Shunsuke Imai

1984年生まれ。暮らしのことを書きます。最近本屋も始めたので、そのことについても書き…

Shunsuke Imai

1984年生まれ。暮らしのことを書きます。最近本屋も始めたので、そのことについても書きます。

マガジン

記事一覧

読書会「小さく逃げる日」を開催します。

書店「火星が出ている」として、はじめてのイベントとして読書会を開催することにしました。 読書会としてはちょっとわかりづらい形式でやることにしたので、ここで企画の…

Shunsuke Imai
11日前
24

今井は最近何をやっているのか?

初対面の人に自分の仕事について説明するのが難しい。「なんかいろいろやってます。ははは」といつも気まずい感じで説明している状態がずいぶん長く続いています。 僕から…

Shunsuke Imai
1か月前
23

ホームスクーリングに関する私的見解

日本の不登校の児童数は29万人を超えた。公教育のシステムが現代社会と合わなくなってきているということなのだろう。さまざまな人がさまざまな形で課題を設定し、その解決…

Shunsuke Imai
1か月前
11

本屋「火星が出ている」を始めました。

2024年8月からシェア型本屋「本店・本屋の実験室」の棚を借りて、「火星が出ている」という本屋を始めました。 「本店・本屋の実験室」は、東京都高円寺にある「コクテイ…

Shunsuke Imai
1か月前
25

なりゆきまかせ

近くで見ていると、こどもは不自由な存在だなとつくづく思う。 ゲームに課金できない。嫌いな野菜を食べたらと言われ、行きたくないのに親の行きたいところに連れていかれ…

Shunsuke Imai
6か月前
7

孤独に生きて、地獄に落ちる

相手が何を考えているかがわからない。何を望んでいるのかがわからない。ずっとわからないままで不惑になった。惑わないようにはなったが、わかることはできないままだ。他…

Shunsuke Imai
8か月前
12

「やりたいことをやる」のは教育か。

こどもの意志を尊重する、という言葉について日々考える。 こどもがやりたいと思うことをやるのが一番大事、というのはよく言われている気がするが、その言葉の裏には「た…

Shunsuke Imai
9か月前
4

2024年の抱負は

ない。抱負を覚えていたことがないので、いつしかやめてしまった。「掲げた目標に向かって突き進む」という根本の思想が肌に合わないのだ。 目指すべきところを明確にする…

Shunsuke Imai
9か月前
4

2023年に読んでよかった本

プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン 実績・省察・評価・総括「エヴァを完結させる」という巨大なプロジェクトをどうやって動かしていたかが詳細に記録されている。 プロ…

Shunsuke Imai
9か月前
9

魂を洗練する

純度と洗練バーテンダーがカクテルを作るのをぼんやり見ている。 グラスを手に取る、酒をメジャーカップに注ぐ、氷を選ぶ、シェーカーを振る、グラスに注ぐ。 誰かに見せ…

Shunsuke Imai
1年前
14

フローレンスを退職して兼業主夫になることになりました。

22年9月から5ヶ月ほど休職をして、自身の健康の回復と生活の立て直しを進めていたのですが、諸般の理由により、7年間在籍した認定NPO法人フローレンスを退職することになり…

Shunsuke Imai
1年前
46

今井家の家庭学習の実践について(何を考えてどんな風にやっているか?)

長男レイ(7)が学校に行くのをやめてから1年半弱になる。 この期間「どうやったらレイが家で十分な学びを得ることができるか?」という問いに向き合い、彼と僕とで家で学…

Shunsuke Imai
1年前
22

善く生きるための稽古

バイオリンのレッスンに通い始めて7年くらいたった。 バイオリンといえば、まあかっこいい楽器である。心に響くメロディー、きらびやかな音、繊細なビブラート、指や腕の…

Shunsuke Imai
1年前
13

マネジメントという仕事の楽しみ方、あるいは、パクチーと豚バラ肉の餃子のおいしさについて

 今、所属している組織でマネージャー/管理職を拝命して3年くらいたった気がするのですが(時間間隔が曖昧でうろ覚え)、その間に幾多の試行錯誤を重ねた結果(これもう…

Shunsuke Imai
2年前
49

仕事始めで気が乗らないので、今年のテーマを書くことにした。

会社よりも一足先に仕事始め。でも一向に気がのらないし、なんかキーボード打ちにくいし、ということで、僕の今年のテーマみたいなものについて書こうと思う。 今年は「言…

Shunsuke Imai
3年前
4

【自問自答②】炎上は人格によって引き起こされるわけじゃないのでは問題

「火事と喧嘩は江戸の花」という言葉があるように、江戸は本当に火事が多かったらしい。  関ヶ原の戦い翌年の慶長6年(1601年)から、大政奉還の行なわれた慶応3年(1867…

