【感想】坂口安吾と「知性」(風博士の哄笑を求めて)
「堕ちよ。生きろ」と坂口安吾が叱咤激励したのは何故だろうか。
敗戦後の昭和21年4月発行の雑誌に『堕落論』は掲載された。
『堕落論』の要諦は「堕ちよ」にあるのではなく、人間は「堕ちきる」ことなど出来ないだろうという安吾からの挑発にある。つまり煽りだ。
安吾は文学史的には太宰治や織田作之助らと共に「無頼派」と称されている。
そのため「堕落」と「無頼」とが混同されて、守旧的な常識の殻を抜け出して「自由」に生きることを慫慂しているかのように誤解されてしまいがちである。
しか