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LUNA.N.
2020年11月13日 21:30
「さわる」ように読む。この言葉に衝撃を受けた。ただ、感じるのではなく、さわってみるとは、どのようなことか。私の家の近くには、修道院や教会が点在している。そのせいか、駅前の本屋さんの一つの棚には、興味深いものがある。「目からウロコ 聖書の読み方 レクチオ・ディヴィナ入門」という女子パウロ会の書を見つけた。私はクリスチャンではないが、西洋美術史の授業は好きだった。西洋美術と聖書は
2020年10月30日 21:46
母の形見の中に、バロックパールのネックレスがある。歪な形であるがゆえに暖かみや優しさを持つような気がして、歳を重ねるほどに使用する回数が増えた。真珠の白い柔らかさで、顔まわりが明るくなるような気がする。もしくは、グレーのバロックパールを白いシャツの襟を大きめに開けてするのも素敵だ。そんなお洒落は、若いうちは似合わない。大人の特権だ。私は、服も持ち物も、できるだけシンプルなものを選んで
2020年6月26日 00:09
夏の夕方だった。千葉市美術館の閉館に間に合うように走った。急いで千葉モノレールに乗って見に行ったのは「没後20年 ルーシー・リー展」。久しぶりに図録を開いて見たら、当時のパンフレットと葉書が挟んであった。美しいフォルムと色。特に、薄いピンク色。どうやって出すのか・・・。このピンクに青が絶妙なバランスで組み合わされる。ルーシー・リーの作品には、テーブルウェアが多い。花器、壺、ティー
2020年5月30日 00:03
美大生だった頃、写真をやっていた時期があった。モノクロフィルムで撮り、暗室にこもって現像した。露光過多にして、ソラリゼーションの実験をしたり、マットな印画紙に焼き付けてみたり、遊びのように楽しんだ。その頃、好きだったのがブラッサイだった。パリの夜の街の写真たち。黒が濃く、それゆえ白にニュアンスがある気がしていた。あたたかさも感じる。そして、写真集の文章の描写が優しい。「ついて
2020年6月23日 03:57
まだ、外出制限が出るなどとは思わなかった、昨年のクリスマスあたり。玄関に飾るリースを買った帰りに、彫刻家ルイーズ・ブルジョアの生涯を描いた絵本をみつけました。ボローニャ・ラガッツィ賞をとった綺麗な本です。代表作・大きなクモが、なぜ「ママン」というのかがわかります。「巨大クモ・ママン」は、六本木ヒルズにいます。ルイーズ・ブルジョアが、このお話よりずっと厳しい子ども時代を過ごしたことは何
2020年6月21日 00:09
「この本、よかったら・・・。」清楚な雰囲気で、いつもワンピースでいる先輩が、そっと手渡してくれたのは、有元利夫・容子さんという画家のご夫婦が書かれた本だった。「私、この画家がとても好きなの。」油画科の学生であった先輩には、とても可愛がってもらった。将来の夢をきらきらした目で語ってくれた時も、恋の話で泣いてしまった時も、そばにいられるのが嬉しかった。先輩の素直さには、本当にけがれと