LUNA.N.

絵画療法士 美大卒業後、パッケージデザイナーとして企業に勤務。その後は導かれるまま。世…

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絵画療法士 美大卒業後、パッケージデザイナーとして企業に勤務。その後は導かれるまま。世界の美味しい月「月の女神賞」、第2回THE COOL NOTER賞広告部門賞受賞 ほか

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真珠の首飾り A STRING OF PEARLS

母の形見の中に、バロックパールのネックレスがある。 歪な形であるがゆえに暖かみや優しさを持つような気がして、歳を重ねるほどに使用する回数が増えた。 真珠の白い柔らかさで、顔まわりが明るくなるような気がする。 もしくは、グレーのバロックパールを白いシャツの襟を大きめに開けてするのも素敵だ。 そんなお洒落は、若いうちは似合わない。 大人の特権だ。 私は、服も持ち物も、できるだけシンプルなものを選んでしまう性分だが、 「あたたかさ」を手にしたい陶芸品や装飾品は、歪みがあるものが好

    • 『坂の上の雲』の再放送

       坂の上の雲。  見ていたのが15年前だったとは、忘れていた。  とても印象的で、引き込まれるように見ていたことを思い出した。  再放送になると聞いて待っていた。  秋山真之が生まれたところから青春時代までが、以前にも増して眩しかったのは、私があの頃より幾分か歳をとったからかもしれない。  秋山好古・真之兄弟と正岡子規が生きた明治時代。  未来の自分を模索しながら、強く自分を信じて進んでいく少年期から青年期の様が、海の水面に映る太陽の光のように眩しい。  さて、15年前

      • 天使の髪の毛

         さて、出かけない三連休二日目の晩御飯は何にしよう。  毎年、夏の定番で作るのに、今年食べていないものがあった。  魚介とトマトの冷製パスタ。    『天使の髪の毛』と言われるカッペリーニ。  細い細いパスタと、アンチョビベースで魚介類をたくさん入れたトマトソースを冷たくして食べる。  箱に入ったDECECCOのパスタが懐かしいけれど、私が行く店では袋のパッケージだ。  capelli d'angelo Angel hair pasta  呼び名が可愛らしい。  

        • なぜなら・・・

           他界した父も祖父も、新聞記者をしていた。  記事を書いているときや、本を執筆している時には、静かにしているよう画用紙とクレヨンを渡されていた。  お話を作って絵本にして、次の日は、その続きを書いて。  そんな夏休みを過ごしていた。  幼稚園の頃、絵日記を書いてみるように言われて、絵日記帳をもらった。  短い文章なので、父の添削が入った。  「ここは、『なぜなら』という言葉で始める。」 と言われたが、小さい私には「なぜなら」が何なのかがわからなかった。  なぜなら・・・なん

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          猫と暮らすという夢・・・と鳩

           自分の誕生日がまもなく来ることを思っていたら、大事な家族(猫のマロ)に送られてきたバースデーカードを思い出した。  一枚のハガキがこんなに嬉しいなんて!  家族の私が嬉しくなってしまう。  猫保険の会社から届く、バースデーカード。  マロと暮らせる毎日は宝物。  もちろん、本猫もお気に入りのようで、わざわざ飾ってある棚に昇っていた。  「よかったね!お誕生日おめでとう!」と見せたら、ちゃんとわかるのだ。    実の子に「ほんとうの猫っ可愛がりだね。」と言われるほど、溺

          猫と暮らすという夢・・・と鳩

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          誕生日のことばかり考える一日

          誕生日のことばかり考える一日

          珊珊

           台風10号がゆっくりと日本を迷走している。  この台風は、サンサンという名前らしい。  早く通り過ぎてくれないものか。  たくさんの自然災害はもう懲り懲りである。  被害に遭われた地域の方をニュースで見ると心が痛む。  この台風の名前は香港が提案した名称で『珊珊』。  『珊珊』とは、少女の愛称としてポピュラーなのだそうだ。  詠珊や慧珊など、『珊』の字は女性の名前によく使われるそうで、名前の最後の文字を2回繰り返すことで可愛らしさが出るので、家族や親友が親しみを込めた愛

