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#掌編

全ての世界で銃の所持が認められれば人類は平和に暮らせるようになるのではないかと思ったがダメだこれ

 銃の所持が合法となり国内での自殺者数が格段に増加したのは政府の陰謀だの隣国の侵略などと囁かれていたが何の事はなく単に「ガンカッコいいよね!」という意見が国会を席巻し与野党満場一致で銃保有の合法化が可決しただけであった。

 しかしいずれにしろ銃による自殺者が日に絶える事なく続出したのは事実であり、この事象はショックガン問題などという悪ふざけ極まりない名称で呼ばれ社会現象となる。

 世知辛い時代

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黙って泣かれると此方としても対処の仕様がなくさりとて黙っているのもまた居心地が悪く詰まるところ八方塞がりなわけである

黙って泣かれると此方としても対処の仕様がなくさりとて黙っているのもまた居心地が悪く詰まるところ八方塞がりなわけである

 こんな日がいつかくるとは思っていましたけれど、それが今日だなんてどうして予想ができましょうか。

 明美は一言、「ごめんなさい」と言ってからシクシクと泣き始めました。彼女と過ごすようになってからよく目にするようになった光景ですが、これほど印象深く胸に刻まれたのは初めてかもしれません。いや、むしろ、今日初めて、彼女を真剣に見たのだと思います。いずれにせよ、私は明美をずっと悲しませていた事に変わりな

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世界は自由だし誰にも俺を止める権利はないし酸いも甘いも楽しんだもの勝ちだし人生ってまったく素晴らしいものだなって思う今日この頃

世界は自由だし誰にも俺を止める権利はないし酸いも甘いも楽しんだもの勝ちだし人生ってまったく素晴らしいものだなって思う今日この頃

 特殊能力を手に入れた俺は無敵なため好き放題生きる事を決めたのだった。

 家を出てライドオンバイシクル。モードフルモンティ。裸・裸・裸ンドと口ずさみ公道を疾走。風を纏う完全体に観衆の歓声が響くと、素晴らしい高揚が訪れ最終兵器がグッモーニン。春の日の一コマに差し込まれるイレギュラーは俺からのサプライズである。是非とも喜んでいただきたい。

 商店街に到着。ますます高まるボルテージ。黄色い声が伝播拡

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人間働かなくては生きていけないがそもそもそこまでして生きる価値がこの世界にあるのかという抜本的疑問に今日もまた打ちのめされるのである。

 日本の平均残業時間は四十七時間だそうだ。
 別ソースだと二十四時間だったり十時間だったりするから正直あてにならん数字だが、ともかく五十時間近い時間外労働をしている人間が数多くいるというのは間違いない。現に俺の上司は朝から朝まで働いている。昭和の世界だ。南無。

 そうまでして働く必要はないのではと思う一方、働かなければ金は入らないし、誰もが望む仕事に就けるわけでもないとシビアな現実に直面している

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Twitterで見かける暴言が如き極端な主張のぶつかり合いは不毛に思えるが声を上げられない社会もそれはそれで不健全ではなかろうか。

Twitterで見かける暴言が如き極端な主張のぶつかり合いは不毛に思えるが声を上げられない社会もそれはそれで不健全ではなかろうか。

 物事の善し悪しというのは大変難しく、俺の頭では判別つかないのであった。

 Twitterを見れば目につく政府に対する是々非々。右左問わず交錯する主張。一方が正義の大義名分を掲げれば一方はそれを悪だと決め付け論争が巻き起こる。事態は収束の気配を見せる事なく、満たされず、渇きながら争い続ける餓鬼の修羅場を眺めている気分となり哀れに思う。

 政ばかりではない。有名人が不貞を働いたとか失言を吐いたと

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職業に貴賎はないというが明確に差別偏見が溢れる昨今においてはまったく無意味な言葉になりつつある

 声優になりたいと出ていった娘がAV女優になっていた。

 今はセクシー女優と呼ぶらしいが呼び方などどうでもいい。問題は可愛い可愛い愛娘が不特定多数の男優に辱められるばかりかその様子を見て日夜自家発電に励む者達がいる事だ。それを思うと堪えられん。おのれ野郎ども! 皆殺しにしてくれる!

