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2019年4月の記事一覧
『生きるとか死ぬとか父親とか』ジェーン・スー
「愛しい男」なんだろうな、ジェーン・スーさんにとってお父さんは。ラジオやエッセイで活躍しているジェーン・スーさん(日本人)の父との愛憎話。空襲を生き延び、会社を経営し、銀座の素敵なお店で買い物をしたり、おいしいご飯を食べたりしていたかと思えば、4億の借金を抱えたり、ユニークなキャラクターで女性を虜にしたり、娘にお金をかわいく?せびったり。父と娘の潤滑油だった母が早くに亡くなり母のように話が聞けなく
もっとみる『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹
村上春樹について書くなんて気がひける。だけどまぁ、がんばってみましょう。先日読んだ『注文の多い注文書(本99)』に村上春樹の短編『貧乏な叔母さんの話』が取り上げられているので、収録されているこの本を読んだ。
『1Q84』『騎士団長殺し(本20)』と新作が出て話題になるたびに「私はかつて村上春樹が読めなかった」と恐る恐る告白すると、「それわかる」「自分もそうだった」と返してくれる人がいてホッとする
『うたかたの日々』岡崎京子/ボリス・ヴィアン/ミシェル・ゴンドリー
働かないでも生きていけるちょっとした財産持ちのコラン。ある日美しいクロエという娘と恋に落ちて、幸せに結婚するが、彼女は胸に睡蓮が寄生する病気にかかり、どんどん没落していって…というのがあらすじ。鰻が水道管に住んでいたり、音楽に合わせたカクテルができるマシンが出てきたり、体温で武器を育てたり、心臓抜きが出てきたり、話に不思議なことが混じっている。1947年にフランスの作家によって書かれた小説で、最
もっとみる『きみの隣りで』 益田ミリ
益田ミリさんはどれを読んでも「あたり」だよなあ。なんでこんなに言葉にしにくいような気持ちを、登場人物とシチュエーションで表すことができるんだろう。(ちなみに私は『僕の姉ちゃん』が好き。)
主人公は翻訳家の早川さん。森の近くに住んでいて、旦那さんと小学生の子供と住んでいる。子供と森でおやつを食べたり、時々独身時代の女友達が美味しい手土産を手に東京からやってきて話をしたり、大きな「優しい木」に思いを
『そうだ 魔法使いになろう!』 吉本ばなな・大野百合子
『そうだ 京都、行こう。』みたいなノリで魔法使いになれるのか、人は。意外になれるかもしれない。 『そうだ ファイナンシャルプランナーになろう!』とか『そうだ 弁護士になろう!』より、難しいようで簡単で、簡単なようで難しくて、何かのコツさえ掴めばスルっとなれるような気がする。メラとかヒャダインというような何かを出せなくても、ホイミ、ケアルといった回復魔法や料理をおいしくするくらいの魔法は人に備わって
もっとみる『岸辺露伴は動かない』荒木飛呂彦
『岸辺露伴は動かない』…もうタイトルから、そこにシビれる あこがれるゥ!かっこいい…!カフェにあったので速攻読む。
岸辺露伴は『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物で、職業は漫画家。スタンド(特殊能力)は「ヘブンズドアー」で、人を本にして、その人物の人生の記録や想いを文字で読み、また書き込んでその人を操ることができる。そんな岸辺露伴(27歳だったのか…)が取材の傍ら巻き込まれた事件たちの短編。いやー
『注文の多い注文書』小川洋子 クラフト・エヴィング商會
ええ、この本には見たことのない異国のチケットが挟まっていたのですよ。英語ではないようなのですが、$700と書いてあって。米ドルだとしたら日本円でおよそ7万円でしょう?7万円も出して一体どこに入るのかしら?・・・と書き出したくなるようなあるチケットが挟まっていたのだけど、それはまた後で。
『クラフト・エヴィング商會』は不思議なお店。なんでもあって、ないものだってあるらしい。そこには本にまつわる、普
『ヲタクに恋は難しい 7巻』ふじた
この漫画は「胸キュン」が約束されている。腐女子の成海と重度のゲームヲタク宏嵩(メガネ男子、はい好きー!)カップル、コスプレをたしなむ小柳(女)とアニヲタ樺倉(男)カップルなどのラブコメ。見た目はかわいい成海ちゃんはコミケの前になると人には見せられない姿で男×男の漫画を描いたりする。自分がヲタク気質というかマイノリティというか、光属性ではないというか、なので、彼らに感情移入してしまう。
6巻の感想