脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて…

脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて慢性化してます。その割に長生きしているのは「生きづら」くても「生きる」ことに固執しているからなのかもしれません。文学、哲学、音楽、映画を好みます。素人の戯れ言を超主観的に書きます。

記事一覧

【散文詩】こだわらないで

泥濘むアスファルトの粘着に裸足で挑む 焼け付く足裏の生者はミクロレベルで死屍累々 クワガタに抱きしめられたねこさんは鳴き叫びながらツノ以外は完食 蝉は難無くバリ…

脱臼(outofjoint)
18時間前
3

【散文詩】まんまで

目覚めの挨拶 施錠の確認から追いつく階段 川沿い駅まで歩く 別れてターミナル 背伸びして背中を追う ひとり乗り込む満員電車 思い出す瞬間もないがむしゃらに それ…

9

【現代詩】つべこべ言わずに

愛だの恋だのそんなことではなくて ありのままを抱きしめて 口を開いて舌を出して調整する体温は 露出狂と同じ感性を言い訳と嘘で乗り越える 独りでなければぬいぐるみ…

7

【散文詩】茜棚の咲く庭園

季節が茜にかわる月 暦を指折り 俤を抱く 小さい命を交わし合うのは 蜜の涙の雫に酔う 小舟の抜け殻を俯瞰する瞳 茜に映える夕日の山嶺

1

【散文詩】落とし穴に嵌まれば

明けない夜はない そんなことはない 永遠の夜を信じて進む 辛苦にまみれて 心もからだも壊れ物 毒も吐くし 成功する方法を知る前に チャンスを手にするのも 理由は…

4

【散文詩】宇宙に五臓六腑が浮いてる

心臓は憂うつに俯いて 胃袋は保管庫で腐敗臭 皮一枚で九割九分が決まるなら 卵の殻を剥くように 寝てる間に施術は完了してる あの子のピンチで潰された仏さま返して欲し…

3

【散文詩】転嫁した碧に

君の嫌いな街に 僕はまだ暮らしています 小さな暮らしに 少し満足していた僕と 夢に進む君は離れ離れの景色をみていた 理由はいらない 悔し笑いと嬉し泣き 理屈ばかり…

9

【散文詩】掃き溜めの嘘

感謝じゃなくて 恩返しでもなく ただ、ありがとう 忘れるだろうか憎しみを 悪口と権謀術数で嵌められた最期 断ったのは音信ではなくて未来への希望 恩讐は最接近の感…

4

【散文詩】身ぐるみ盛りすぎて

真夏の不快指数にいらついて 睨みつけるのは小さく弱い 怖がらせて強くなった気分は嘘つき それが君のやり方なんだね 自分探しの最終日に身に付いたのは 空っぽの心と…

6

【散文詩】駆け抜けて一文無し

小僧はわかったつもりで羞恥の沼に できないことを やらないことに変換しても 恥じる気配微塵もなくて 自分自身に嘘つきすぎて やりたいこともゴミ箱に 自由に生きる…

脱臼(outofjoint)
2週間前
22

【散文詩】膿んでジクジクしてる傷口

心が膿んでる通学路に唾を吐く 素手で拭う悪臭が染みつく若草色の疾風 金属バットの響く校庭に汗を弾く肌と蝉の声 熱風がトタン屋根のバトルを煽り 部員の数を急増させ…

脱臼(outofjoint)
2週間前
4

【口語自由詩】即刻撤退

引くに引けぬ 退っ引きない泣き虫に 約束しよう 出ていけと 即刻撤退 怖くて良心を捨てたのか 裏切りの嘲笑に 匍匐後退 クラウゼヴィッツがいったらし 政治の延長…

脱臼(outofjoint)
2週間前
1

【散文詩】右手の習慣

右腕の不死鳥を指先でなぞる 言葉にしたことのない理由 嚙みちぎられた指先を吐き出して バスルームが碧で充たされる 黒目で埋まったきみの瞳に 宿る理性に破滅が奔る…

