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「ほんもの」だけを愛する人

「ほんもの」だけを愛する人

Facebookをスクロールしていたら、1月14日からスパイラルでやっている
向田邦子さんの没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」
についての、婦人画報の紹介記事が出てきた。

もう、亡くなられて40年も経つのか、と思った。
台湾で航空機事故で亡くなられた時、私はいくつだったのだろうと、自分の年齢から40を引いてみた。
電話が鳴って、父が大きな声を出したのを覚えている。
当時、新聞記者だっ

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心配は「揺り木馬」

心配は「揺り木馬」

気がつくと、同じことを繰り返し何度も考えていることがある。
ある本に、こんなことが書いてあった。

心理学者によると、平均的な人間は1日に六万個の思考を頭の中にめぐらせるそうです。残念なことに、この思考の95%はあなたが昨日考えたことの繰り返しなのだそうです。そしてそれは、そのまた前日に考えたことと同じです。要するに、あなたの頭の中にめぐっている思考のほとんどは、生産性がないおしゃべりで、なんの役

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『豊かに生きる』という本

『豊かに生きる』という本

お正月の記事が、#絵でお知らせをいただきました。
読んでくださったみなさま、ありがとうございます。

お正月からのnoteを読んでいると、「生きる」というワードをよく見かけるような気がします。
コロナ感染が拡大する中で、生死について、否応なく考えるようになったのかも知れません。

お知らせをいただいた記事には、40代で他界した父について書きました。
やりたいことは、できたのだろうか・・・。
まだ、

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ルイーズ・ブルジョア 糸とクモの彫刻家(子供と絵本について)

ルイーズ・ブルジョア 糸とクモの彫刻家(子供と絵本について)

まだ、外出制限が出るなどとは思わなかった、昨年のクリスマスあたり。
玄関に飾るリースを買った帰りに、彫刻家ルイーズ・ブルジョアの生涯を描いた絵本をみつけました。
ボローニャ・ラガッツィ賞をとった綺麗な本です。

代表作・大きなクモが、なぜ「ママン」というのかがわかります。
「巨大クモ・ママン」は、六本木ヒルズにいます。

ルイーズ・ブルジョアが、このお話よりずっと厳しい子ども時代を過ごしたことは何

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クレーの残した料理レシピ

クレーの残した料理レシピ

画家パウル・クレーが残したメモには、ときおり料理のレシピや調理の注意事項まで書かれていたという。

『描くこと、食べること
生活人クレーの想像力の源泉を食卓に探る』
と帯にある。

食べることにこだわり続けた画家クレーの食卓。
興味津々で頁をめくる。

元々、日記や手紙、美術学校で教えていたときの講義メモ、講演原稿、造形理論の論文など多くの著述がある中に、
その日、誰に会い、何を食べ、またヴァイオ

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『ティファニーで朝食を』の猫「cat」

『ティファニーで朝食を』の猫「cat」

この映画を何度も見てしまう。
そして、猫は、「cat」という名前なのだった、とその度に思う。 

名無しのねこちゃん「cat」。

「cat」が棚の上にいるシーンが好きで、引越し先を探している時に冗談で、
「ホリー・ゴライトリーの部屋のように、猫が歩く棚がある部屋がいいわ。」
と友人に言っていた。
ホリーの家のパーティーの時には確か、棚からポールの頭に降りてくる、
名無しのねこちゃん「cat」。

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