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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co… もっと読む
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2019年4月の記事一覧

『生きるとか死ぬとか父親とか』ジェーン・スー

『生きるとか死ぬとか父親とか』ジェーン・スー

「愛しい男」なんだろうな、ジェーン・スーさんにとってお父さんは。ラジオやエッセイで活躍しているジェーン・スーさん(日本人)の父との愛憎話。空襲を生き延び、会社を経営し、銀座の素敵なお店で買い物をしたり、おいしいご飯を食べたりしていたかと思えば、4億の借金を抱えたり、ユニークなキャラクターで女性を虜にしたり、娘にお金をかわいく?せびったり。父と娘の潤滑油だった母が早くに亡くなり母のように話が聞けなく

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『東京タラレバ娘 リターンズ』東村アキコ

『東京タラレバ娘 リターンズ』東村アキコ

はい、あのタラレバ娘から結婚する人が出ますよ~!さて誰でしょう?彼女は東京オリンピックまでに結婚できたんだな!

結婚式と、そこに集う元カレたちと、結婚式場で出会う担当者がやたらハンサムで恋の予感・・・、といった話でとても「マンガ的」。でもところどころに挟まれるエピソードがやたらリアル。(同窓会あるあるとか)そうか、漫画って現実離れしすぎても感情移入できないし、現実すぎてもつまらないのかも。

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『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹

『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹

村上春樹について書くなんて気がひける。だけどまぁ、がんばってみましょう。先日読んだ『注文の多い注文書(本99)』に村上春樹の短編『貧乏な叔母さんの話』が取り上げられているので、収録されているこの本を読んだ。

『1Q84』『騎士団長殺し(本20)』と新作が出て話題になるたびに「私はかつて村上春樹が読めなかった」と恐る恐る告白すると、「それわかる」「自分もそうだった」と返してくれる人がいてホッとする

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『週末、森で』 益田ミリ

『週末、森で』 益田ミリ

早川さん、なんて素敵な女性(と書いて「ひと」と読みたい、ここは)なんでしょう。『きみの隣で(漫画253)』で知った早川さん。今や既婚者の早川さんが独身だった頃、森に住み始めた頃の話が先にあったと知り、読んだ。うん、こっちを先に読みたかったーーー!小川軒のレイズン・ウイッチとか、デメルのチョコとか色々なお土産を持ってよく遊びに来るせっちゃんやマユミちゃんたちとの話なんだもの。早川さんの口癖や、おいし

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『うたかたの日々』岡崎京子/ボリス・ヴィアン/ミシェル・ゴンドリー

『うたかたの日々』岡崎京子/ボリス・ヴィアン/ミシェル・ゴンドリー

働かないでも生きていけるちょっとした財産持ちのコラン。ある日美しいクロエという娘と恋に落ちて、幸せに結婚するが、彼女は胸に睡蓮が寄生する病気にかかり、どんどん没落していって…というのがあらすじ。鰻が水道管に住んでいたり、音楽に合わせたカクテルができるマシンが出てきたり、体温で武器を育てたり、心臓抜きが出てきたり、話に不思議なことが混じっている。1947年にフランスの作家によって書かれた小説で、最

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『きみの隣りで』 益田ミリ

『きみの隣りで』 益田ミリ

益田ミリさんはどれを読んでも「あたり」だよなあ。なんでこんなに言葉にしにくいような気持ちを、登場人物とシチュエーションで表すことができるんだろう。(ちなみに私は『僕の姉ちゃん』が好き。)

主人公は翻訳家の早川さん。森の近くに住んでいて、旦那さんと小学生の子供と住んでいる。子供と森でおやつを食べたり、時々独身時代の女友達が美味しい手土産を手に東京からやってきて話をしたり、大きな「優しい木」に思いを

