じゃじゃの私設図書館

子供の頃に本屋さんや図書館で体験したあのワクワク感を、大人になってもここで感じてもらい…

じゃじゃの私設図書館

子供の頃に本屋さんや図書館で体験したあのワクワク感を、大人になってもここで感じてもらいたいという館主の思いを形にした、浜松市佐鳴湖近くの私設図書館です。私設とはいえ図書館です。9000冊を超える蔵書から貸出期間1か月で4冊まで無料でお貸出しします。

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    浜松市佐鳴湖近くのじゃじゃの私設図書館がお薦めする映像に関する記事をまとめています

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    浜松市佐鳴湖近くのじゃじゃの私設図書館がお薦めする本

  • 浜松トワイライトゾーンby吉田柴犬 じゃじゃの私設図書館編

    • 41本

    じゃじゃの私設図書ボランティアスタッフ吉田柴犬が贈る浜松の街角の「何、これっ?」

最近の記事

誰もが誰かにやってもらいたいこと

館主JajaのオススメMOVIES 映画「ロストケア」(主演 長澤まさみ 松山ケンイチ) 素人に整体やマッサージの真似事をしてもらうとビミョーにツボを外されて、かえって気分が悪くなることがある。それと同じような感覚を、この映画を観終えて感じた。 取り上げた題材はよい。超高齢社会のこの国でまさに今、求められている問題提起である。 生産年齢人口が減り続ける中で、増大する社会保障費。介護士、介護施設の絶対的な不足と要介護高齢者を抱える家族の疲弊。硬直的な法制度のもとで医療現場

    • 誤審と柔道

      館主JajaのオススメBOOKS 書籍「柔術狂時代」(藪耕太郎) すでに話題としては鮮度を失っているが、この夏のパリ五輪について書きたい。今回の五輪で目立ったのは、誤審や不可解な判定だったように思う。いや、判定そのものと言うよりも、それを過剰に煽るネット記事が目立ったと言うべきか──。 それらの多くは、日本人選手や日本チームに不利な判定をされ、それが試合結果に直結したというものである。そのように言いたくなる気持ちはわかる。がしかし、私には概して詮無いことのように感じられた

      • 主役の子の透明感が半端ない!

        館主JajaのオススメMOVIES 映画「コット、はじまりの夏」(主演 キャサリン・クリンチ) 私の娘は、どちらかと言うと幼い頃から内向的というか、あまり積極的に感情や意志を表に出さない子供だった。誕生日などにプレゼントを渡しても嬉しいのか、がっかりしているのか……、このコットのように何かにつけ反応が薄かった。 そんな我が子を見て妻に不満を漏らしたことがある。 「なんだか、張り合いがないよなあ。よその子は大喜びするらしいぜ」 「いいのよ、あの子は自分の部屋に戻ってから

        • 仕事してくれよ、会社なんだから

          館主JajaのオススメBOOKS 小説「おいしいごはんが食べられますように」(高瀬隼子) この物語には二人の語り手がいる。一人は、会社では如才ない立ち回りをする独身男・二谷だ。彼は食べ物に対する執着がない。主食はカップ麺と言って良いほどだ。同じ会社の女子社員・芦川とつきあっているが、料理自慢の彼女の作る食事が面倒臭い。 もう一人の語り手は女性で、芦川の後輩社員──したがって二谷の同僚でもある──押尾である。彼女はできる女なので、仕事のイマイチな芦川が疎ましい。 そう、二

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          102本
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          105本
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          41本

        記事

          ヘンな顔の俳優スティーヴ・ブシェミはかく語りき

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「ファーゴ」(主演 フランシス・マクドーマンド) チッ、なんだよ。クサるよなぁ。ひとのこと、ヘンな顔、ヘンな顔って。いったい、この映画で何回言えば気が済むのさ。俺はこのあと「アルマゲドン」にも出たりして、「90年代に最も仕事をした俳優」ランキングの第4位にもなったんだぜ。それによォ、ヘンな顔っていうなら、主役級のジェリー・ランディガードを演ったウィリアム・H・メイシーだって十分ヘンだろうよ。 てか、この映画を作ったコーエン兄弟

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          私が科学を信奉するようになったワケ

          館主JajaのオススメBOOKS 小説「月の満ち欠け」(佐藤正午) これまで再三言っているように私は科学至上主義者である。よって、この世は合理で成り立っていると考えているし、現代科学で説明できない事象もいずれは科学が解明するものと思っている。 そんな私だから、スピリチュアルなこと、オカルト的なことなど一切信じない。ましてやこの小説にあるような生まれ変わりの可能性など万に一つもないと考えている。子供ならいざしらず、大の大人がその手の話題を真剣に話しているのを見ると、「このヒ

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          それでも結婚しますか?

          館主JajaのオススメMOVIES テレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(主演 新垣結衣 星野源) ガッキー可愛いなぁ。可愛いだけじゃなくて、家事もしっかりできるなんて──。うちにも来てくれないかな。で、来てくれたついでに、こんなふうに契約結婚してくれたり、偽装で良いから恋人になったりしてくれないかなあ……。 おっと、いけね。俺、65だったわ。こんなこと口に出すのはもちろん、心の中で思うだけでもいけないのだった(キモチ悪いぞ!)。 ──てな感じで、ノリツッコミをしなが

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          不寛容にもほどがある!

