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飲めない私の飲み会論

「1年前のお酒飲めなかった私へ。1年後には自らすすんで飲み会行くようになるから安心してね。」

というツイートをしたのが、今から1年半ほど前の話になる。

私は元々お酒に弱い。自らすすんで飲み会に行くようになった社会人3年目・25歳の今でも、ビールや強いお酒は苦手。人が3杯飲み干す間に私はまだ1杯目、みたいなスローペースでしか飲めない。まあ、全くの下戸である母親と、別に強くはないけど鍛えられて飲めるようになったタイプの父親の間に生まれたのだから飲めなくて当然かもしれない。(なお祖父母の代は地域の酒屋をやっていた。その血も継いでおきたかったものである。)

書き出しのツイートの話に戻るが、「1年前のお酒飲めなかった私」というのは、新入社員時代の私を指している。社会人になったらお酒飲めないとやばいのかな~という漠然とした不安を抱えながら入社した当時、残念ながらその不安は的中。弊社、取引先含めた20人~30人単位での飲み会を毎月開催していて、なおかつ新入社員が幹事を任される風習があった。大学時代にそういう経験を沢山しておけばよかったのだけど、生真面目な片田舎の大学生だったので、飲みサーに入るでもなく、呼ばれた飲み会でも大して飲むことも飲まされることもなく、幹事なんて気心知れたメンバーの中でしか務めたことのなかった私にとって、それはそれは地獄のような会だった。

きっと同じような経験ある人、いるのでは?

でも、翌年の私は「自らすすんで飲み会行くようになる」。

初めは本当に嫌だった。自分が飲めないからお酌するタイミングも、次のお酒頼むタイミングもわからないし、自分は酔えないから楽しくないし、飲めないのもなんか申し訳ないし、酔っぱらった先輩が私の悪口言ってるのが聞こえてきたこともあったし、とにかく嫌だった。

でも、嫌なことを我慢してやっているうちに気づいたことは、諸先輩方、わたしのことは大して気にしていない、ということ。

グラスを空にしてしまっても、会費の回収に手間取ってしまっても、ありがたいことに怒鳴られることはなかったし、むしろ酔っているので基本上機嫌。そうか、この人たちはお酒があれば楽しいのね。飲めない私にはちょっと理解しづらい感覚だったけど、それが少しづつわかってきた。

そしたら少しだけ気が楽になって、飲み会で「動かなきゃ!」という感覚を3割くらい捨てることができた。それからはもう、完全に楽しくなった。

だって、お酒の席ってみんな本音!

一部例外もあるんだろうけど、年齢関係なく、美味しいご飯とお酒を囲んで語り合う場って他にない。ちょっと前まで学生だったペーペーの私にも、仕事はもちろん家族や趣味の話まで、色んな話をしてくれる。そして私の話を聞いてくれる。これってありがたいことだなあって思えた。お酒を通じて沢山の人と話ができた。沢山の人と出会えた。もちろん別れもあった。そして沢山のことを教えてもらった。

新型コロナウイルスが猛威を振るうようになって、もう約半年ほど経つだろうか。緊急事態宣言と共に会社からは飲み会禁止令が発令。毎月恒例だったあの飲み会も立ち消えになってしまった。今年新卒で入ってきた男の子には、歓迎会もしてあげられていない。もちろん、私がお世話になってきた取引先の皆様ともご挨拶する機会がほとんどなかった。彼はお酒が弱いみたいなので、どう思っているかはわからないけど。ちょっとかわいそうになる。

私がお酒の席で得たものは、きっとそこでしか得られなかった。賛否両論あるかもしれないけれど、普段真面目に働く私たちにとってのお酒の席は、自然にコミュニケーションが取れるすごく貴重なものだったなと。あのとき仲良くなった皆さんとは、お互いマスク姿で、ソーシャルディスタンスをできるだけ意識して(仲良くなりすぎて忘れがちではあるけど)、また飲みたいね、大変よね、大丈夫?無理しないでね、なんて会話を交わす日々。こんな関係性を築くことができたのはお酒の席のおかげなのに、今はそれができないもどかしさ。

先の見えない状況、不安、不満、いろんな負の感情が巡るけれど、またみんなで他愛もない話ができるその日まで、もう少し辛抱強く生きなければと思います。

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