わたしたちの結婚

結婚して、5年。旦那は婿養子である。
「改姓(かいせい)」
結婚して「姓字(みよじ)が変わる」ヘンチクリンさを、我が家の場合、わたしではなく旦那が味わった。
「嫁ぐって感じが、ヒシヒシとした」「実家とは他人。戸籍上は他人になるのよ」嫁入りし、今の姓になった友人達が口を揃える。
「そういう感覚だったの?忠明(ただあき)さんも」
ある日、わたしは聞いてみた。
「何で?同じ<かとう>じゃんか。余りなかっ

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らりほぉ~っ♪
3

インスタントコーヒー

なぜ私達は、全ての苦しみ歪み不公平を、一人きりで背負わなければならないのかしら。

「インスタントコーヒーの方が好きなんて、可哀想。」

 そう、私にはドリップコーヒーの美味しさが分からない。小さい頃から飲み慣れている、インスタントコーヒーが大好き。

 そんな私を、可哀想、と言った。インスタントコーヒーが好きな人間に育てた、その人が言った。

 そう言うなら、ドリップコーヒーの美味しさを教えてよ

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すあまちゃんと遊ぼう

※フィクション、ファンタジーとしてお読み下さい。本記事は性描写を含みます。

すあまちゃんというのは私の愛人の性器の愛称である。もちろん本人には伝えていない、初めて見た時の感想をそのまま愛称にしたのだ。

「する?」

自分でもおかしいと思うけど、彼とセックスするときは毎回聞いてしまう。合意ってのは大事だと思うし。

「しますかね」 

私から彼の薄い唇に口づけする。でも舌を入れてくるのは毎回彼だ

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やったー!
15

ジンジン(仁々)家族

目が覚めた。良く分からない。周りが白い。病院にいるようだ。

拡大化された夫の顔が、笑顔で迎えた。「おめでとう、仁子(としこ)」(・・・あっ)赤ん坊の声が、横からする。「ああ、、、ありがとう」「コイツさ、そっくりだぜ、俺に」深い笑窪でご機嫌だ。未だ半分疲れてえいるが、段々記憶が戻って来る。遂にママ。母親にわたしもなったのだ。

結婚して五年半。とて、我々は若い。共に25歳である。20歳(はたち)一

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らりほぉ~っ♪
1

夏夜の夢。

忘れたいのに、
目に焼き付いて離れないんだろな。
オレンジ色に光る炎が
パチッと音を立てて跳ねる。

赤い金魚と
切れた鼻緒。
赤く擦れた爪先が
まだ未練があるみたいに
ゆっくり止まる。
振り返る。
けど、君はいない。

遠くから見上げる花火は
建物のせいで見えなくて
ただ遠く、空が赤く染まる。
後ろから聞こえる歓声は
どこか、違う世界のようで。
揺れる。揺れる。揺れていく。
沈んでいく。
帰らな

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スキ伝わりました♡
2

あの人を愛した夏が、また、来た。

あの人は、涼しそうな顔で
ごめんって言った。

俺のことを見てるようで
何も見てない目だった。

それでも、俺は
どうしようもなくあの人に魅せられていた。

爪先を彩る青いマニキュア。
ぽちゃん、と音を立てて
海に溶けていきそうで
思わず腕を掴んだら
こちらを見つめたあの人は
どうしたの?ってきょとんて首を傾げた。

傾いた首。

青い夏。

白く風に揺れるワンピース。

すべてが作り物のようで

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すきすきすきー♡
3

無免許運転

ある人は、その乗り物に付いているクレーンを使って物を投げ飛ばした。

ある人は、同じクレーンで自分の所有する乗り物の本体を故意に傷つけた。

またある人は、その乗り物に搭載されているスピーカーを用いて他人に暴言を浴びせた。

そして、またある人は乗り物に乗ったまま、ビルの屋上から落下した。

「だって、幼い頃から今日まで、誰も教えてくれなかった。もはや周りにいた大人も、操縦の仕方を知らなかったのか

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