二十代、私は木に輪廻転生している聖者が多く居るだろうと信じてきたので、たしかな木に触れては上空の枝を見あげてきた。三十代、足裏を耳にして、根から情報を得るようになった。つまりは下を向くようになった。四十代、私は木の内側から木を觀るようになり、ついに私が木であったことに氣がついた。
住民票がある自治体から、特定健診のお知らせが来ました。そうだった、四十代からだった〜!!内容的には大学の頃に学校でやった健康診断とそう変わらない感じみたいですね、身体測定とか。受けておいて損はないよなあと思いつつ、そのためだけに東京へ行くわけにはいかないので、今年度は受けません。
母としての役割と、あるいは娘としての役割と、仕事と、あとは妻として、嫁としての役割と、それで全部だったような、ここ十年ほどの私の時間を、少しずつ、私自身のための時間へと取り戻していく。私は私のために私を生きる、みたいな感じ。今の私は何だってできる。何にだってなれる。そう思える。