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短編小説

35
5000文字前後で完結する短編小説
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記事一覧

好きになってはいけない彼女

好きになってはいけない彼女

著者 星野彩美

まえがき
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わたし…出ました。

わたし…出ました。

著者 星野彩美

※この物語は、「サイコパス」につながります
ご了承ください。

白か黒か…灰色か
「わたし…出ました。」
まだ寒の戻りで寒いニ月の末日。こんな投稿が、SNSに投稿された。
 何の変哲もないひとことだったが、このひとことが、このあと、再び世間を恐怖におとしめることになるとは、このとき誰も予想もしなかった。
『決してひとりにしてはいけない。わたしの育て方がいけなかった…。申し訳ありま

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奇特なゲーム

奇特なゲーム
著者 星野彩美

彼らは夜な夜な集まりだした。
昼間のうちに打ち合わせをしていたからだ。
今からここで繰り広げる残虐で悍ましいゲーム。
その世界へ興味本位で足を踏み入れてしまった。
奇特な者たち。ようこそ…奇特なゲームの世界へ。

遥香、道也、真璃子、修の4人に加えて新たに急きょ加わったのが春生だ。
春生は、先日彼らの話しを立ち聞きして、そのゲームに興味をそそられていた。昨晩は眠れな

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もうひとりのわたし

もうひとりのわたし

世界のどこかに存在するわたしの分身。人間には必ず自分以外に二人の自分自身が存在する。
それは良い自分と悪い自分。とりわけ、天使と悪魔と言ったところか。
良い自分は良い行ないをする。悪い自分は悪い行ないをする。
わたしは自分探しの旅に出る。自分を見失ってしまったときに、取り戻すためにいくのだ。
散らばってしまった自分を取り返しにいく。それは時として荒波を越えて別世界の場合もあり、意外と近くに存在する

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liar and doubt

liar and doubt

梨沙は部屋でsnsをチェックしていた。先ほどまで駅からの長くもない帰り道を足早に帰宅したばかりだった。
なんだか、最近つけられているような気配がしたからである。
…うん。そうなの、何だか最近人に見られているような気がしてさぁ。アンタもそんなことない?
ああ、あるある。確かにわたしって美人じゃない?だから男からの視線が痛いくらいなのよね。スタイルもいーしね。
…バカ。いっぺん鏡を見直したほうがいいわ

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輝かしい世界

輝かしい世界

【輝かしい世界】
う…うう…まさか。まさかでしょ。
あああ!わたしは今、夢を見ているのか?
わたしの目の前に立っていたのは、先日亡くなったはずの彼氏だった。
あのときは、つまらないことでケンカした。
言い合いになり、言ってはいけない言葉を無意識のうちに発していた。
今ではとても自分自身のなかでは後悔していた。
ごめんなさい…と謝ろうにも謝れない状況下になっていた。
やり直せるものならやり直したい。

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えせ勇者の「戯言」と「秘事」

えせ勇者の「戯言」と「秘事」

街の外れにある古びた教会の裏手に、それはある。
夜な夜な酒盛りをしている10人ほどの初老たちは話し合いのために会合を開いていた。
初老と言えども、まだ歳のころ40過ぎじゃろうか。
暇な初老たちのいつもの憩いのひととき。
枝にかけた松明を頼りに大きな切り株をテーブル代わりにしてそれぞれが自宅から持ち寄ってきた食べ物やら飲み物を並べている。
切り株の直径は人1人ほどの身の丈ほどもある巨きさであり、長き

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江戸無法者記帳処 潜入編

江戸無法者記帳処 潜入編

江戸語 / 星野彩美
官能文体/ Lime

官能ミステリー小説

【江戸無法者記帳処】18歳未満禁止のガイドライン

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逝く…

逝く…

逝く、逝きからず、逝かねば、逝きけり…
ネットの言葉図鑑に目を通す慎介
気になる言葉を調べていたのはまだ30代半ばくらいの
青年。青年というには歳はいってるが。
死に場所…死に方…いけない。
俺は何を検索してるんだろうか。
こんなことをして半年になるだろうか。
眠ろうにも寝れず、寝付けずにいた。
こんなことなど今まで考えたことすらない。
俺はいったい何のために生きているのだろうか。
人がこの世に生

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矛盾がなす双璧〜書き下ろし作品

矛盾がなす双璧〜書き下ろし作品

⚪️矛盾がなす双璧⚪️

おまえはなぜ獄門に立っている?
そこで何をしてるのか?と男は尋ねた。
おまえこそ、ここに何しにきた?
図体のデカい大柄な男は尋ね返した。
男は答えた
俺は来たのではない。いつのまにかいたのだ。
それなら俺はおまえをそこへ行かさないために
ここに立ってると言った。
男は再び尋ねた。
それは答えになってないぞ。
俺がここを通ることをなぜ予想できた?
おまえが悪人だからだ。

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最後の手紙

最後の手紙

最後の手紙

 わたしには祖母がいた。
 祖母はわたしには厳しかった。
 何でわたしだけ……と思ったこともあった。祖母には子供が5人以上いた大家族であった。
 つまりわたしには親戚が大勢いる。
 わたしの父は地元から出稼ぎで都内で働いていた時期に母と知り合った。
 つまり父だけは他所者から嫁をもらったことになる。
 ああ、そうか。だから祖母はわたしにも辛く当たるのか。そうずっと思っていた。
 そん

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"Weird AI"

"Weird AI"

"Weird AI"

 ある晩、友人たちと集まって怪談を語り合っていたとき、ひとりの友人が「"Weird AI"」という怖い画像検索のストーリーを話し始めました。
 その話しに登場するサイトは、すべてが英語の海外のマイナーなサイトらしくあまり知られていないようでした。
 最近はこう言った、個人が作ったようなマイナーな生成AIのサイトが増えているようです。

それは、インターネット上で怪しい噂が広

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永遠の幻影

永遠の幻影

「永遠の幻影」

AIによる画像生成が実現した世界で、天才的ながらも引っ込み思案なプログラマーの彰{アキラ}は、画期的な発見をする。彼は、想像の深部からリアルなキャラクターを作り出すことができる画像生成AIを開発しました。彼はかつて深い愛を注いだ笑顔の若い女性、江梨子の写真を使ってAIをテストしていた。
 彰の彼女は突然の不幸が襲い、悲劇的な事故で亡くしていた。

各生成の過程で、AIは江梨子の姿

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運命の響き

運命の響き

運命の響き

彼女の名は麻里。配偶者を亡くし、心の中で嵐のような感情が渦巻いていた。 
 それは想像も出来ないくらいの苦しみだった。
 彼女は彼との思い出を振り返るたびに、深い悲しみに包まれた。何日も何日も続いていた。
 その場にいてもたっても居られないほどに。
 思わず家を飛び出していた。
 行く宛などない。ただ家には居たくなかった。
 彼女は、彼の遺した言葉が常に彼女の心に響いていた。「わたし

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