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高井宏章 雑文帳

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徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
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2019年11月の記事一覧

テーブルゲームは教育インフラだ 「コミュ力」強化編

テーブルゲームは教育インフラだ 「コミュ力」強化編

お待たせしました。ご好評をいただいております「テーブルゲームを楽しく教育に活用してしまえ」シリーズ、今回はコミュ力が付く(かもしれない)ゲームをご紹介する。
「ドイツゲームとはなんぞや」という能書き付きの「入門編」と、「期待値とトレードオフ」という渡世の必須科目を学べるサイコロゲームをとりあげた続編、それぞれリンクを置いておく。未読でしたら、ぜひ。

なーんてリンク貼ったって、どうせ読まない人は読

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バックシートの記憶

バックシートの記憶

「ずいぶん静かだな」
男がバックミラーを覗くと、娘たちは3人ともすやすやと眠っていた。ほんの少し前まで、スマートフォンでポップスを流して合唱していたのに、今は肩を寄せ合う小鳥のようにもたれ合っている。来年には末っ子も中学生だが、寝顔は3人とも小さな子どものようだ。助手席の妻も窓に頭をあずけて眠っている。男は交通情報を流すカーラジオの音量を少し絞った。

イギリスの高速道路の流れは速い。ディーゼルの

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何度も再読するだろう、「岩田さん」の珠玉の言葉たち

何度も再読するだろう、「岩田さん」の珠玉の言葉たち

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に11月18日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

55歳の若さで亡くなった元任天堂社長、岩田聡氏のインタビューや語録を収集・再構成した本書は、すでに関係各方面から絶賛されている。
私にとっても、現時点で「今年のベストスリー」入り必至のヒットだ。おそらく今後、何度も読み返して、「オールタイムベスト20」の一角を占めることとなるだろ

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人生初の数学的ユーレカ体験

人生初の数学的ユーレカ体験

今朝、ツイッターにこんなのが流れてきた。

画像だけ再アップ。

コレをみて、子供時代の「ユーレカ!」体験を思い出したので備忘録的にシェア。
九九を覚えた頃、確か兄貴に、こんなのを習った。

1から7までに9を足して並べる。
コレに、九九の9の段の数字をかける。
すると、その段の数字がズラッと並ぶ!
という技(?)だった。
例えば、7の段の答え、63をかける。

すると、こうなる。

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床屋は無口な ひとがいい

床屋は無口な ひとがいい

最近、月に一度、ちゃんとした床屋さんに行っている。この投稿に書いたように、「髪型、大事やん!」と認識を改めたからだ。

千円カットからコストは爆上げしたけど、満足度対比では良い選択と感じている。
通っているのはこちらのお店。通勤途中にちょいと寄れるのが有難い。

ちなみにこちらがGoogleのレビュー。星4.7ってすごいな。

アクセス以外に、私がとても有難いと思っているのは、上のレビューでも書い

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コレデオシマイ 『人間臨終図巻』超入門編

コレデオシマイ 『人間臨終図巻』超入門編

本投稿は、未練の塊である。
何の未練かと言えば、高井さんの「この投稿、もっと読んでもらいたい」という未練である。

いくら山田風太郎の『人間臨終図巻』が素晴らしい名著でも、3万字も費やして紹介するのは無理があった。反省しています。

ついてはここに、超入門編として「ダイジェストのダイジェスト」というヤケクソな投稿を用意し、「偉人・変人の最期の言葉」からキャッチ―なものをピックアップしてみた。興味が

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人当たりの良い天才の孤独

人当たりの良い天才の孤独

この投稿で、コルクの佐渡島さんがエムグラムいうのをやっていたので、軽い気持ちで真似してみたら、結構ショックを受けてしまった。

100個くらいの質問にバーっと答えると性格判断してくれて「トリセツ」としてアウトプットしてくれるというモノで、結果は以下の通り。

ふむ。
天才的肌、という日本語はないだろう、とツッコミたい気持ちを抑えて、ページをめくって詳細を見る前にやはり突っ込んでおこう。これでは「神

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高井宏章のnoteガイド(無料ですよ)

