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[連載小説] 「青春の外堀 -TOKYO1980」第八話<オールナイト学園祭とか>
第九章『オールナイト学園祭あるいは名物ロックアウト』
11月には学園祭があった。「外堀祭」というそのままの名前だった。全てが無茶苦茶だった。中でも特徴的だったのは、多分3日間だったと思うけど、最初の日と次の日の夜はオールナイトのバカ騒ぎ。おまけにお酒飲み放題。ひたすら騒ぎ続け、飲み続ける。アイドルが来てコンサートやったり(なぜかあんまりビッグネームは来なかった)、プロレス研究会の試合を応援したり
[連載小説] 「青春の外堀 -TOKYO1980」第七話<ジャーナリズム>
第七章『ジャーナリズムというもの』
スポーツ新聞部と言っても、ジャーナリズムだった。4年生の編集長は、スポーツがなぜかそんなに好きではなく、新聞を作りたい人だったから、ジャーナリスト気取りだった。「新聞をやっていると、好きな人に会える。それが特権だよ」みたいなことをよくいう人だった。「かしゆお」は多少人見知りだったので、それがそんなに魅力には感じなかった。僕らもだんだん、いろんな人にインタビュー
[連載小説] 「青春の外堀 -TOKYO1980」第五話<四ツ谷>
第五話『夜の四ツ谷でアルバイト』
大学生になったらアルバイトである。いろんな経験をしてみたかったので、アルバイトも色々やりたかったが、早速「スポソト」の先輩2人がやっていた居酒屋のバイトに誘われた。そこはJR「四ツ谷」駅からすぐの居酒屋チェーン店「くらま」。ミッション系で有名な四ツ谷大学のあるところで、そのほかにも英語の学校が多く、居酒屋のお客も外国人の先生と日本人の学生さんたちというのも多かっ
[連載小説] 「青春の外堀 -TOKYO1980」第四話<神宮外苑>
第四話『神宮の杜、チャンス外堀♪』
飯田橋の話の続きだが、うちの学校は別名「飯田橋体育専門学校」と呼ばれていた。体育会の人たちはみんなすごい人たちばかり。今の基準はわからないけど、僕らの頃、推薦入学のためには、各競技のインターハイベスト4以上だと言われていたから、とんでもない人たちだ。その人たちのうちの代表の一つが六大学で有名な野球部。田舎者だった「かしゆお」は、テレビで見ていて、学生らしくて楽
[連載小説] 「青春の外堀 -TOKYO1980」第三話<神楽坂>
第三話『神楽坂へ。スポーツ外堀新聞会入部』
入学式が武道館であって、何日か後にガイダンスがあって、その後はいろんなサークルの勧誘がワイワイ行なわれる。「かしゆお」は、入りたいサークルをもう決めていた。「スポーツ新聞部」に入りたかったのだ。神宮の野球に憧れていたのだ。もともと、小学校から剣道部で、野球をやってたわけでもないが、大学生になったら神宮球場で野球の応援に行きたかったのだ。で、学部も社会学