          違うどこかに行きたいと思う心

           今働いている場所は、好きな街。  今住んでいる場所は、私の住まれた場所に近い、大好きなところ。  それなのに、なんでしょう。  暑すぎて、室内にいる。  大雨が降るよ、と言われても用心して建物の中にいる。  二酸化炭素の探知機が緑のランプからオレンジ色のランプに変わり、危険を示すオフィスで、少し窓を開けて空気を入れ替える。  むわっと熱い空気が瞬時に顔に吹き込んだ。  近くに、薄い襞が連なるようなパイのお店もあれば、フルーツがたっぷり載ったケーキのお店もあるのに、心は何

          違うどこかに行きたいと思う心

          待ち合わせ♫

          待ち合わせ♫

          すべてはデッサンからはじまる

           上記の写真は、今年、虎ノ門ヒルズで開催していたティファニーワンダー展に行った時のもの。 「鉛筆なしでは何も生まれません。  すべてはデッサンからはじまるのです。」  この言葉が、頭上に現れては消えていた。  煌びやかな宝石たちも、すべて撮影は自由だった。  多くの女の子が憧れるように、私も「ティファニーで朝食を」を何度も見て過ごしている子どもだった。  私は、どちらかというとローレン・バコールのようなクールな感じの俳優が好きだったけれど、オードリー・ヘプバーンの演じ

          すべてはデッサンからはじまる

          『今のは、大人としてどうなんでしょうか?』という問い

           急に、マスタード・イエローの「何か」がほしいと思った。  今まで一度も、試したことのない色だ。  いつも、白、黒、紺、ダークブラウン、グレーの私の服。  以前も書いたが、ストールやバッグに色を持ってくることで、その日の気分を調整している。  ある日、朝起きたら急に、自分が大人の女だという自覚だけが一人歩きする気分になっていた。  変な話だが、たまにある。  いつも、自分の年齢など気にしないし、気にする状況にも置かれていないのに、突然「待てよ。」と思うのだ。 「今のは、

          『今のは、大人としてどうなんでしょうか?』という問い

          グレー

           今にも雨が降りそうなシルバーグレーの雲が動いていくのを、見ている。  この部屋を選んだのも、窓から大きく空が見えるからだ。  窓から見える景色は最も大切。  緑ももちろんいいけれど、私の場合は何かに遮られることなく、向こうの向こうまで空が見通せることが条件だ。  グレーの雲が流れてくると、そのうちに緑の濃い匂いが立ち上り、アスファルトが濡れる音がしてくる。  晴れた空も好きだけれど、雨の降り始めの方が、心がフラットになる。  一つとして同じものがこの世にないValeri

          涙を拾って繋げる

           女の人の涙を見て、最初は戸惑うことばかりだった。  綺麗な涙にも、後悔の涙にも、何かを怖がっている涙にも戸惑った。  思いがけず、この仕事に導かれた。  すぐに辞めるつもりでいたが、そうはいかない・・・。  そう思うようになったのは、出会う問題が全て小説のように鮮やかであるから。  私に何ができるのか、見えない存在に試されているような気にもなった。  2024年4月1日施行の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」や「DV防止法」をご存知だろうか。  どういうわけ

          涙を拾って繋げる

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          休日のお楽しみ♪

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          おしゃべりな杏

          おしゃべりな杏

          『小さな家』

           ル・コルビュジエの「小さな家」を引っ張り出してきた。  つい先日のこと、CICADAという地中海料理のレストランで、友人5名で夕食を共にしたときのこと。  スパークリングワイン、またはクラフトビールで気軽に乾杯をしてから、巣立った息子たちがどうしているか、という話になった。  名残惜しく追いかけてしまう母と、そういうものだと受け止める母。  それぞれの息子を見る目が、面白かった。  フムスや、スパイスの効いた苦味のあるグリーンのソース。  ふわりとした豆のごとく子を包み

          『小さな家』