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この物語は、実話を基に、一部改変したフィクションとして描かれています。
なお、登場する地名、団体名、個人名などは架空のものであり事実とは一切関係ありません。
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まえがき
みなさんいつもご愛読ありがとうございます♪著者の星野彩美です。今回は、本格ミステリー小説を執筆することにいたしました。ミステリー小説の執筆は4冊目になります。
以前に、「アウスペック図書館の奇妙な住人season1」「キラーアイドル」「背徳の障壁とその先にある翡翠」を出版ならびに進行形で連載中の作品を執筆してまいりました。
今回は、本格的ミステリー小説のアイデアが浮かびまして、プロットを考えておりまして、大凡は完成しましたので連載することにしました。最後まで書けるようにがんばりますので、よろしくお願いします。
なお、この作品は有料で連載を考えておりますので、よろしければお買い求めいただけると嬉しく思います。
それでは、作品をお楽しみくださいませ。
著者 星野彩美
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第1章 起きる
「ああ…あんッ、剛志…いいよ、いいよ。一緒にイコ?」
「ふう…良かったか?奈緒美」
「うん…」
剛志は、終えるとタバコに火をつけて奈緒美に渡した。
「ちょっと、わたしタバコは辞めたんだからね」
「あれ、そうだったっけ?すまん、すまん」
奈緒美は、布団から抜け出すと剛志の背中を軽く否してキッチンに向かった。ワンルームにしては少し大きめの部屋だった。
薄明かりの洒落たライトが乏しく光りを灯して、部屋内を良い雰囲気で優しく照らしている。
冷蔵庫を開けた奈緒美は、缶ビールとハイボールを取ると一緒に入っていた冷えたグラスを持ちセミダブルのベッド脇にある小さなサイドテーブルに置き、チーズやら乾き物を並べた。
「はい、どうぞ」「おッ!気がきくね」と奈緒美の尻を撫でる。「やめて…またしたくなっちゃうでしょう?」
「明日も早いんだから、これくらいにして私飲んだら帰るね」
「ちぇッ…ま、しかたないか」
「あとさ、次からきちんとつけてくれる?妊娠したらどうすんのよ?責任とってくれるわけ?」
「はい、はい分かりましたよ」
しょぼくれた顔をして、剛志は消したばかりのタバコに再び火をつけた。「じゅぽ…」
先日、奈緒美からプレゼントされたばかりの真新しいジッポーのオイルの匂いが剛志は好きだ。彼はコレクターでいくつかのジッポーを持っており、ケースに入れて並べてある。
すべて奈緒美から誕生日のたびにもらっていたもので、中にはシリアルナンバー入りのものまであり、木のケースに入っているものまである。ナンバーは若いほど価値があるらしい。また、ゾロ目のナンバーも価値が高くなるらしいが、奈緒美にとってはどうでもいいとしか思ってないが、剛志にしてみたら、この上なく嬉しい品ばかりだ。
今回は珍しくケースに収納せずに愛用していた。
「使ってくれてんだ。そのジッポー…」
「まあな、お前からもらったものだからな。いつも使っていたいんだよ。それにジッポーは使えば使うほど良い味が出るってもんだ。このオイルの匂いもたまらなく良いッ!」
「ふ〜ん、わたしはモノの価値とか分からないし、興味ないけどね」半分くらいまで飲んだハイボールでチーズを流し込みながら、剛志のウンチクを聞いていた。
剛志の部屋はモノはあまり置かないミニマリストであるが、趣味のものはショーケースに飾ってある几帳面なところもあった。腕時計やジッポーなどは飾られていて、見栄えが良い。
室内は良いムードを醸し出すBGMが心地よく流れていて、女性受けする良い部屋で、センスがある。
それに比べて奈緒美の昔の彼氏の部屋ときたら、部屋は乱雑で履いたもの着たものは、その辺に放り投げてあり性格を表していた。その彼が言うには、散らかってなくても場所は把握していて分かるんだとか。その人にはその人なりの物の置き方があるとは言うが、あれは酷いと前々から奈緒美は思っていて、一度片付けてあげたことがあったが、ひどく怒られたものだ。
触るな、整頓するなの一点張りでそれがもとで別れたようなものだ。極め付けはこうだった。
「彼女ヅラしたり、奥さんヅラするな。母親みたいだ」
そのひとことで終わった。
彼女にしてみれば、彼のためにと思ってやってあげたことが返って彼の神経を逆撫でしてしまったようだ。
そんな奈緒美の昔の彼氏の話しをたまに聞かされる剛志にとっては、どうでもいい話しではあったが、剛志は聞き上手で女性の扱いも上手い。
奈緒美の話しを永遠に聞かされていたものの、聞き上手で女性の扱いの上手い剛志にとって、ここは反論せずに聞き役に回っていた。その徹底ぶりは並外れたものではない。
ただ、「うん、うん」と聞いているわけでもなくたまに返答しては彼女の話しに対して導き出してあげて、話しを広げてあげて、女性の中にある鬱憤とストレスを解放してあげるという秘訣を心得ていた。若いときはさぞモテたことであろう。
こういった話しを聞いたことがある。
勘違いする男は、女性の言葉に反論したり意見したりする。それで優越感に浸りたいのか男らしさを見せつけたいのか、といった人である。女性からしてみれば、ただ話しを聞いてほしいだけなのだから。
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