          館主JajaのオススメBOOKS 新書「あなたの中の異常心理」(岡田尊司) 最近、「異常」だと思うのはネットニュースとそのコメント欄です。もちろん今に始まったことではありませんが、このところ特に異常だと思えるのです。 例えば、過日フリーの女子アナが「男性の夏場の匂いや不摂生している方特有の体臭が苦手すぎる」と個人のSNSに投稿したところ炎上したという記事。これがアップされるや、コメント欄で同女子アナへの非難はさらに勢いを増し、事態を重く見た所属事務所が彼女との契約を解除し

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          娘とか息子とか仕事とか

          館主JajaのオススメMOVIES テレビドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」(主演 吉田羊) 女性コラムニストのトッキーことトキコは週一でラジオのパーソナリティを務めている。番組には毎週悩み相談が寄せられるが、彼女はそれらに真摯に向き合いながら、各々の内容に自らを投影することで一人親である老父との関係を修復していく──というドラマである。 事業に失敗して今は無一文となった父・哲也だが、羽振りの良かった頃は外に愛人まで作って好き勝手に生きていた。トキコは二〇代の頃それを知

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          トンデモ本? いいえ、示唆に富む良書です

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「ヤバい経営学」(フリーク・ヴァーミューレン) 「どうだ、面白かっただろう」と言わんばかりのエピローグには正直ドン引きするが、確かに面白かったという点については認めざるを得ない。 読んでいて、ずっと頭の中に流れていたのはB'zの楽曲「Time Flies」の 〽すべては相手と運任せ── という一節だった。 たとえば本書では、目を引くような高業績を上げている経営者は、高いリスクを向う見ずに取って、たまたま高いリターンを得たに過ぎな

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          主人公が幸薄い女子じゃなくたって

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「DOGMAN ドッグマン」(監督 リュック・ベッソン) 物語は、父親のDVが日常化する少年時代に母親に去られ、犬小屋に入れられて生活した経験を持つ男が、多くの犬とともに街の悪党と戦うというものだ。 久しぶりのリュック・ベッソンの監督作品で、とても面白かった。まだまだ俺は錆びついちゃいないぞ、と言っているかのようだ。 だが、これがいつもの彼の作品のように不遇の女子を主人公にしていたら、もっと好かったのにと思うのは私だけだろうか。多

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          子供がツラクならないように読みました

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「親の介護がツラクなる前に知っておきたいこと」(島影真奈美) 東京時代に長く住んでいたマンションでは、夏になると毎朝5時前後に中年女性のヒステリックな金切り声が聞こえてきて、目が覚めたものだ。 「ママ、何やってんのよ! ホントにもう」などと明瞭に聞こえることもあったが、ほとんどは 「◎×¥$●&%#△?!」と意味不明な怒声だった。 夏の間は声の発信源が窓を開けていたから聞こえたのだろうが、おそらく一年中やっていたのだと思う。そのう

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          私も中谷美紀に褒められたい

          館主JajaのオススメMOVIES テレビドラマ「ギバーテイカー」(主演 中谷美紀) 久しぶりに中谷美紀の主演作を観た。私にとって中谷美紀といえば、やはりテレビドラマ「ケイゾク」である。あれで彼女は、それまでのお嬢さん役、お姫様役の女優から一皮むけたように思う。 その後、印象に残っているのは映画「嫌われ松子の一生」だが、あれは少々やり過ぎである(彼女の女優魂には頭が下がるが…)。あとほかは映画「阪急電車」くらいだろうか──。のちに彼女は国際結婚して、それを機に活動量を減ら

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          適切なことを適切なタイミングで言うこと

          館主JajaのオススメBOOKS 小説「流浪の月」(凪良ゆう) 私は今でも平日、都市開発に係るコンサルタントをしているのだが、最近はもう以前のように資料をガンガン作って……ということは少なく、ほとんどがアドバイザリー業である。そう言うと、多くの人に 「それは楽な仕事ですねェ」 などと羨ましがられる。がしかし、これがなかなかどうして大変で難しいのである。 ひとつ言えるのは、しゃべり過ぎないこと。もちろん、知識不足等でしゃべれないのでは話にならないが、多くを語れば良いとい

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          1994年のフリーフォール

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「FALL/フォール」(監督 スコット・マン) 高所恐怖症である。閉所恐怖症でもある。加えてヘビ恐怖症だし、地震恐怖症だし、他にもいろいろ……、要するにビビりなのだ。 学生時代に、エアコンの室外機取付工事の補助をするアルバイトをしたことがあった。親しい先輩から紹介されたバイトだったが作業員の隣で工具を手渡す程度の軽作業だと言うわりに、やけにいいバイト料(50年近く前で日給1万円を超えていたと思う)だったので、二つ返事で引き受けた。が

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          最も身近な民主主義社会

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「集合住宅と日本人」(竹井隆人) 私が東京にいた頃、長く住んだのは500戸からなる大規模マンションだった。そこでは区分所有法に基づく管理組合と地方自治法に基づく自治会が別個に組織されていた。 私はそこで管理組合理事長と自治会長を歴任した。歴任したなどと言うとそこの名士だったかのようでエラソーだが、ご多聞に漏れず両組織とも輪番制の中で嫌々引き受けたに過ぎず、自慢できることではない。 もっとも、理事や役員は十数年に一度はやらなければなら

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