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春の落語三昧-不二庵落語会「弁財亭和泉独演会」・白鳥の巣・三遊亭白鳥一門会~天神亭日乗15
四月二日(日)
阿佐ヶ谷不二庵 弁財亭和泉独演会
不二庵は阿佐ヶ谷にある個人宅のお茶室。お席亭ご夫妻がこちらを開放し、定期的に落語会を開催してくださっている。このご夫妻は寄席通いを始めた頃から私にとって、いわゆる「憧れのカップル」的な存在だった。ひょんなことから面識を得て(またこれも一つのドラマがあるのであるが)お二人は今、私の「落語ファン道」の師匠である。どの噺家を聞くべきか、どの会を見るべ
花や今宵の―地謡とグレゴリアン〜天神亭日乗9
三月十三日(日)
観世九皐会 三月定例会「忠度」矢来能楽堂。
毎月の観世九皐会の定例会、三月は春にふさわしく「忠度」がかかると知り、楽しみに待っていた。
この平忠度という名前は平家物語の「忠度の都落ち」の箇所が高校の古典の教科書に採られているので覚えている人も多いだろう。私もこの忠度の名を聞くたびに、女子高の午後の国語の時間を思い出す。
「昔から、キセルのことを『薩摩守』って言い
寄席のお席はどこが好き?〜落語のはなし
寄席は基本、自由席。ふらりと入って、好きな席に座る。
まだ寄席初心者の頃は、そうっと後ろのほうに座っていた。ただ、慣れてくると仕草や表情もより近くで見たくなる。だんだん前に進出するようになり、一番前に座ってしまうこともある。
しかし一番前は同好の士の皆さんも狙っているので、仕事を終えてから行くと既に座られていることも多い。だが、前でも端のほうは空いてたりするのだ。何度か端の前のほうに座ってい