【散文詩】逃げキッス

蔑んだ目で心を刺して

引き摺り出すその手口は

こだわりのない気ままな天使

忘れられない蜜の味

どこまでいっても満たされない

歪んだ心に響かない声

嵌め込み落とす落し穴

やる気のない告白の後に

忘れて欲しいあの日の記憶

好きでもないし

嫌いでもない

ただなんとなく隣にすわる

目を瞑って

瞬き三回分

目を開けたら

何処にもいないはず