十羽ひのこ(Non)

Nonでした。詩を書きます。 わたしはわたしを救うために、言葉を紡ぐ。

十羽ひのこ(Non)

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    • 溢れ出て、駆け抜けていく

      芸術大学の通信学部を卒業して、あっという間に一年が過ぎました。また、あたらしい春。 そして、それももうすぐ終わってしまう。 一年前、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、卒業式も、卒業制作発表会も、展示も、なにもかもなくなって、最後に先生方や同期生たちに会うこともできずに、7年にも及んだ通信学部での学生生活はあっけなく終わってしまった。 実感が湧かないまま時間だけが過ぎていって、新生活の忙しさから、わたしは詩を書かなくなった。書かないということはいろんな意味で重たかった

      • 少女8

        「真冬の薄暗い朝とか、真っ暗な夕方に、痛いくらいの冷たい風に吹かれると、いつも思う、冬の寒さはわたしのものだって。理由はうまく言えないけれど、凍てつくようなその一瞬の温度が、まるで自分みたいだって、そう思う。」 「だけど、わたしは季節のなかで夏がいちばん好き。いつだって、あの夏の暑さに焦がれている。ほかのどの季節のなかにいても。」 「きっとわたしは、自分のものよりもずっと、他人のもののほうが好きなんだろうね。」 ----------------- 冬と夏と、少女のひと

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