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恋愛小説を読むと思い出す、最低で最高な恋のお話。
24歳になってすぐの頃に彼と出会った。
同じ部署に異動してきた1つ上の先輩で、すっと背が高く、色白な肌と、ぱっちり二重の大きな目が印象的な。
かっこいい人だった。
新卒1年目だった私と、2年目の彼。
たった1年の差なはずなのに、とてつもない壁を感じたのを鮮明に覚えている。私の何倍も頭が冴えて、数字に強くて、立ち回りも上手だった。
私も彼のように仕事をしたい、できるようになりたいと思った。
す
最近いろんな方に、恋愛の記事を読んでもらえて嬉しい限りです。報われなかった私の大恋愛をちょっと肯定してもらえたような気分。結局なんやかんや、そういう有耶無耶な恋愛続きなのが笑えるけどね。
[log]ひとりぼっちで泣かないで
「はぁ・・・」
部屋にたどり着き、ベッドに身体を投げ出して大きなため息を吐く。
これ以上ないくらいに重大なミスをして、これでもかってくらいに怒られて、挽回するチャンスすら与えられないまま、半ば強制的に帰宅させられた。
悔しいのと情けないのと疲れたので、本当に頭も心もいっぱいいっぱいだった。
カバンの中でスマホが鳴る。
重い身体を起こして画面を見ると、表示されているのは彼の名前。
「・・・
今の私を、きちんと愛してあげたい。
いつからだろうか。
社会人になり、仕事の厳しさや責任を知り、気づけば5年が経っている。
まだまだ若手だと言ってもらえる日もあれば、もうすっかり中堅社員として扱われることも多く、その間で板挟みになることもしばしば。
いつの間に、私はキャリアウーマンになってしまったのか。
中学生の頃、未来の私は23歳で結婚して、25歳を迎える頃にはもう子どもがいると思っていた。
ところが現実は、29歳を目前に控
コロナ禍に生きるということ
いま、猛烈に心がしんどい。新入社員だったあの頃に匹敵するかもしれないレベルで、会社へ行くのが億劫になっている。
なぜか?
新型コロナの影響をもろに受けているからに他ならない。
私が勤める会社は、多分聞けばああ~といわれるくらいの知名度はある。もちろんやりたい仕事ができるから入社を決めたわけなのだが、会社としての大きさと、安定性、給料の良さ、福利厚生の充実度も、大きな入社理由になっている。
キスからはじめよう、
「そろそろ帰るかあ」
「ですね、」
お会計お願いしまーす、と言いながら彼が席を立つ。楽しい時間というのはあっという間で、気づけば終電が近づいていた。飲みなれないワインを飲んで、何だか私もふわふわ。
久しぶりに先輩と2人だけで飲みに行く流れになって、1軒目は居酒屋、2軒目でちょっとおしゃれなワインバーへ入った。周りから見たら付き合ってるように見えるかなあ、なんて浮かれたことを考えたりして。
「先
Kiss the Girl !
「…なんか怒ってる?」
お互い忙しい日が続き、久しぶりに会えたというのに彼の様子がおかしかった。笑ってくれないし、あまり目を見てくれない。せっかく着てきた新しいワンピースにも気づいてもらえなかった。こんなことは初めてで正直戸惑う。離れてる間に気持ちも離れちゃった?なんて嫌な予感も脳裏をよぎる。
「別に、怒ってないよ」
明らかに怒ってるじゃん、って言いたくても言えない。なんだか気まずい雰囲気。
熱い気持ちやめないで
自分の部屋に帰り着くなり、コートとマフラーを脱ぎ捨ててベッドにもぐりこんだ。買ってきたスポーツドリンクのパッケージが、青色で寒さに拍車をかける。一方で、冷えたそれが胃に流れ込む感覚には心地良さすらおぼえ、これは酷い風邪をひいた、と思った。視界がぐるぐる回るような頭痛と、酷い寒気と節々の痛み。口の中が乾いて気持ちが悪い。何か手を打たないと、とぼんやりわかっていても、身体が言うことをきかない。だるさ
もっとみる[log] 7月7日のお話
七夕だから、星でも見に行こうよ。
そう言って彼は私を誘った。
いわゆる"友達以上恋人未満"ってやつで、さらに言えば、トップアイドルの彼と、しがない一般人の私。
もし週刊誌に撮られても、彼にしてみれば、十分に釈明できる関係が保たれていた。
カーステレオが静かに、アコギの澄んだ音を響かせている。
運転席に座る彼の横顔は、いつもと変わらない。
私は、彼を好いていた。