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叱らないで育てる~うまい先生のしている7つのこと~

叱らないで育てる~うまい先生のしている7つのこと~

先週、修学旅行に行ってきました。
その道中、みんなの前である子に注意をする場面がありました。
いま振り返っても、同じ場面になったらまた叱ってしまうだろうなと思います。
時間が無い中で改善を求める声かけは、どうしても注意という形になってしまいます。
でも、叱る側も、叱られる側も、見ている側も、気分はよくないですよね。
僕自身も、「あぁもっと早く気づいておけばよかった」と反省したワンシーンでした。

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その不安を分かち合えたなら~教師と子どもが手を取り合うこと~

その不安を分かち合えたなら~教師と子どもが手を取り合うこと~

4月。
期待と不安の入り混じった表情で見つめる子どもたちに、毎年僕は話す。
「僕だけの力では、この学級の、これからの一年を充実させることなんてできない。」

こう言えるようになって、僕はどれだけ学級を楽しめるようになっただろう。

どれだけ、子どもが頼もしく思えるようになっただろう。

どれだけ、子ども達の良さに目を向けられるようになっただろう。

教師が自分の限界と不安を率直に、

そして丁寧に

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子どもに遊んでもらえる先生でいようと思う。

子どもに遊んでもらえる先生でいようと思う。


「先生,一緒に遊びますか?」
休み時間に,Uくんが僕のところに来て,照れ臭そうに言った。
「うん!いいね!遊びたい。」
と答えると,嬉しそうにはにかんで,友達を誘いに行った。
僕も,素直に嬉しかった。

「なんか,昨日,家で,お姉ちゃんに,菊地先生は業間休みに何してるの?って聞かれたんですよ。」
一緒に,トランプをしながら,ひそひそと教えてくれた。
その子の姉も,僕が昨年担任した子だった。

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子どもが自らの手で「学級」と言う社会を構築するのが,最良のキャリア教育なのだ。

子どもが自らの手で「学級」と言う社会を構築するのが,最良のキャリア教育なのだ。

これまで,様々な角度から「キャリア教育」に類すると思われる教育実践に力を入れて取り組んできた。
社会に主体的に参画して,生き生きと働く大人を教室に招いてきた。
自分の故郷を見つめ直す学習にも,機会を見つけて取り組んできた。
手前味噌ながら,どの学習でも,子ども達は教科書をなぞる授業以上に目を輝かせて学んでいた。
僕には提供できない学びを,たくさんの社会人が提供してくれた。

そんな授業をしながらも

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「知」図づくり×コケで授業づくりにチャレンジ~苔の声に耳をすませて~

「知」図づくり×コケで授業づくりにチャレンジ~苔の声に耳をすませて~

君は,いったい,いつまで分かった気でいるんだい?
たかだか30年ちょっとの人生で,自分以外のものに何かを教えられる気になっているんだもんな。

先日,学校に出勤すると,玄関に何かあることに気が付いた。
近づいてみると,ガラスの容器に,数種類の苔が生けられている。
その小さな世界に,思わず見入ってしまった。
じっとのぞき込んでいると,苔たちが僕に語りかけてくる。
あぁ,これはもう…後戻りはできない。

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偶からはじまる物語~授業「風の歌を聴け」~

偶からはじまる物語~授業「風の歌を聴け」~

完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。

惚れ惚れする書き出しだった。
僕が,村上春樹を正式に読み始めたのは,この本を大学時代の友達に借りた時だったっけ。

授業中の子ども達の姿から,この題名と書き出しの一節を思い出すなんて。

図画工作科の単元に「動きをとらえて形を見つけて」というものがあった。
自然の中の動きや形から,その特徴を生かした表現をするというもの。

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【アフターコロナ時代】先生の役割って?

【アフターコロナ時代】先生の役割って?