高井宏章のnoteガイド(無料ですよ)

読んで損はなし!殿堂入り投稿(自称)

こちらのマガジンには基本、「スキが200以上」というヒット作だけ集めてあります。

以下、「スキ」が多い順にいくつかご紹介。

名刺代わりの1本。まずはご一読を。

高井さんにしては珍しくツイッターでバズった、ええ話。

紹介した理系本、たくさん読んでもらってます。うれしい。

2022年9月に亡くなった父の思い出です。

48話の大河ドラマを6日でイッキ見

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続・テーブルゲームは教育インフラだ

続・テーブルゲームは教育インフラだ

「家族で楽しみながらテーブルゲームを教育に活用してしまえ」という投稿が大変好評でしたので、続編をさっそく。
未読の方&能書き部分のおさらいは、こちらから。

まだあと数回書けるネタがあります。
私、お調子者なので、みなさん「スキ」とか拡散で高井さんを調子に乗せてください(笑)

メチャクチャ駆け足でまとめると、対人ボードゲームの効用は、

1 対人の駆け引き
2 トレードオフへの対処
3 「良き敗

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「のど自慢」という天国に一番近い島

「のど自慢」という天国に一番近い島

子どものころから、NHKの「のど自慢」を見るのが、けっこう好きだ。
なぜかは、よく分からなかった。
というか、深く考えたことがなかった。
なのだが、今日、長女との会話で、その答えに思い当たった。

「のど自慢」は、精神安定剤なのだ。

こんなコンテンツは、なかなかない。
今日はまたなぜか東京横断ツアー状態で小一時間かかるので、考察をまとめてみたい。車内投稿シリーズ第9弾(のはず)です。

まず、悟

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「適当な命名」も悪くない

「適当な命名」も悪くない

子どものころ、何度か親にこう言われたことがある。

「お前の名前は、適当に付けた」

ちなみに「高井浩章」はペンネームだが、本名と一字違いで、下の名前の読みは同じ。Kindleで「おカネの教室」を個人出版するときに、 「一文字だけ変えとくか」と「ひろ」の変換候補から適当に選んだ。

「女の子の名前しか考えてなかった」「お前は橋の下で拾った」という、(一部の)昭和の子どもが言われた定番フレーズもよく

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「ゴッドファーザー」の華麗な生涯 『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』

「ゴッドファーザー」の華麗な生涯 『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に10月28日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

高度な数学を金融分野に活用する専門家を「クオンツ」と呼ぶ。本書はその開祖とも言うべき「クオンツのゴッドファーザー」、エド・ソープの自叙伝だ。

『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』ダイヤモンド社
エドワード・O・ソープ/著 望月衛/翻訳

経済記者の私を含め、「その筋」の

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テーブルゲームは教育インフラだ 入門編

テーブルゲームは教育インフラだ 入門編

「ドイツゲーム」という言葉をご存知だろうか。
「知ってる人は知っている」みたいな典型で、飲み会などで話題にしても、10人中8人くらいは「は? なにそれ?」という反応が返ってくる。

手軽さ+「人間対人間」の面白さ例によってWikipediaより。

ドイツのボードゲームとは、広義にはドイツで作られるボードゲームを指すが、狭義には1990年代中盤から現在までに発売され、世界的な人気を獲得した独特のテ

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残る本と消える本 Amazonレビュー100件達成で思うこと

残る本と消える本 Amazonレビュー100件達成で思うこと

拙著「おカネの教室」のAmazonレビューが11月1日に100件になった。
2018年3月の発売から1年半ちょい。「読者がジワジワ広がっているなぁ」という手ごたえを感じられて、とても嬉しい。
皆さま、ご愛読ありがとうございます。
節目の良い機会なので、最近よく考えることを書き残しておきたい。
「残る本」というテーマである。

「サクラ」はございません先に手短に「おカネの教室」のレビューについて。

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