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夜明け

白み始める空を一人睨みながら、それでもその色と光に焦がれている。

翼が濡れている。このままじゃ飛べない。諦めに支配されながら、それでも飛び立てる日を夢見ている。雛鳥ほどか弱くもないくせに、できない理由を見つけることだけは誰よりもうまかった。


夜鷹は醜いと疎外された。誰も夜鷹を救わなかった。そんな世界の無慈悲さに憤りながらも、私もその世界の一部であることに気付いていた。

救えなかった数を数える。届かなかった手のひらを想う。それだけで簡単に折れる翼は、修復だけで生涯を費やしてしまいそうだ。


光になりたいわけじゃない。ただ、当たり前を願っている。

届かない。間に合わない。聞こえない。
その数の向こう側から、目を反らすことができない。


夜明けと共にやってくる今日。近づいてくる明日。その光に目を細めるくらいならいい。睨むほどではないのなら、それだけで。





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