休校が再延期になり,一時登校日だった,5月7日木曜日。
僕はこの日,子ども達の感情…と言ったら大げさだけれど,今感じていることを教えてもらおうと思った。
すると,子ども達の話から,ボクなりに「これからの教師の役割」を考える上で,貴重な話が聞けた。
僕が考えた,ボク的「これからの教員の役割」は,以下の4つ。
①学習フローチャートをつくる,プログラマー役。(一時的)
➁めっちゃ応援してくる,学びにポジ

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『オンライン遊び相手』としての教師

『オンライン遊び相手』としての教師

タブレットもルーターも配布していない勤務校で,子ども達にオンラインによる支援をすると決めて,資料を集めて職場内での合意も取った。
昨日までの2日間は,これまでとは打って変わって,めちゃめちゃ忙しかった。

不平等は避けられないもちろん,反対意見もたくさん出たのだけれど,あの手この手で…そういう交渉ゲームは比較的得意なの。笑
そもそも,一番多い反対意見である,「全ての家庭で,オンラインでの支援を受け

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「知」図づくりで物語の授業にチャレンジ~小6国語『帰り道』後編~

「知」図づくりで物語の授業にチャレンジ~小6国語『帰り道』後編~

「知」図を取り入れて実践をしてみた,小学6年生の国語「帰り道」の授業。前回の続き。

前回までは,主人公の心情を読むという,言ってしまえばオーソドックスな問いだった。
今回は,文章の構成や簡単な修辞法に着目して読むという学習について書く。
こうした授業は,僕にとって鬼門だった。
今まで10年も国語の授業をしながら,こういった授業を「うまくいった」と感じることは…あまり無いかな…。
どうしても,持っ

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「知」図づくりで物語の授業にチャレンジ~小6国語『帰り道』前編~

「知」図づくりで物語の授業にチャレンジ~小6国語『帰り道』前編~

昨年度から,「知」図を取り入れた授業に挑戦している。
(まだまだ,手探りなのだけれど,読んで感想など頂けたら幸いです。)

たんけんしたら「知」図をつくろう Feel℃ Walk よもやま話(6)

「おっちゃん「みつかる」記録帳」より

今回は,小学6年生の国語「帰り道」の授業。著者は,「Colorful」や「みかづき」など僕も大好きな作品を書かれた,森絵都さん。
小6光村図書の新しい教科書に,

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仲直りさせるなんてもったいない!子どもの共感力を伸ばす、ケンカ仲裁法

仲直りさせるなんてもったいない!子どもの共感力を伸ばす、ケンカ仲裁法

ケンカに仲直りは必要なのか?
子どものころ
別に仲良くなりたくもないのに「仲直り」させられたことはないだろうか?
やんちゃ坊主だったぼくは,そんなことがよくあった。

学校では,子ども同士のケンカが起きる。
そして多くの場合は,
大人が間に入って,仲裁をする。

ぼくも若いころから,子どもの間をとりもって,
どうにかこうにか…
あの手この手で…
全然うまくいかなくとも…
仲直り"させて"いた。

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子どもを見とるということは,その子との物語を紡ぐということかもしれない。

子どもを見とるということは,その子との物語を紡ぐということかもしれない。

「子どもを見とるとはどういうことか?」
朝,3階にある教室まで向かう途中,何人かの子とすれ違う。

A「おはようございます」ぼく「おはよう!行ってらっしゃい!」

B「おはようございます」ぼく「おはよう!○○ちゃん(妹)熱下がった?」

C「…」ぼく「○○ちゃん,おはよう」C「…(恥ずかしそうにどこかに行ってしまう)」ぼく「アハハ」

D・E「せんせぇー」「まぁ焦るでない。今日は,持ってきておる。

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普段,学校のことについて聞かれたら,良いことしか答えないじゃないですか。

普段,学校のことについて聞かれたら,良いことしか答えないじゃないですか。

今日は,ある授業のことで,5年生が新聞社からの取材を受けた。
いつも,6年生と一緒に生活しているので,少し甘えん坊なところもある、可愛い子達。
でも,取材には,まるで大人のような受け答えをしていた。
声は可愛いらしいものの,話す内容は,担任の僕でさえ感心するようなものだった。
「下級生が,わくわくするような学校にしたいっていう思いがありました。」
「自分達が,この学校にいるうちにできることって何な

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教師の在り方が表れる一言

教師の在り方が表れる一言

大野睦仁さんが,私の学級の参観をした翌日の講座で,
「子どもが授業の振り返りを書く場面,皆さんは何と言葉をかけますか?」
と,参加者の皆さんに問うた。
(僕なら何て言うかなぁ?)と考えていたら,大野さんが
「なおさんは,なんて言ったと思います?『みんなの考えたことを,教えてください。』と言ったんです。」
とおっしゃった。
驚きが2つ。
1 ぼくは,この言葉を無意識に使えるようになっていた。
2 大

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