前田有一┃映画批評家

浅草出身 宅建主任者、健康運動実践指導者、社会・政治記者を経て映画批評家に。映画会社に…

前田有一┃映画批評家

浅草出身 宅建主任者、健康運動実践指導者、社会・政治記者を経て映画批評家に。映画会社に所属していないため、業界人への忖度なし、遠慮なしのガチ評で知られる。TVラジオ雑誌等のマスメディアや日本最大級の批評サイト『超映画批評』にて活動。著書「どうしてそれではダメなのか。」(玄光社)他

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  • 映像・報道分析から探る、政治/時事問題のウラ

    映像を読み解くことを生業とする映画批評家が、プロパガンダの分析テクニックなどを用いて政治問題、社会問題を読み解きます。メディアリテラシーを磨くためにも、こんな視点があるのかと楽しんでいただけたら幸いです。

記事一覧

この4年半で最大のイベントやります

『オモシロ映画道場 巨大スクリーン版』は、映画と落語の世界が融合したイベント。 今回は、2019年の立ち上げから4年半で最大となる「超」特別バージョン。なんと映画館並…

超映画批評『犯罪都市 NO WAY OUT』55点(100点満点中)

『犯罪都市 NO WAY OUT』は、韓国で高い人気を誇る「犯罪都市」シリーズの第三弾で、すでに全世界で120億円超の興行収入を記録したヒット作となっている。 ストーリーは、…

映画批評『熱のあとに』

『#熱のあとに』は歌舞伎町ホスト刺傷事件にインスパイアされた映画で、 #橋本愛 演じる沙苗の心の葛藤を描きます。沙苗は過去にホストを刺して服役し、出所後、新たな生活…

『セクシー田中さん』作者・芦原妃名子さん急死

漫画家の芦原妃名子(あしはら ひなこ)さん(本名・松本律子、50歳)の訃報は多くの人々に衝撃を与えました。 彼女の漫画『セクシー田中さん』は、17年9月から小学館『…

アレック・ボールドウィン、過失致死罪で起訴される

2021年10月21日、米俳優アレック・ボールドウィンが出演する映画「Rust」の撮影中に小道具の銃から誤って発射し、撮影監督ハリーナ・ハッチンズさんが亡くなり、ジョエル・…

紅白歌合戦「アイドル」に見たNHKの限界

昨夜の大みそかには恒例の紅白歌合戦が放送されました。ジャニーズ事務所のスキャンダルで同社の人気タレントが出演できず、キャスティングを含めたNHKの演出力が試される…

『ゴジラ-1.0』が「低予算」だとアメリカで話題に?!

全米でも公開中の『ゴジラ-1.0』が、12月3日までの興収において、早くも実写の日本映画として過去ナンバーワンの成績を塗り替えました。 これについてアメリカのメディア…

笑い納め!明日7日(木)は今年最後の公演です

【知識と笑顔を手に入れる】 明日12月7日(木)、オフラインイベント【竹紋と愉快な仲間たち】の中で、私前田がスライド芸を披露します。 お笑い映画セミナー「オモシロ…

Netflixがゲーム事業に参入した理由

米ロサンゼルスで行われたイベントにてネットフリックスのゲーム事業部門幹部が講演し、同社の戦略について語りました。 彼はゲーム事業の目的を「ネットフリックスに戻っ…

「マーベルズ」不振を不思議がる映画メディアの不思議

MCU映画「マーベルズ」が世界中で不振となっている件について、映画メディアはこぞって分析記事を掲載しています。 「観客のヒーロー映画疲れ」「脚本の品質低下」など、…

『映画プリキュアオールスターズF(エフ)』の裏事情

▼プログラムピクチャーは好調、だが実態は…… 現代では定期的に公開されるドラえもんやコナンなどが、かつてのプログラムピクチャーの役割を果たしていますが、今年は…

『オモシロ映画道場リターンズ』11.28開催

noteでもしょっちゅう告知している、私が力を入れているイベントです。 いよいよラスト開催日が迫ってまいりました。 ・まだ行った事はない ・気にはなるけど機会が無くて…

【処理水放出】中国ネタ報道は日本政府のプロパガンダだった件

重大事故を起こした福島第一原発からの「処理水」が海洋放出され、各方面に大きな影響と論議を巻き起こしています。ネット上では一般の人たちも激しい議論を繰り広げていま…

ホントに好発進?『君たちはどう生きるか』初週の数字を映画批評家が分析したら不安になった件

宣伝をしない方針が話題の宮﨑駿監督「君たちはどう生きるか」が、大ヒットスタートだと報じられています。 しかし、そうした記事のほとんどは映画会社のリリースを丸写し…

超映画批評『君たちはどう生きるか』55点(100点満点中)

◆秘密主義がどんな結果となるか 宣伝なし、予告編もあらすじも含めて事前情報なしという、宮崎駿監督の長編復帰作品「君たちはどう生きるか」は、いかにも近年の宮崎作…

映画批評家がDappi裁判を傍聴して分析したら、Dappi側のホンネがバレた件

◆はじめに 私は映画批評家ですが、普段からメディアリテラシーやプロパガンダといったテーマについて、noteで取り上げています。 そのため、いわゆるDappi裁判のゆくえ…