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『そうだ 魔法使いになろう!』 吉本ばなな・大野百合子

『そうだ 魔法使いになろう!』 吉本ばなな・大野百合子

『そうだ 京都、行こう。』みたいなノリで魔法使いになれるのか、人は。意外になれるかもしれない。 『そうだ ファイナンシャルプランナーになろう!』とか『そうだ 弁護士になろう!』より、難しいようで簡単で、簡単なようで難しくて、何かのコツさえ掴めばスルっとなれるような気がする。メラとかヒャダインというような何かを出せなくても、ホイミ、ケアルといった回復魔法や料理をおいしくするくらいの魔法は人に備わって

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『岸辺露伴は動かない』荒木飛呂彦

『岸辺露伴は動かない』荒木飛呂彦

『岸辺露伴は動かない』…もうタイトルから、そこにシビれる あこがれるゥ!かっこいい…!カフェにあったので速攻読む。

岸辺露伴は『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物で、職業は漫画家。スタンド(特殊能力)は「ヘブンズドアー」で、人を本にして、その人物の人生の記録や想いを文字で読み、また書き込んでその人を操ることができる。そんな岸辺露伴(27歳だったのか…)が取材の傍ら巻き込まれた事件たちの短編。いやー

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『恋する二日酔い』コナリミサト

『恋する二日酔い』コナリミサト

私にとって漫画は「酒」なのだな。多分人は思考を停止させるためにお酒を飲むんじゃないか。私はこの間15年ぶりのバスケの後で2杯飲んだら、夜中吐き、1週間1日1.2食で暮らした。胃も弱い。会社帰り、電車のなかでトリップしてそれで気づいたら最寄駅っていう風にしたい。素面じゃ耐えられない。そんな気分の時に選んだのがこの漫画。帯に「女子のリアルな心理描写に定評あるコナリミサトの傑作短編集」とある。ああ今エモ

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『短歌ください 双子でも片方は泣く夜もある篇』 穂村弘

『短歌ください 双子でも片方は泣く夜もある篇』 穂村弘

そうか、短歌は読んでいる人の状況にこんなにも影響されるんだ。この本を読んでいる途中で、まだ始まってもいないけれど、終わったことがあって、わたしは関係者に報告し、そして慰めてもらって日曜の朝を泣きながら布団にくるまって過ごした。午後になって本の続きを読んだら、金曜まで通勤電車でくすくす読んでいた短歌たちが全く頭に入ってこなかった。小説だったら多少頭がぼんやりしていてもあらすじを拾えるかもしれないけれ

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『偽装不倫 2巻』東村アキコ

『偽装不倫 2巻』東村アキコ

わー傷口をグリグリされてるような気分です٩(ˊᗜˋ*)و東村せんせい!

不毛な婚活に疲れ、韓国に一人旅に行く鐘子。そこで年下の韓国人イケメンと出会い、とっさに人妻と嘘をつくが…という2巻目。好きになればなるだけ、うまくいけば行くほど、嘘が重くなる。そして好きになったらいけないのに、そういう時に限ってロマンチックな出来事が起きてしまう。そんな共通点が見つかったら完全にどっぷり好きになっちゃうでしょ

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『注文の多い注文書』小川洋子 クラフト・エヴィング商會

『注文の多い注文書』小川洋子 クラフト・エヴィング商會

ええ、この本には見たことのない異国のチケットが挟まっていたのですよ。英語ではないようなのですが、$700と書いてあって。米ドルだとしたら日本円でおよそ7万円でしょう?7万円も出して一体どこに入るのかしら?・・・と書き出したくなるようなあるチケットが挟まっていたのだけど、それはまた後で。

『クラフト・エヴィング商會』は不思議なお店。なんでもあって、ないものだってあるらしい。そこには本にまつわる、普

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『ヲタクに恋は難しい 7巻』ふじた

『ヲタクに恋は難しい 7巻』ふじた

この漫画は「胸キュン」が約束されている。腐女子の成海と重度のゲームヲタク宏嵩(メガネ男子、はい好きー!)カップル、コスプレをたしなむ小柳(女)とアニヲタ樺倉(男)カップルなどのラブコメ。見た目はかわいい成海ちゃんはコミケの前になると人には見せられない姿で男×男の漫画を描いたりする。自分がヲタク気質というかマイノリティというか、光属性ではないというか、なので、彼らに感情移入してしまう。

6巻の感想

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