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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#介護職

重度認知症の方への対応

重度認知症の方への対応

「だれかー!だれかー!」

「たすけてください、たすけてください。」

とお話されるご利用者さん。

思い出(長期記憶)も断片的。かすかに覚えていることは、故郷の町の名前。むすこや、むすめの名前も思い出せない。

さっき行ったことも聞いたこともわからないし、おぼえていることができない(即時・短期記憶障害)

ここがどこかもわからない、見知った人もおらず、なぜそこにいるのかもわからない。

恐怖だと

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自己出版の著書 販売数はな、なんと!

自己出版の著書 販売数はな、なんと!

あれは2022年2月4日。

わたしは一冊の本を自己出版しました。

こちらです。

さて、問題です。

こちらの自己出版の本はこの1ヶ月で何冊売れたでしょうか?

A.7冊

B.27冊

C.47冊

今の若い方は電子書籍が当たり前に

なってるとか、なってないとか。

わたしは電子書籍は目がチカチカして読めない派です。

ちなみに本の宣伝は

わたしのTwitterとnote

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【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

「なんか調子が悪いな。」
「〇〇が痛いな。」



「今日は動くのやめとこ。」



生活縮小が積み重なる



身体機能低下



生活縮小

はたまた

「おい、これやってくれ。」と妻に頼む夫

「わたしがしますから、おばあちゃんはゆっくりしてね。」と
嫁、娘が率先して家事などを行い、家での役割がなくなる祖母



生活縮小



身体機能低下

いずれも生活不活発病の

典型的な

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【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

老衰「亡くなる準備をされているのかな。」

訪問リハビリをしていますと

感じることです。

どちらかの医師がテレビで仰ってましたが

亡くなる前は自ら

食べない、飲まないを

自然に行うようですね。

わたしも自分の祖母も含めて

老衰の方をみてきました。

わたしの祖母は93で亡くなりましたが

最期の一週間前くらいから

自らの意思で食べない、飲まないように

みえました。

食べない・飲

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【高齢期リハビリ】速い老化・遅い老化

【高齢期リハビリ】速い老化・遅い老化

訪問リハビリを長年していますと

老化の速い方、遅い方がいらっしゃる

と感じます。

老化4原則(ストレーラー)そもそも老化とは

誰にでも起こり(普遍性)

少しずつ進み(進行性)

生物には元々プログラムされており(内在性)

機能低下を起こす(有害性)

の4つの原則が提唱されてます。

※wikipedia「老化」より引用

そして

老化はなぜ起こるのか、は

色々な説がありますが

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【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

介護老人保健施設(以下、老健)は

いわゆる介護保険サービスの

リハビリ施設です。

ある老健の生活
ある老健入所ご利用者の生活はこんな感じです。

※起きている間の生活パターンです

起きている時間を7:00〜20:00の13時間として計算しました。あくまで概ねです。

内訳は

セルフケア

食事30分×3回

排泄5分×5回

更衣5分×2回

入浴30分(週2-3回)

整容5分

余暇

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

自宅では伝い歩きで洗濯、料理ができる方



ショートステイ(特養への短期入所)では

車椅子移動に加え

なんと排泄介助までされてたそうです。

※家での生活や能力は在宅チームから

特養に申し送りしてたそうです。

完全な生活不活発病施設生活数日後、自宅に帰ってきた際

なんとかかんとか歩ける程度で

一時的に家事ができなくなりました。

ショートステイは家に帰ることが前提なので

少なくと

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【高齢期ケア】「いつお迎えがきてもいいんよ。」の心理

【高齢期ケア】「いつお迎えがきてもいいんよ。」の心理

「もう、いつお迎えが来てもいいよ。」

という言葉、

介護保険サービスに就かれている方なら

一度は聞いたことがあると思います。

みなさんならどう答えますか?

A「そうですね、もうすぐ来ると思いますよ」

B「何言ってるんですか、長生きしてください」

Bが圧倒的に多いのではないかと思います。

Aはそもそも思わない。

その時の状況やご利用者の精神状態、

または個々の性格や生き様によって

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【高齢期リハビリ】毎日の姿勢が決め手

【高齢期リハビリ】毎日の姿勢が決め手

【はじめに】こちらの情報は筆者の十数年、作業療法士として働いてきた知識と経験を元に作成しております。よろしければご覧くださいませ。

今回は要介護、要支援の方の姿勢についてお話いたしますね。

【崩れやすい姿勢】高齢になると自然に姿勢が崩れてきます。訪問リハビリでお出会いするご利用者も6-7割の方が何らかの姿勢障害がみられるわけなんですが…。

単純にいいますと、老化により姿勢は自然に崩れます。ま

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【認知症】計算・音読よりも大事なこと

【認知症】計算・音読よりも大事なこと

今回のお話は認知症になったは優先すべきことは?

その時、周囲のフォローはどうすべきか?👈

【認知症は生活障害】
認知症になるとどうなるか…、大まかには「生活のつまずき」が多くなります。

ここでいう「つまずき」は

「家事がうまくできなくなる」

「新しいことが習得できなくなる」

「電化製品がうまく使えなくなる」

「感情的になり家族とうまくコミュニケーションがとれなくなる」

などを指し

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【高齢期ケア】介助を待つ高齢者

【高齢期ケア】介助を待つ高齢者

【受け身の高齢者】過度な介助が高齢者の自ら動く気持ちを低下させるかも、というお話です。

「トイレの際ズボン、パンツの上げ下ろし」

「上着を着る」

「物干し」

「髪を洗う、身体を洗う」

「車椅子で移動する」

「シートベルトをしめる」

「車のドアの開け閉め」

など、本来少し見守ればできるかもしれないことを周囲の人が待ちきれずに手を貸してしまうこと、よくあると思います。

そんな過度のお

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【高齢期ケア】生活は最強のリハビリ

【高齢期ケア】生活は最強のリハビリ

生活は老化に対しての最強のリハビリだと考えます。

生活習慣とは毎日行う何かしらの活動を指します。いわば生活習慣=繰り返しの作業、活動や動作により心身の在り方が決定するといえます。

例えば、毎朝ジョギングしてる方は身体機能が向上するでしょう。

毎週カラオケサークルに参加される方も歌が上手くなったり社会性や身体の機能が保たれるでしょう。

生活習慣で身体と気持ちが変わる、これは何歳であれ、どんな

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【高齢期リハビリ・ケア】高齢者の退院直後、周囲の対応が将来を決める

【高齢期リハビリ・ケア】高齢者の退院直後、周囲の対応が将来を決める

【高齢者の入院】入院生活〜退院
脳卒中や骨折などで入院すると高齢者は様々な専門職と関わりをもちます。

看護師、リハ職(作業療法士、理学療法士、言語聴覚士)介護職、社会福祉士、医師などがそうです。

そして、患者さんはまたもとの生活へという希望を持ちながら専門職の導く方向へ進んでいきます。

「このお薬を飲んでくださいね。」

「歩行練習をしましょう、今日は平行棒で○○往復しましょうか。」

「手

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