Shunsuke Imai
5年前
3
読書会「小さく逃げる日」を開催します。

読書会「小さく逃げる日」を開催します。

書店「火星が出ている」として、はじめてのイベントとして読書会を開催することにしました。

読書会としてはちょっとわかりづらい形式でやることにしたので、ここで企画の概要を説明します。

企画概要イベント名

小さく逃げる日

一言でいうと

参加者が好きな本を持ってきて黙々と読書をする、サイレント・ブッククラブ形式の読書会

参加資格

なし。逃げたい人、逃げる経験を積みたい人、誰でもカモン。

もっとみる
今井は最近何をやっているのか?

今井は最近何をやっているのか?

初対面の人に自分の仕事について説明するのが難しい。「なんかいろいろやってます。ははは」といつも気まずい感じで説明している状態がずいぶん長く続いています。

僕から説明する必要もないし、知りたいという需要もなさそうなので、特に困っていません。でも、わかりづらいことで何らかの機会を逃している気もするなあと思ったので、気まぐれに今やっていることを書いてみることにしました。

個人向け生活支援事業生活を楽

もっとみる
ホームスクーリングに関する私的見解

ホームスクーリングに関する私的見解

日本の不登校の児童数は29万人を超えた。公教育のシステムが現代社会と合わなくなってきているということなのだろう。さまざまな人がさまざまな形で課題を設定し、その解決に向けて動いているが、大きなシステムの変更に至るようなものにはなっていない(ように見える)。しばらくは増え続けていくのだろう。

不登校児童の中には、学校に行きたいのに行けない子もいれば、学校に行かないことを自発的に選んだ子もいる。我が家

もっとみる
本屋「火星が出ている」を始めました。

本屋「火星が出ている」を始めました。

2024年8月からシェア型本屋「本店・本屋の実験室」の棚を借りて、「火星が出ている」という本屋を始めました。

「本店・本屋の実験室」は、東京都高円寺にある「コクテイル書房」さんが始めた、新しいタイプのシェア型書店です。

最近増えているシェア型書店。そのほとんどが棚の一段を貸す「箱貸し」モデルですが、本店・本屋の実験室では、一棚丸ごと貸す「棚貸し」モデルになっています(本店・本屋の実験室のコンセ

もっとみる
なりゆきまかせ

なりゆきまかせ

近くで見ていると、こどもは不自由な存在だなとつくづく思う。

ゲームに課金できない。嫌いな野菜を食べたらと言われ、行きたくないのに親の行きたいところに連れていかれる。欲しいものは手に入れられず、食べたいものは食べられず、行きたいところには行けない。僕は、こども時代に戻りたいと思ったことはない。

一方で、僕はこどもの中に自由のようなものを感じているのも事実だ。こどもは大人より自由な存在である、とい

もっとみる
孤独に生きて、地獄に落ちる

孤独に生きて、地獄に落ちる

相手が何を考えているかがわからない。何を望んでいるのかがわからない。ずっとわからないままで不惑になった。惑わないようにはなったが、わかることはできないままだ。他者のことが理解できないようにできているのか、理解しようとする意図がないのか。

僕は後者だろう。「あなたは本質的には他人に興味がない。自分への興味が強すぎる。」と言われたことがある。「確かにそうだな」と思った。「そうかもしれない」と思いたか

もっとみる
「やりたいことをやる」のは教育か。

「やりたいことをやる」のは教育か。

こどもの意志を尊重する、という言葉について日々考える。

こどもがやりたいと思うことをやるのが一番大事、というのはよく言われている気がするが、その言葉の裏には「ただし、親がやっていいと思えるものに限る」というシールがうっすらと貼られている気がして、なんとも気持ち悪い。

うちの子どもたち二人に「やりたいことをやっていいよ」と言ったら、「イエーイ!」と言って、毎日家で好きなだけゲームをやって、You

もっとみる
2024年の抱負は

2024年の抱負は

ない。抱負を覚えていたことがないので、いつしかやめてしまった。「掲げた目標に向かって突き進む」という根本の思想が肌に合わないのだ。

目指すべきところを明確にすると迷わなくなる。迷わないと力を発揮しやすい。ビジネスの現場では基本、というよりも根幹にある考え方で、どんな目標を設定するか、目標をどうデザインするかはマネジメント層の腕の見せ所だ。組織を動かすために理解はしているし、一定以上のことができる

