記事一覧
「図」と「地」は入れ替わる
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小説「ルビンの壺が割れた」(宿野かほる)
愚鈍な私は、読み終えてしばらくの間モヤモヤしていた。ネット上の解説などを読んで「なるほど、そういうことか」と腑に落ちた次第だ。
ところが、時間が経つと果たしてそういう解釈でホントに良いのだろうかと思えてきた。「ルビンの壺」という以上、見方を変えれば違う風景が見えないのか、という疑問である。そしてその「壺が割れた」となれ
バケットリストはたぶん書かない
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映画「最高の人生の見つけ方」(主演 ジャック・ニコルソン モーガン・フリーマン)
この話の中心にある「バケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)」。私がそういうものに初めて触れたのは、映画「死ぬまでにしたい10のこと」(監督 イサベル・コイシェ)だったように思う。最近ではTVドラマ「春になったら」などにも出てきて、不治の病で余命を宣告された人の定番アイテ
身体の話は性差で規定していいよね?
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書籍「男」(柳 美里)
最近はジェンダーレスとかと言って、「往々にして男は……」とか、「女はとかく……」などと性差で規定した物言いはご法度らしい。まあよく考えてみれば、それらの多くは男女を問わず言えることだったりするのも事実なのだ。
何年か前に「女が入ると会議が長くなる」と言った時代錯誤のセージ家がいた。女性は話があちこちに飛ぶから議論がまとまらないと言いたか
現代科学では予知も予測も不可能
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書籍「南海トラフ地震の真実」(小澤慧一)
南海トラフ地震が今後30年の間に発生する確率は70~80%だということは広く知られている。しかし本書では、その値は他の地域の発生確率の算出に用いられている手法とは異なる手法(時間予測モデル)が使われていて、ほかの地域と同じ単純平均モデルで算出されると20%まで下がるというのである。
これが本当のことなら、由々しきことで
私的な会話でもダメですか?
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TVドラマ「不適切にもほどがある!」(脚本 宮藤官九郎 主演 阿部サダヲ)
先頃(と言ってももう1か月以上前になるが)、放送を終えた通称「ふてほど」。昭和のオヤジがタイムマシンで現代にやってきて色んな騒動を巻き起こす。
社会で活躍する女性を見て「男顔負けだね」とぼそりと口にしたり、女性との交際では「部屋に上げてもらった時点でOKみたいなもんだろ」と言い放った
テクノロジーの融合が導く心躍る未来
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書籍「2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ」(ピーター・ディアマンディス スティーブン・コトラー)
この手の未来予測本は巻末の解説にもあるように悪書というか、いわゆるトンデモ本であることも多い。根拠レスであってもセンセーショナルな、あるいはショッキングな未来を予測すれば人々の耳目を集めやすいからだ。そこにもっともらしい陰謀論を絡めれば、なおさらである。
よく喋る男のフェンスとは
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映画「フェンス」(主演 デンゼル・ワシントン)
よく喋る男、話の長い男には気を付けた方が良い──これまでの人生で得た教訓の一つである。
3分で済む事務連絡の電話に20分もかける奴。10分もあれば足りる報告に30分も費やすような奴。彼らの話は往々にして中身がない。というか、話す前に何を話すのか決めていないから、話しながら次に何を言うか考えている。その数珠つなぎ
習慣化するのは気恥ずかしい
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書籍「120歳まで生きるロングブレス」(美木良介)
本書にある「ロングブレス」なるものを初めて知ったのは、故石原慎太郎がらみだったように記憶している。
晩年に脳梗塞を発症した石原は、その後遺症で左半身が麻痺して歩行が困難となり、発語にも不自由していたという。それが、このロングブレスを1年間続けたところ普通に歩けるようになり、やがては言葉も明瞭になったのだとか…
戦争で死ぬのは勘弁だけど……
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映画「ダンケルク」(監督 クリストファー・ノーラン)
海は嫌いだ。冷たいし、波が高くて溺れそうだし、サメだっているかもしれない。
戦争はもっと嫌いだ。アホな大本営や上官に振り回されそうだし、あげく無駄に疲れそうだし、弾に当たれば痛いだろうし……、それで死ぬなんてまっぴらだ。
戦争映画をみると決まってぐったりと疲れてしまう。いったい誰がこんなくだらないことを