この4年半で最大のイベントやります

この4年半で最大のイベントやります

『オモシロ映画道場 巨大スクリーン版』は、映画と落語の世界が融合したイベント。

今回は、2019年の立ち上げから4年半で最大となる「超」特別バージョン。なんと映画館並みの巨大スクリーンを使用したホールで開催します。

映画評論家・前田有一と落語家・桂竹紋が、ボケとツッコミを繰り返しながら、映画ビジネスの舞台裏を解き明かします。スクリーンに映し出されるスライドはギャグが散りばめられ、笑いながら知識

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超映画批評『犯罪都市 NO WAY OUT』55点(100点満点中)

超映画批評『犯罪都市 NO WAY OUT』55点(100点満点中)

『犯罪都市 NO WAY OUT』は、韓国で高い人気を誇る「犯罪都市」シリーズの第三弾で、すでに全世界で120億円超の興行収入を記録したヒット作となっている。

ストーリーは、ソウル広域捜査隊へ異動したマ・ドンソク演じるマ・ソクト刑事が、新型麻薬を巡る事件に挑む。事件の背後には日本のヤクザが関与しており、三つ巴の戦いが展開されるというもの。

続きものではないし、わき役キャラクターも刷新しているの

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映画批評『熱のあとに』

映画批評『熱のあとに』

『#熱のあとに』は歌舞伎町ホスト刺傷事件にインスパイアされた映画で、 #橋本愛 演じる沙苗の心の葛藤を描きます。沙苗は過去にホストを刺して服役し、出所後、新たな生活を始めます。映画はキャラクターの内面を深く掘り下げ、観客に思索を促します。橋本愛の演技は、抑えた感情表現でヒロインの内面を表しています。

この作品は社会の枠に収まらない愛をテーマにしており、監督の山本英は裁判議事録に感銘を受けて純愛物

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『セクシー田中さん』作者・芦原妃名子さん急死

『セクシー田中さん』作者・芦原妃名子さん急死

漫画家の芦原妃名子(あしはら ひなこ)さん(本名・松本律子、50歳)の訃報は多くの人々に衝撃を与えました。

彼女の漫画『セクシー田中さん』は、17年9月から小学館『姉系プチコミック』で連載され、23年10月に木南晴夏主演でドラマ化されました。

このドラマ化に際し、原作者の芦原さんは「原作に忠実に」という条件を提示。しかし、実際には原作からの大幅な改変が行われ、芦原さんは訂正指示を繰り返すも、最

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アレック・ボールドウィン、過失致死罪で起訴される

アレック・ボールドウィン、過失致死罪で起訴される

2021年10月21日、米俳優アレック・ボールドウィンが出演する映画「Rust」の撮影中に小道具の銃から誤って発射し、撮影監督ハリーナ・ハッチンズさんが亡くなり、ジョエル・ソウザ監督が負傷しました。

この事故は、今も当時も謎が多く、報道を混乱させ、そのため多くの人に正確な情報が伝わっていない可能性があります。

そんな状態のまま1年後、ボールドウィン氏は遺族側と和解に至ったのですが、その後もすん

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紅白歌合戦「アイドル」に見たNHKの限界

紅白歌合戦「アイドル」に見たNHKの限界

昨夜の大みそかには恒例の紅白歌合戦が放送されました。ジャニーズ事務所のスキャンダルで同社の人気タレントが出演できず、キャスティングを含めたNHKの演出力が試される回となりました。

色々ありましたが、明らかなのは、23年最大のウリは日本の楽曲として世界を席巻した「アイドル」(YOASOBI)だったという事です。

◆演出失敗で炎上するNHK

 「ボーダレス-超えてつながる大みそか-」をテーマとし

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『ゴジラ-1.0』が「低予算」だとアメリカで話題に?!

『ゴジラ-1.0』が「低予算」だとアメリカで話題に?!

全米でも公開中の『ゴジラ-1.0』が、12月3日までの興収において、早くも実写の日本映画として過去ナンバーワンの成績を塗り替えました。

これについてアメリカのメディアが「低予算なのに立派だ、メジャースタジオも見習うべき」といった論調だと報じられています。

『ゴジラ-1.0』のヒットはわかりますが、その反応第一声が「低予算なのに立派に見える」というのは、大作だと思い込んでいた日本の感覚とはあまり

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笑い納め!明日7日(木)は今年最後の公演です

笑い納め!明日7日(木)は今年最後の公演です

【知識と笑顔を手に入れる】

明日12月7日(木)、オフラインイベント【竹紋と愉快な仲間たち】の中で、私前田がスライド芸を披露します。

お笑い映画セミナー「オモシロ映画道場」としては2023年最後の笑い納めです。東京田町にぜひお集まりください。唯一無二のイベントだと思います。

あなたが楽しい一年だったと思えるように頑張ります。ライブならではの共有体験を一緒に味わいましょう!

