健忘録【スクイージング・吸引】
人工呼吸器装着中、実は痰排泄ができず苦しいことも沢山あった。
そんな中、看護師が両手で振動を与えながら、肺を押して呼吸動作をしてくれるスクイージングというやつをやってくれたことがある。それも、数回とかではなく、何度も何度も、結構な時間やってくれた。
時間をかけて、タイミングを合わせた振動と胸部圧迫により、気管に開けた穴(気切)から入れた吸引(サクション)チューブが届くところまで痰の移動を促し、それを清潔操作でサクションチューブで掃除機のように吸い取る。このサクションも、実はチューブの入れ方や引き方一つで、楽になる魔法の手技に化けるか、様々な苦痛を伴う魔の手技になるかが変わる。(吸引(サクション)は辛いことで有名だが、実は辛くない場合も多々ある。)
スクイージングやサクション自体で、背景疾患がいきなり根治するわけではない。しかし、痰排泄を促し、体感的な苦しさは大分改善した。
しかも、一回これをやっても、背景疾患が存在し、人工呼吸器も乗り続けているので、時間差で再び同じ理由から苦しくなってくる。
数名の看護師らが、何度も何度もこのスクイージングをしてくれた。
特にその中でも上手だった人は10年以上経った今でも、この場面をハッキリ思い出せるほど記憶に鮮明に刻まれている。
再会した際には、昔お世話になった時のことのお礼は言ったが、具体的にはあの時もこの時も〜、とは言えなかった。
接触時間の短さもあるが、このスクイージング以外にも沢山、たっくさんお世話になっている。
とにかく、レスピ装着中のこのスクイージングで手動去痰を促して、サクションで痰を掃除機のように吸い取ってくれたことで、体感的に苦しさが大分マシになったのはよく覚えている。
こういうのって、どこにも記録されていないことなのかな? そして、このようなことを施してくれた方からしたら、他にもっと記憶に残るエピソードも多いのかもしれない。(けど、結構な運動になるし、一所懸命やってくれてるよね。伝授していて欲しい☺️。)
けど、スクイージングという、投薬や挿管、胸骨圧迫と比較したら地味に感じるかもしれない処置でも、患者としては非常にありがたいこともある。
そして、寝たきりで寝返りも打てず、痰も排泄できない状態は、肺炎の原因でもある。人工呼吸器装着中の肺炎は、少なからず命取りのことがある。
すると、このような手技は、肺炎の原因を排除し、何もしなかったら起きて命を脅かしたかもしれない肺炎を予防し、未病のうちに治療してくれている。(呼吸リハビリみたいに効果的?)
こういうことが、患者のQOLを大いに改善し、命も救うこともあろう。
あの時は(も)ありがとう。
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