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鈴懸ねいろ
2021年3月10日 15:42
樹々が微笑うやわ雲が誘っている枝垂れる雪やなぎが思わせぶりに香る髪をそよりと揺らしたりする風それらが私を呼んでいるこっちへおいでと手招きをする今ここにいる私はもぬけのからまだ生まれていない街の名前を知りたいはじめての足音を立てて緑の風の中止められない私は私ではないという衝動脱いでゆくこころとコートここではないどこかへ春先の光の色を見に行くのだ***だいぶ
碧月はる
2020年9月23日 23:01
白み始める空を一人睨みながら、それでもその色と光に焦がれている。翼が濡れている。このままじゃ飛べない。諦めに支配されながら、それでも飛び立てる日を夢見ている。雛鳥ほどか弱くもないくせに、できない理由を見つけることだけは誰よりもうまかった。夜鷹は醜いと疎外された。誰も夜鷹を救わなかった。そんな世界の無慈悲さに憤りながらも、私もその世界の一部であることに気付いていた。救えなかった数を数える
もっちもち
2020年8月14日 19:04
海の静けさから潮風がそっと匂いだす。それは夏の趣を帯びて砂浜に溶け、また地球の大地に消えていく。水平線上から打ちあがった入道雲は真っ青なキャンパスの中央に力強く描かれている。その下には、小さくなった船がある。そして手前には白波で身体を揺らす子供と親が照り付ける陽ざしをも喰ってしまうほどの笑顔を弾ませて楽しんでいる。私はそれをじっと見ている。足跡が、私の、辿りを示してゆく。背中には私の暮らす街が佇ん
ようこ|野に咲くことば
2020年4月17日 15:07
詩を読むことって、ほとんどなかった。でも友人が紹介してくれた詩を読んで、読めば読むほど捉え方が変わるのにびっくりした。紹介してもらったのは、塔和子さんの「痛み」。興味のある方は検索して全文を読んでみてもらえたら嬉しいのですが、はじめは「受け身の辛さ」みたいなイメージだったのが何回か読んでいくうちに「自分で選び行動する意志」を感じた。そして数日経っても、頭から離れなかったのが
十羽ひのこ(Non)
2020年3月21日 00:15