 なでと言っても仕方がない。ひとまず娘に今の仕事を辞めるよう電話で説得しなければならないだろう。それが親としての

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一人の食事というのは気楽な反面時に虚無感と辛苦を生むがそれでも堪えねばならぬのが人生である。

 牛皿とワンカップが今日の晩酌である。
 一味を山ほどかけた牛皿をワンカップで流し込む喜びといったらない。独り身ならではの悦楽。脳が馬鹿になるようなこの作法、所帯持ちに真似できまい。

 しかし所帯か。本当はあった方がいいだろうが、相手がいなければできぬのが結婚。俺には無縁の話だ。

 一人が嫌いなわけではない。しかし、貧乏くさい電球に照らされる安い一人分の食事と酒を見ると、寂しさが込み上げてくる

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女もなく粗末な食事と安い酒で雑な夜を過ごす他ないという悲しみ

女もなく粗末な食事と安い酒で雑な夜を過ごす他ないという悲しみ

 酷く疲れたが誰もいない部屋で他者の労りなどあるはずもなく金がないから残業であっても自炊しなければならない。

 やる気がない。身体が重い。これはまずい。
 もういいや開けちゃおうと買ってきた安ウィスキーをタンブラーに注ぐ。喉から胃にかけて熱が入り活が湧き上がる。あぁ身体に悪い。しかし飲まねばやってられん。

 フライパンをコンロに置き具材を投入。レシピはない。適当に炒めた肉と野菜はもはや餌。フラ

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料理自体は嫌いじゃないんだけど人に出すときは盛り付けとか皿とか気にしなきゃいけないから本当にめんどくさい

料理自体は嫌いじゃないんだけど人に出すときは盛り付けとか皿とか気にしなきゃいけないから本当にめんどくさい

 料理にレパートリーがないと言われた。

 仰る通りだが仕事終わりに買い出し行って作るとなると大変なのである。そりゃ鍋にレバニラ炒めに冷しゃぶなんかが多用されるよ。楽なんだもん。

 とはいえオーダーがあったからには聞かねばならぬだろう。適当にレシピを検索。簡単にできそうなもの……

 圧力鍋で超早調理ほら吹き大根!

 圧力鍋がないしそもそもあいつは大根が切らないなので却下。

 おかずいらず!

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ともかく戦争はよくないが滅びの直前を夢想しなくもない。しかし都合よく自分だけがその場にいるなどあり得るはずなくもし事が起これば不特定多数の人間と同じように等しく凄惨に殺されているだろう。

ともかく戦争はよくないが滅びの直前を夢想しなくもない。しかし都合よく自分だけがその場にいるなどあり得るはずなくもし事が起これば不特定多数の人間と同じように等しく凄惨に殺されているだろう。

 転がっている死体には顔がなかった。
 首が飛ばされているわけじゃない。目玉を抉られ、耳を削がれ、鼻を潰され、唇を切られたのだ。口には石が詰められ、歯は全て折られている。全て、生きているうちにやられたのだろう。

 その傍らには女と赤子の死体があった。女の腹は掻っ捌かれて自身の頭が入れられていて、子供は杭に突き刺さっている。

 昔、この国の人間は他国の人間を同じような目に遭わせたらしい。なんとか

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八重

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883949571/episodes/1177354054883949573

 仄暗い和室に雨音……こもっていた熱が、通り雨によって削ぎ落とされていく。

「涼しくなりましたね」

 色の白い女がそう言った。その肌色は生来のものではなく白粉をまぶした擬態なのであったが、それが返って女の女たらしめる、生々しい取り繕いを

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暗中

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893399384/episodes/1177354054893399386

 夜深けに歩く音がありそれはヒールがコンクリートを刺す響きだった。

 飲み過ぎちゃったかしら。
 
 百合の胸の内とは裏腹に足取りは正しく、真っ直ぐに進んでいく。自らが務める夜の店で客からすすめられた酒で酔うほど初心ではなかったが、ふわりとし

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奥多摩の猿

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893480044/episodes/1177354054893480047

奥多摩に猿が出たとの報せが入った。
 猿は人里に降り人を襲って身ぐるみを剥いでいくという。猿が人間の着物をかっぱらってどうするのだろうかと大石は訝しんだが、実際被害が出ているわけだし、そもそも猿の奇行を人間の理知で推し量ることなどできるはずもな

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少年エロティシズム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885801418/episodes/1177354054885801423

 エロビデオが欲しかった。
 兄が引越し、俺の部屋にデッキが来た。となれば、エロビデオは必須ではないか。
 だが、店舗で購入するにはリスクが高すぎる。18禁ののれんが、ベルリンの壁のように立ちふさがるのだ。これを突破するのは容易ではないし、さらに商

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