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クレオパトラ【読切超短編小説】

世界中が胸を輝かせ、
スクリーンを見つめていた。

長い間、男達の期待、夢と希望を、
膨らませ続けて来た、
クレオパトラの顔が
長年の研究の末、
明らかになったのだ。

女性達とて、例外ではない。
やはり美しいものを見るのは、
誰にとってもワクワクするものだ。


ついに、スクリーン点灯。

しかし、皆が期待した姿ではなく、
目撃した人々に落胆が走る。
泣き崩れ、
あまりのショックに倒れるものも出た。


「美人の基準は時代によって、
 変化するものだから仕方ないよね。」

よく聞くセリフを口ずさみながら、

目が3つ、鼻が2本、足が3本の
その頃の人類は、
がっかりして帰っていった。

【後書き】

時代が過ぎ去った後の、
もしくは、新しい時代の衝撃。
これを世代の違う人間が、
まともに想像する事は困難です。


初めてカメラを見た人々は、
魂を抜かれると恐れ回った。

大政奉還の時、
ええじゃないかの狂乱状態。

地デジ化が進み、
アナログテレビから、
薄型の超高画質になった
東芝REGZAの衝撃。

福山雅治様の「想」と共に…笑

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