脱臼(outofjoint)
2週間前
4

ありがとうとさようなら

うつむいたきみの指先に 涙がひとつ落ちてきた ふたりはひとりひとりに 別れてしまう 受け入れることの結末に ふたりでいることの不思議さと はなればなれの必然に 戸惑…

脱臼(outofjoint)
3週間前
5

【散文詩】しゃぼんねこ

瞬間に逸らす炭酸の味 怪訝な瞳が追いすがる 真顔からの破顔一笑 お互いに居場所ができた 近代は個々が重畳して 弾き返される 夕涼みする軒先のねこが シャボン玉のよう…

脱臼(outofjoint)
3週間前
14

【口語自由詩】好きという同情は

憐れみと同情の親切心に切り裂かれた 背を向けて知らんぷりは傲慢な倨傲に似て 恩讐に裏打ちされた醜悪の連鎖で 透明で逆立ちでくねくねした自意識は 思いやりの宛先は…

脱臼(outofjoint)
3週間前
5

【散文詩】こだわらないで

泥濘むアスファルトの粘着に裸足で挑む

焼け付く足裏の生者はミクロレベルで死屍累々

クワガタに抱きしめられたねこさんは鳴き叫びながらツノ以外は完食
蝉は難無くバリバリと野良のように

灼熱は巨大化させる
酷寒は消耗を気にして小さくなる

男はワンピースが嫌いだと呪のように頑なに
狂信者は受け容れないから

風に吹かれるTシャツのラグラン

スイープ嫌いのリクエストはインサイドの「ノンレガート」を

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【散文詩】まんまで

目覚めの挨拶

施錠の確認から追いつく階段

川沿い駅まで歩く

別れてターミナル

背伸びして背中を追う

ひとり乗り込む満員電車

思い出す瞬間もないがむしゃらに

それでも会いたい気持ちがネオンを潜って先走る

【現代詩】つべこべ言わずに

愛だの恋だのそんなことではなくて

ありのままを抱きしめて

口を開いて舌を出して調整する体温は

露出狂と同じ感性を言い訳と嘘で乗り越える

独りでなければぬいぐるみにだって告白する

埋めたい空洞は何処にあるのか

指針はからだが決める

特化した機能はいつでも供給過多のワンコイン

四の五の言わずに命を差し出す

【散文詩】茜棚の咲く庭園

季節が茜にかわる月

暦を指折り

俤を抱く

小さい命を交わし合うのは

蜜の涙の雫に酔う

小舟の抜け殻を俯瞰する瞳

茜に映える夕日の山嶺

【散文詩】落とし穴に嵌まれば

明けない夜はない

そんなことはない

永遠の夜を信じて進む

辛苦にまみれて

心もからだも壊れ物

毒も吐くし

成功する方法を知る前に

チャンスを手にするのも

理由はひとつだけ

死と死の隙間に生きている

宇宙の殆どはなにもない

無に滴らせる一滴の奇蹟

【散文詩】宇宙に五臓六腑が浮いてる

心臓は憂うつに俯いて
胃袋は保管庫で腐敗臭

皮一枚で九割九分が決まるなら
卵の殻を剥くように
寝てる間に施術は完了してる

あの子のピンチで潰された仏さま返して欲しくてさ
白っくて細い中指でくり抜いた真っ直ぐなてっぽう

君の解剖図にはホルモン屋の品書きと同じ名称が掘られて
もしもパリパリの皮が好きなら遠慮なくさ告白してね

お互いに蕩尽するのが約束だからポトラッチの原初に還って遠慮会釈ない永遠

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【散文詩】転嫁した碧に

君の嫌いな街に
僕はまだ暮らしています

小さな暮らしに
少し満足していた僕と

夢に進む君は離れ離れの景色をみていた