もっとみる
2023年に読んでよかった本

2023年に読んでよかった本

プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン 実績・省察・評価・総括「エヴァを完結させる」という巨大なプロジェクトをどうやって動かしていたかが詳細に記録されている。
プロジェクトの記録としてクオリティが異常に高い(執筆者が元NASA職員というのも異色)。ここまで精度高いものは世界中どこを探しても出回っていないのでは?
この本を読むと、庵野さんはクリエイターとしての能力だけでなく、リーダー、経営者としても能

もっとみる
魂を洗練する

魂を洗練する

純度と洗練バーテンダーがカクテルを作るのをぼんやり見ている。

グラスを手に取る、酒をメジャーカップに注ぐ、氷を選ぶ、シェーカーを振る、グラスに注ぐ。

誰かに見せるパフォーマンスではない。何かメッセージを発信しているわけでもない。カクテルを作るための無駄のない動作の連続。

洗練されている、と思う。

洗練とは何だろう。僕は何をもって洗練されていると感じているのだろう。クラフトジンのソーダ割を飲

もっとみる
フローレンスを退職して兼業主夫になることになりました。

フローレンスを退職して兼業主夫になることになりました。

22年9月から5ヶ月ほど休職をして、自身の健康の回復と生活の立て直しを進めていたのですが、諸般の理由により、7年間在籍した認定NPO法人フローレンスを退職することになりました。残念!

これまでの経緯21年
9月
長男が学校にいかなくなる
家で仕事しながら勉強を見る生活が始まる
10月
部署異動になる

22年
4月
妻が不調で休職する
8月
妻が復職する
自分がうつ病になる
9月
以下の3つの条

もっとみる
今井家の家庭学習の実践について(何を考えてどんな風にやっているか?)

今井家の家庭学習の実践について(何を考えてどんな風にやっているか?)

長男レイ(7)が学校に行くのをやめてから1年半弱になる。

この期間「どうやったらレイが家で十分な学びを得ることができるか?」という問いに向き合い、彼と僕とで家で学ぶための環境を作るために試行錯誤を重ねてきた(ちなみに、「どうやったらレイが学校に戻れるか?」という問いはかなり早い段階で捨てている)。

結果として、教える側と教わる側でこんな感じでやるのがいいんじゃない?という型というか、過ごし方の

もっとみる
善く生きるための稽古

善く生きるための稽古

バイオリンのレッスンに通い始めて7年くらいたった。

バイオリンといえば、まあかっこいい楽器である。心に響くメロディー、きらびやかな音、繊細なビブラート、指や腕のなめらかな動き。癒やされちゃったり、惚れちゃったり、とにかくいろんな感情を巻き起こしちゃう楽器である。

なので、バイオリンのレッスンとなると、ぽわわーんと「偉大な作曲家の楽曲に対する理解を深めつつ、自身の音楽性を反映させた演奏をする」と

もっとみる
マネジメントという仕事の楽しみ方、あるいは、パクチーと豚バラ肉の餃子のおいしさについて

マネジメントという仕事の楽しみ方、あるいは、パクチーと豚バラ肉の餃子のおいしさについて

 今、所属している組織でマネージャー/管理職を拝命して3年くらいたった気がするのですが(時間間隔が曖昧でうろ覚え)、その間に幾多の試行錯誤を重ねた結果(これもうろ覚え)、マネジメントという仕事をけっこう自分は楽しめているのかも、と感じる機会が増えました。

「一体これはどういう意義のある仕事なのだろうか?」「何が楽しくてこの仕事をやっているのだろうか?」と思っていた当初からするとずいぶん遠くにきた

もっとみる
仕事始めで気が乗らないので、今年のテーマを書くことにした。

仕事始めで気が乗らないので、今年のテーマを書くことにした。

会社よりも一足先に仕事始め。でも一向に気がのらないし、なんかキーボード打ちにくいし、ということで、僕の今年のテーマみたいなものについて書こうと思う。

今年は「言葉にならないもの」をテーマにすることにした。

吉本隆明氏は『言葉の幹と根は沈黙』といった。ウィトゲンシュタインは『語りえぬものについては、沈黙しなければならない』といった。この言葉が指し示すもの、正確にはこの言葉によって存在が示されてい

もっとみる

【自問自答②】炎上は人格によって引き起こされるわけじゃないのでは問題

「火事と喧嘩は江戸の花」という言葉があるように、江戸は本当に火事が多かったらしい。

 関ヶ原の戦い翌年の慶長6年(1601年)から、大政奉還の行なわれた慶応3年(1867年)に至る267年間に、江戸では49回もの大火が発生した。江戸以外の大都市では、同じ267年間で京都が9回、大阪が6回、金沢が3回などであり、比較して江戸の多さが突出しているといえる。
 大火以外の火事も含めれば267年間で17

もっとみる