開催要項

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Netflixがゲーム事業に参入した理由

Netflixがゲーム事業に参入した理由

米ロサンゼルスで行われたイベントにてネットフリックスのゲーム事業部門幹部が講演し、同社の戦略について語りました。

彼はゲーム事業の目的を「ネットフリックスに戻ってきてもらう事」と語り、プレイ時間にはこだわっていないと話しました。それよりも毎日アクセスしてくれることが重要だ、というわけです。

スマホなどのモバイルゲームを中心に展開する、同社ならではの考え方と言えるでしょう。

▼ゲームはあくまで

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「マーベルズ」不振を不思議がる映画メディアの不思議

「マーベルズ」不振を不思議がる映画メディアの不思議

MCU映画「マーベルズ」が世界中で不振となっている件について、映画メディアはこぞって分析記事を掲載しています。

「観客のヒーロー映画疲れ」「脚本の品質低下」など、何か理由をつけようと必死のように私には見えます。

私に言わせれば、そもそも「マーベルズ」は北米はともかく、日本で大ヒットなどするわけがない企画であり、いまさらいったい何を不思議がっているのか、あなた方の感覚のほうがわからないよ、という

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『映画プリキュアオールスターズF(エフ)』の裏事情

『映画プリキュアオールスターズF(エフ)』の裏事情


▼プログラムピクチャーは好調、だが実態は……

現代では定期的に公開されるドラえもんやコナンなどが、かつてのプログラムピクチャーの役割を果たしていますが、今年はそれらが特に好調です。

「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~」(8月4日公開)は2015年の同作品の記録を更新し、24億円超の最高興収を記録。

女児向けとしても「映画プリキュアオールス

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『オモシロ映画道場リターンズ』11.28開催

『オモシロ映画道場リターンズ』11.28開催

noteでもしょっちゅう告知している、私が力を入れているイベントです。
いよいよラスト開催日が迫ってまいりました。

・まだ行った事はない
・気にはなるけど機会が無くて…
・1800円はちと高い気がする

など、様々な理由で躊躇している皆様のために、今回は「オモシロ映画道場リターンズ」として企画しました。

こちらは桂竹紋さんの落語に加え、私のほうからは特に好評だった過去の公演の中からひとつ選びリ

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【処理水放出】中国ネタ報道は日本政府のプロパガンダだった件

【処理水放出】中国ネタ報道は日本政府のプロパガンダだった件

重大事故を起こした福島第一原発からの「処理水」が海洋放出され、各方面に大きな影響と論議を巻き起こしています。ネット上では一般の人たちも激しい議論を繰り広げています。

私は20代のころ、消費者問題のライターとして、在りし日の福島第一原発の視察を含め原発問題を追いかけていたことがあります。通産省(当時)担当者との激しい応酬の場にいたこともあり、東電や官僚、政府の情報発信の狡さ、と言ってはなんですがプ

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ホントに好発進?『君たちはどう生きるか』初週の数字を映画批評家が分析したら不安になった件

ホントに好発進?『君たちはどう生きるか』初週の数字を映画批評家が分析したら不安になった件

宣伝をしない方針が話題の宮﨑駿監督「君たちはどう生きるか」が、大ヒットスタートだと報じられています。

しかし、そうした記事のほとんどは映画会社のリリースを丸写しにしたもので、データを独自に分析していないものばかりです。

この件については海外メディアを含むマスコミ数社から私にも取材依頼が来ており、皆さんも気になっているところだと思いますので、今日はホントのところを解説します。

◆メディアに出て

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超映画批評『君たちはどう生きるか』55点(100点満点中)

超映画批評『君たちはどう生きるか』55点(100点満点中)


◆秘密主義がどんな結果となるか

宣伝なし、予告編もあらすじも含めて事前情報なしという、宮崎駿監督の長編復帰作品「君たちはどう生きるか」は、いかにも近年の宮崎作品らしいパーソナルかつ静かな一本であった。

◆あらすじ

母親を火事で亡くしたマヒトは、戦争がはじまって4年目に父に連れられ、再婚相手が暮らす郊外の屋敷へと越してきた。軍需工場を営む父親は裕福で、屋敷には多くのベテラン使用人がおり、マヒ

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映画批評家がDappi裁判を傍聴して分析したら、Dappi側のホンネがバレた件

映画批評家がDappi裁判を傍聴して分析したら、Dappi側のホンネがバレた件

◆はじめに

私は映画批評家ですが、普段からメディアリテラシーやプロパガンダといったテーマについて、noteで取り上げています。

そのため、いわゆるDappi裁判のゆくえにも関心を持ち、当初より傍聴、取材を行ってきました。

そうした中、2023年6月26日に結審前最後となる本人尋問が、東京地裁610号法廷で2時間を超える長い時間をかけ行われました。

民事裁判は毎回書面の交換で終わりがちですが

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