理由はいらない
悔し笑いと嬉し泣き

理屈ばかり叫んで
笑いを堪えて
唇に刺さる犬歯

抜かずに裂いた釣針のように

嫌いになった街にも雪が舞い
無駄のない季節が巡り
逡巡しない季節に苛立つ

機嫌の悪さだけで生存圏を左右する

【散文詩】掃き溜めの嘘

感謝じゃなくて

恩返しでもなく

ただ、ありがとう

忘れるだろうか憎しみを
悪口と権謀術数で嵌められた最期

断ったのは音信ではなくて未来への希望

恩讐は最接近の感情

理由は知らないが嘲笑していた
性根の悪さを見抜けない

薄汚い責任転嫁で生き延びるのでしょう
心の醜さは不治の病

【散文詩】身ぐるみ盛りすぎて

真夏の不快指数にいらついて

睨みつけるのは小さく弱い

怖がらせて強くなった気分は嘘つき

それが君のやり方なんだね

自分探しの最終日に身に付いたのは

空っぽの心と鏡の前で練習した唇の挙げ方

怒りといじめの違いを教えてよ

よってたかってか独りで挑むか

傷つけたくなければ

傷つくのか

傷つきたくないから

傷つけるのか

罠に嵌まった河童は

見世物になるしかないのだろうか

【散文詩】駆け抜けて一文無し

小僧はわかったつもりで羞恥の沼に

できないことを

やらないことに変換しても

恥じる気配微塵もなくて

自分自身に嘘つきすぎて

やりたいこともゴミ箱に

自由に生きるはずが

かげぐちだけで満腹の感情

答えを探す無為な日々

自分が歩いていかなければ

好きな人にも巡り合わない

【散文詩】膿んでジクジクしてる傷口

心が膿んでる通学路に唾を吐く

素手で拭う悪臭が染みつく若草色の疾風

金属バットの響く校庭に汗を弾く肌と蝉の声

熱風がトタン屋根のバトルを煽り

部員の数を急増させる

嗚咽で染まる校舎の挙手と

音楽室と図書室が駄々に歪む

ジクジクとじわる職員室

【口語自由詩】即刻撤退

引くに引けぬ

退っ引きない泣き虫に

約束しよう

出ていけと

即刻撤退

怖くて良心を捨てたのか

裏切りの嘲笑に

匍匐後退

クラウゼヴィッツがいったらし

政治の延長って

ならば交渉の余地ありか

それともシュミット支持かい

【散文詩】右手の習慣

右腕の不死鳥を指先でなぞる

言葉にしたことのない理由

嚙みちぎられた指先を吐き出して

バスルームが碧で充たされる

黒目で埋まったきみの瞳に

宿る理性に破滅が奔る

好きとか嫌いが撹拌されて

只々繰り返すだけの午前三時のルーティン

ありがとうとさようなら

うつむいたきみの指先に
涙がひとつ落ちてきた

ふたりはひとりひとりに
別れてしまう
受け入れることの結末に

ふたりでいることの不思議さと
はなればなれの必然に
戸惑う気持ちはかよわない

さようならだけではわからない
こころの揺れる不思議さに

ありがとう
そして
さようなら

繰り返す日々はさようなら
繰り返す日々にありがとう

【散文詩】しゃぼんねこ

瞬間に逸らす炭酸の味
怪訝な瞳が追いすがる

真顔からの破顔一笑
お互いに居場所ができた

近代は個々が重畳して
弾き返される

夕涼みする軒先のねこが
シャボン玉のように高く消えた

【口語自由詩】好きという同情は

憐れみと同情の親切心に切り裂かれた

背を向けて知らんぷりは傲慢な倨傲に似て

恩讐に裏打ちされた醜悪の連鎖で

透明で逆立ちでくねくねした自意識は

思いやりの宛先は自分自身の再帰代名詞

多様性なんて衒いもなしにいえるきみが愛いしているのはいったい誰でしょうか

聞こえないように走りだしたぼくの耳朶に

きみの叫びが鉄橋の轟音に融けた