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大学生、科学と向き合う。

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勉強する側の視点から、科学との付き合い方を考えるマガジンです。
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記事一覧

文系ハート物理学科卒が考える科学との付き合い方(3) 内と外

文系ハート物理学科卒が考える科学との付き合い方(3) 内と外

数式のイメージが浮かべられない、自分に見えないものは信じられない…。一方で、数学や理科は数式を駆使して見えないものを記述してゆきます。理系科目と自分とのずれを感じつつ、かきもちは高校生になります。

きれいすぎる-教科書の中受験が終わり、晴れて高校生になった。新しい制服を着て、往復2時間ほどかけて通学した。部活に勉強に夢いっぱいの反面、突然手に入った自由にたじろいだ。中学校と比べて、科目数も勉強内

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教育実習ルポ

教育実習ルポ

5月末から6月にかけて、教育実習に行って来ました。
一言でまとめると、厳しさと楽しさと、感謝です。

まず教育実習に関わったくださった方々に感謝します。
担当させていただいたのは高校の理科、物理でした。
出身校で2週間、実習をさせていただきました。

先生方の職務は非常に責任が重く、心配りと体力を必要とするものでした。(先生方は負担が重くならないよう、心配してくださっていました。)高校生活は誰にも

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文系ハート物理学科卒が考える、科学との付き合い方 (2) 広がるずれ、噂話

文系ハート物理学科卒が考える、科学との付き合い方 (2) 広がるずれ、噂話

 小学校3年生でそろばんを始め、計算が好きなまま中学校で文字式に出会ったかきもち。因数分解あたりから、イメージを浮かべられなくなっていきます。

噂話 小学5年生のとき、学年でいじめがあった。自分は標的にはならなかったが、何人かのクラスメートがいじめられていた。私はこういう時、いてもたってもいられなくなる。困っている人がいるとわかると、変な正義感が発動する。そしていじめっ子を退治しようと出動してし

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文系ハート物理学科卒が考える、科学との付き合い方 (1) イメージと式

文系ハート物理学科卒が考える、科学との付き合い方 (1) イメージと式

こんばんは。かきもちです。
私、今年の春に物理学科を卒業したのですが、いわゆる文系の側面を強く持ち合わせております。それがどうして理学院修士まで来たのか、振り返る意味も込めてこちらのnoteを書きます。連載の最後には、苦手な科学とどう折り合いをつけていくか、自分なりの答えを出したいと思います。

そろばん 学校で2回だけ、居残りをさせられたことがある。1回は家庭科、もう1回は算数だ。家庭科の方は小

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相手の理解を想像する

今日は初セミナーでした。
来週、卒業研究の発表会があるので、
それに向けた練習です。
そこで考えたことがあるので、
ちょっとまとめておきたいと思います。

課題山積ー!結果は、うむ、課題山積でした!

プレゼンの縦横比が良くない(横長すぎる)、
式の誤植がある、グラフの軸がない、
何を示したいのかわからないグラフがある…

条件が整理できていない、
行間が広すぎる、などなど…

色々なファクターに

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数理モデルの虚しさ

ツイッターでちょっと反響があったので、
こちらにまとめました。

現実との乖離数理モデルについて、解析計算をして数値計算をしている…
しかしモデルはモデルにすぎなくて、
現実の世界と乖離している感を最近強く感じる。

どれだけ計算してもそれは現実のものではなくて、
やっぱり理想化されたモデルなんだな、とか思ってしまう。

モデルには、何か現象を見やすい形で取り出して
議論できる良さがあるのだろうと

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理系教科の勉強をちょっとだけ気楽にしたい

理系教科の勉強をちょっとだけ気楽にしたい

理系教科を勉強していて、
不安になることがある人のために書きます。
高校生の私が読んでくれたらいいかなと思います。

学校の教科書や入門書を読んでいると、

どこからやってきたのかわからない概念が出てくる。
そうかと思えば今度は論理的に話が出て進んでいく。

新しいことを学んでいるから、
共感できないことがあって当然だと思うのです。

けれど、初めに学ぶときはなんだかんだ、
不安になると思います。

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ゼミ2

ゼミ2

ゼミの目的ってなんだ?研究室のゼミに参加し始めて数か月。
相変わらず1週間に一度、発表の順番をこなしていた。

ゼミの間、先生はわかっていないような、
その場で考えてわかっているような雰囲気である。

私が言いよどむと、
「え、そこもう一回」「よくわかんないな…」
と止めてくれている。

すらすら話せるときは、
「へえ」「そういうことなんだね」
とおっしゃる。

うーん…私は何をすればいいんだ…?

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主権者教育としての理科

理科を学ぶ目的日頃、私は個人的な目的で物理を勉強している。それはわからなかったことをそのままにしたくない、というものである。

何かを学ぶ目的はなんでもいいと思っている。しかし、なんだかやっぱり考えてしまう。そこで最近思うのが、理科は主権者教育の一端を担えるのではないか、ということである。

科学と民主主義科学では自然現象について考えて議論して、それぞれが納得できる理論や説明を選ぶ、または自ら構築

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議論するとき気を付けること~別の世界のあなたと話す~

議論するとき気を付けること~別の世界のあなたと話す~

4月から配属された研究室にいる間、
先輩に教わった議論のポイントです。
ほかにもありますが、今日はこちら。
一言で言うと、「情報共有をしっかりする」。

あなたと私は別の人「こんばんは」
「こんばんは。調子はどうですか?」
「まあまあです。今日は小雨でしたね」


会話や連絡がそうであるように、
議論は情報のやりとりの連続です。

また、自分も相手もお互いに一人の人間で、
それぞれの考え方や価値

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大丈夫、科学は万能じゃない

大丈夫、科学は万能じゃない

高校生の私へ。

方程式1本で、物の辿る道筋がわかってしまう。

力学というものがあなたは嫌いでしたね。

だって、そんな風に思えるだろうか、

風に吹かれて、いつも違ったようにさざめく

この水面や木々の葉を見て?

もっと自然は複雑なはずだ!って否定したいのに、

科学は論理で積みあがっているから否定できない。

価値観が壊れる!

君はそう言うと思う。

大丈夫、その方程式を成り立たせるには

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悔しいけど、巨人の肩の上に立つ

悔しいけど、巨人の肩の上に立つ

こんばんは。おえかきするもち、かきもちです。

普段は理系学生をしています。専攻は物理学です。

物理学を勉強するときには、

初めに教科書を読み、ひっかかった箇所を人と議論し、

理解度を演習で確かめ、機会があれば人に教える、

ということをしています。

そこで悔しいのが、教科書を読まねばならない、

その内容を受け入れなければならないことです。

本当は自分なりに自然を理解したいと思っていま

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