「出会いは偶然」ー詩ー

走る　バスの窓から
あなたの姿を　みつけた
私が　プレゼントした
ベージュのコートの
襟を立て　速足で　歩いてる

気が付くと
次のバス停で　降りて
息をつめて　バス停に　佇んでた

女学生の　ように
少し　おどおどして
偶然を　よそおい
あなたを　待つ

あなたに　固い笑顔を
投げかける

目を大きく見開いて
驚くあなた

気の抜けきった　ソーダー水のような
挨拶言葉を　何度か　交わす
すぐに　言葉のキャッチボールは
玉切れ

あなたは　目線を合わすのを　避ける
雑踏のなかに　ここだけに
音のない　空間が横たわる

「お仕事　忙しいの？」
世間話口調で　聞いてみる
あなたは　冷たいガラス窓のような声で
「うん　かなりね」

そして　お気に入りの腕時計に
目を　走らし
「また　電話するよ
会えて　うれしかった」

その電話は　決して　かかって
来ないことを　その瞬間　悟らされた

さびしく　冬空のような笑顔で
別れ言葉を　言った
あなたは　後ろを振り返ることなく
遠ざかっていく

私の　恋の花は　一年前に
枯れてしまった　はずなのに
何故　バスを　降りたの・・・

冷え切った　灰からは　もう
愛のかけらも　見つけられない
胸に　痛い苦さが　溢れるだけ

渋谷の　雑踏のバス停で
バスを　待つふりをして
過ぎ去った　時の流れのバスに
また　乗ろうとしている

最後まで　読んでいただきありがとうございます。
これからも　お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ　子犬のようになつきます🐱🐱🐱🐱

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