忘れずに批判的思考を持つこと(前提を疑うこと)なんですよね。


ちなみにクリティカルシンキング(批判的思考)の鍛え方はこちらの記事で詳しくお話ししているのでぜひご覧ください↓



って感じで「経験」って世間では良いものと考えられているのですが、ちゃんと調べてみると「そうでもないよね」って事がわかっているので、自分の経験を過信したり経験豊富だと思うのではなく、大切なことって「自分の経験では確かにこうなんだけど、本当にこれは正しいのか?」って批判的思考を持つ事なんですよね。



という感じで、原因の1つについてお話ししてきましたがこれ以上話すと記事が長くなるのでこの続きは明日の記事でお話ししていこうと思います。



それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。


参考文献…insight(インサイト) 著ターシャ・ユーリック


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