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「秋の香り」ー詩ー


金木犀(キンモクセイ)の 香りは
秋の寂しさを やわらげ
甘く やわらかく 全身を 
包みこんでくれる
どこか 懐かしく
君との 青春時代の 匂いだ

田んぼでは
刈られた稲の ちょっと甘い
ひなたの 匂いが漂う
おじいちゃんと一緒に
稲刈りした後
食べた おにぎり 
おいしかったなぁ

表通りを通る
「いしや~きいも~」の声
母さんに お小遣いをもらって
走って 買いに行く
新聞紙に つつまれた
焼き芋の 熱い湯気と
密の焦げた 甘い匂い
母さんが お芋を切ると
立ちのぼる 甘い匂いの中で
白く細い指が 光る

森は 赤く燃えている
かすかな 土のにおいと
ほんのり 甘い落ち葉の匂いが
香水のように 木々を
飾りたてる
赤や黄色の 木の葉は
風と一緒に 舞踊る

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