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仕事始めで気が乗らないので、今年のテーマを書くことにした。

会社よりも一足先に仕事始め。でも一向に気がのらないし、なんかキーボード打ちにくいし、ということで、僕の今年のテーマみたいなものについて書こうと思う。

今年は「言葉にならないもの」をテーマにすることにした。

吉本隆明氏は『言葉の幹と根は沈黙』といった。ウィトゲンシュタインは『語りえぬものについては、沈黙しなければならない』といった。この言葉が指し示すもの、正確にはこの言葉によって存在が示されている「言葉にならないもの」について、今年は考えていきたいと思う。

twitterやinstagramなど、テキストや動画で「伝える」ことが日常的なことになっているで、言葉や映像はもはや武器に近いものになっていると感じている。言葉がうまい人、伝わる映像を作れる人が強い。そうでない人は弱い。

なんだか小学校の教室を彷彿とさせる、この感じ。

好き嫌いで言えば嫌いだが、こうなっている以上仕方ない。小学校のときと同じように、穏やかに、たおやかに、かろやかに無視させて頂き、僕は自分のルールに則って生きていこうと思う。

「そうだよ。ゲームみたいなもんさ。俺には権力欲とか金銭欲とかいうものは殆どない。本当だよ。俺は下らん身勝手な男かもしれないけど、そういうものはびっくりするくらいないんだ。いわば無私無欲の人間だよ。ただ好奇心があるだけなんだ。そして広いタフな世界で自分の力を試してみたいんだ」
「そして理想というようなものも持ちあわせてないんでしょうね?」
「もちろんない」と彼は言った。「人生にはそんなもの必要ないんだ。必要なものは理想ではなく行動規範だ」(村上春樹「ノルウェイの森」)

話を戻そう。

言葉や映像に重きが置かれている、ということは、伝わりやすいことが重視されているということで、もっというと、「言葉や映像で伝えることができる領域」のことが重視されているということになる。でも、僕の興味はその領域の外にあるものにある。

日常生活に訪れるふとした瞬間を切り取りたいと思って、スマホやカメラを構えてみる。でも、きっとこれは写真には収まらないだろうなと思って、撮るのを諦める。そこには写真に撮りたいと思わせたもの、素晴らしいものがあったはずだけど、それは記録には残せない。表現としては外に出ない。だから、すぐ忘れてしまう。思い出すことはできない。でも、たしかにそこにあったのだ。

言葉にならないもの。
記録に残らないもの。
思い出にもならないこと。
数値化できないこと。
弱くて、はかなくて、すぐ消えてしまうもの。
なくなっても気づかないようなもの。
わかりにくいもの。
他人と共有しづらいもの。自分だけのもの。

そういうものについて考えたり、そういうものを大事にすることを実践したりする一年にしたい(もうちょっと息の長いテーマになりそうな予感があるけど、まずは一年。)

手始めに、抱負やら目標やらで自分を縛るのを止めてみた。

改めて考えてみると、僕は何かを達成したくて生きているわけではない。わかりやすい成果を求めているわけではない。成果や目標といった言葉にしやすいものをぶら下げて、自分を鼓舞しながらひっぱりあげていく、というのは、人生というゲームのプレイスタイルの一つだと思うけど、どう考えても僕には合っていない。

外から引っ張り上げなくても大丈夫。自分の内側にあるもの、自分を突き動かすものがあるわけだから、それを信じていけば大丈夫(それも「言葉にならないもの」の一つ)。そういう自分がとにかく自然な状態でいられること、自由でいられるようなスタイルを追求していきたいと思う。

※ちなみに、仕事は別。仕事としてそういうことが必要なのは理解してる。

そんな感じで、今年は「言葉にならないもの」をテーマにいろいろやっていこうと思う。もうちょっと具体的には以下のサブテーマを置いて、悪戦苦闘してみようかなと思っている。

ゆらゆらする

AかBを選択する。何かを決めることはわかりやすさを生み出し、わかりやすさは強さを生み出す。それは仕事としてずっとやってきたけど、でも、本当は弱くてもいいのかも。AでありBであるようなものを選んでもいいのかも。もしかしたら、選ばなくてもいいのかも。量子の重ね合わせみたいな感じで、もっと定まらない、ゆらゆらするようなことをやってもいいのかもと思うのでやってみる。(ちなみに、「迷う」のとは明確に違う。)

やらないことで成果を出す

選択肢の中からやることを決めて、それをやって成果を出す、ということはたくさんやってきたけど、やらないことを決めたり、何かをやらないことで成果を出すという経験をしてこなかった。なので、ちょっとやってみたい。

課題解決しないで状況をよいものに変える

「課題を設定して、その対応策を考える」というのは、ある状況をよりよいものにするために、人類が開発した非常に優れたツールでこれまで何度も助けられてきたけど、もうちょっとお腹いっぱい。課題解決に頼りっきりの自分もそろそろ卒業したい。なので、課題解決によらずに状況をよいものに変えていく、ということをやりたい。

センスを磨く

スキルを磨くのはもういいかなと思い始めてきた。それよりもセンスを磨きたい。論理ではなく、直観にもっと頼りたい。

※センスについてはこの本(名著!!)に書いてあるので読んでほしい。

数学を勉強する

「言葉にならないもの」として、何か新しいものを勉強したいなと思って、最初に思いついたのが数学だった。論理と直観の両方が必要だと思うし、とりあえずやってみる。

ビジネス書を読まない

昨年から継続。いわゆる、自己啓発要素の強いビジネス書みたいなものは読まない。「答え」を簡単に手に入れるようなことはしたくない。もっと自分の感性に頼って、悪戦苦闘したい。人から見ると回り道に見えるのかもしれないけど、それでいい。

というような感じで、今年も一年いろいろやっていこうと思います。正月明けのスタートとしてはよかったかも。

さて、仕事しよ。

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