脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて…

脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて慢性化してます。その割に長生きしているのは「生きづら」くても「生きる」ことに固執しているからなのかもしれません。文学、哲学、音楽、映画を好みます。素人の戯れ言を超主観的に書きます。

最近の記事

【散文詩】ふりだし

築けども流される砂の顔が 復元を拒むのは警告なのか しかし主体は何処だ 愚劣な奴らの仕草を見抜けるはず 欲に眩む奴らの瞳に映るのは紫の鴉 修羅場の数が嗅ぎ分ける愉悦の閾値 信じた奴ほど寝首を掻くことに泣き言は御法度 こっそりと始末を着ける

    • 【散文詩】逆手に取るのが

      逆手にとる ことばは双面の邪心 夜な夜な裏がえり 笑みを裂く 甘く薄氷の偽善が沈む 同じことばは逆手の詐術 善悪は糾える遮蔽の表裏

      • 【詩】人生無選択

        生きるとか死ぬとか 両極端な天秤の二択は 知らないことばかりを 無理矢理引き摺り出した結論 生かさず潰さずが渡世 俯瞰を信じるのは夢遊病の痙攣する目玉 留まるというか 宙づりの浮遊病 土踏まずが邪魔で 地に足が着かない

        • 【詩】孤影の(仮)勝利

          日和って真ん中に立ったのは 隅っこで生きるタフさからの逃げ口上 知ってるはずの シャッター街の沈黙を振り捨てて 他人のセリフで息継ぎしてるのは 用意周到ないかさま師 背後を取られてお手上げなのは 愛する人のためと逃げ口上 見下し罵るいじめの手法と 若さにまかせた児戯の連射 さっさと確保した退路に駆ける 空しき孤独の勝ち名乗り

        【散文詩】ふりだし

          【詩】草原の朝露に

          草むらの朝露で濡れた背中に はしゃぐのは無垢で惨酷な微笑み 邪気の大切な指を 切るから泣かないで 探す喉を涸らすのは 忘れて欲しい 消して欲しい 大切なのは完全無欠の誰何 風向きと逆に靡くみどり 髪に覗く眼光に射すくめる 殺伐ところがる形状の午睡 組み込まれないふたりの匙加減

          【詩】草原の朝露に

          【詩】いえねこ

          強くたくましく生きぬく野良ねこ リスペクトするよ本当に それでも 窓辺から羨望してる 喧嘩で潰れた片眼は 勲章にもみえる だけど 灼熱の陽射しが焼けつく昼過ぎ三時 凍てつく真冬の深夜二時 それでも逞しく媚びない そうなんだけど 自分を卑下してはいない やさしく撫でられ至上の愛を 内奥から身を委ねる愉楽 それでも看取られないように出て行く末期に やさしく受け入れてくれるのを知っている 窓越しに鼻をつけて「よろしく」「心配するな」と交わす挨拶 集合がかけられ会議が始まる

          【詩】いえねこ

          【自由詩】仕事帰りの路地裏

          背中に吐いた嘘をどうおもう 離れることはできそうもないから 縛って吊るして離さない 倒れ込むベッドに殴りかかり シャワーを浴びて水で覚まされる 現実の朝は昼夜交代の殺伐とした瞬間で 詰め込まれる人の塊に呑まれるきみに おかえりといってらっしゃ~いが 絡みほどけない混沌のザワつくすれ違い 隠れるように歩く いつまでも拭えないぎこちなさは 好悪の相互通行 うさぎの赤い目がきみのよう 頼りない強がりがぼくのよう 背中合わせにシンクロする夜の瓦斯灯

          【自由詩】仕事帰りの路地裏

          【散文詩】黄色いリンパ腺

          白い粒を爪で潰す 時代遅れの狂気の傷 相貌にヤサグレた双眸 抜け出す二次会 契約満了の午前零時 客体のような約束は ショットが理由ではないけれど 紫のためいきと首筋から胸元の紅 黄色いお天道さまに細める ファストフードの朝食が記憶をフックして 淡く銜える細い煙 好きとか嫌いとか 他人事の植物園 潮の香りと絡み合う 鎮まらないのはどちらから 天気予報でもきこえる痙攣

          【散文詩】黄色いリンパ腺

          さようならの夢

          何者でもないきみは 迷走と妄想に足をすくわれて めった刺しで自分を瀕死に追い込み 挙げ句に涙を流す 歯を噛みしめたきみに 世間は容赦なく烙印を圧した 心もからだも沈潜させた 当たり前のこと きみには無関心 前向きに転倒したきみは みとめられてはしゃぎすぎ 堰き止められた虚栄が発破 量子レベルの器から饒舌を招き 昔話で盛り上がるきみはまだ二十八歳

          さようならの夢

          【虚構】文学というものは戯れ

          ◎語学が特異なきみの背中に二人羽織でのっかって、好きでも一心同体になれないことを噛みしめた。 ◎いつも一緒にいるから悔しいことばかり毎日毎夜繰り返す。 ◎孤独だとか独りぼっちだとかで流す血液は何型ですか。血文字で書かないで。 ◎才能とか個性とかありのままとかに縋って夢みるきみは烏合の衆だって知ってる。嫌味な自虐ネタ。 ◎偏差値の意味も知らないから73点と馬鹿にするのが冗談ではなかったと知ってかなり心配ではある。 ◎数学は仕事に役立たないときみの友だちがいってたが勉強

          【虚構】文学というものは戯れ

          【散文詩】白い煙

          滑り落ちる肩紐 不器用に戻す指 手のひらに絡めて落とし直す 思惑はいつでも綺麗ごと 一夜に一針 縫いつけるピンクの管 灯を落とす細い腕 滑らかなピンクバニラ咥えて 切り刻む心は刃よりも 一夜に一針 引き裂く劣等感

          【散文詩】白い煙

          【散文詩】境界線はきみが引く

          国境線ではないけれど 境界線は自分で引く 猜疑の諦念を呑みこんで がむしゃら 有終の滅びが瞑る 口元の慄える流れ 世界が流れる盛血 幸福の境界線は不可視かつ 自己確定の境界は此彼の如く抽象

          【散文詩】境界線はきみが引く

          【散文詩】夢を語らない

          飛び込むのは理不尽な街 夢を叶えるためじゃない ありのままのきみじゃない 本当のぼくを語らない 悪夢のような観葉植物 一隅を照らすフラッシュバック 肯定感などいらない 承認なんかされない 喝采のステージに背を向けて 誰もいない広い海をわたるよ

          【散文詩】夢を語らない

          【散文詩】くり返しくり返し

          消えたかった 消え去ってしまいたかった それだけのことなのに 誰もいない坂道を裸足で駆けた 呼びかける声 遠ざかるだけの それだけのさよならで 世界が終わると思った 天上からの一人称は 孤立が立証する三人称 地続きの無意識を「信じる」 業だけが此岸の接点 応えは自分に委ねる

          【散文詩】くり返しくり返し

          【散文詩】頼りがい

          大きなものに 寄りかかるのは 君が決める事 ひとりで ふたりで どちらにするかは 相談なしの自由意志 死ぬまで変わらない 真面目な目をして よくばりすぎのふたり 逆立ちした価値観は残酷で 同じ趣味からほど遠いふたり 黙って出ていく

          【散文詩】頼りがい

          【散文詩】会いたくない人々に

          被害妄想と強迫観念が薄っすら積もる 冷えきった部屋に軋む塒 曝け出した月のように 淡く煌く命が耐える喫水線 天国も地獄も着地点ではなかった 定住は強者の妄想だ痛感して

          【散文詩】会いたくない人々に