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「自分から捨ててもいい」と言った人②
自由になりたい、しがらみから脱け出したいと思いながらも、やっぱり自分から行動を起こすことはできなかった。もやもや、うじうじしている年月が長くなるにつれ、ただでさえ低い自己評価がどんどん下がっていった。
希望していた職業に就くことはできたけれど、若いころに夢見ていたような職業人にはなれなかった。私が中学生のころ、兄は高校を中退し、その後何年も実家の金で遊びまわっていた。そんな事情から、母は私を大学
全力で応援する潔さ(『空をゆく巨人』)
川内有緒さんの『空をゆく巨人』。
川内さんのお名前は『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で知っていたけれど、著書を読むのははじめて。そして、蔡國強というアーティストについては、この本を読むまでまったく知らなかった。
1957年、中国福建省に生まれた蔡國強は、27歳のときに学生ビザを取得して日本にやってきた。銀座の画廊に通い作品を売り込むが、まったく相手にされず、そんなときに蔡の才能を見出し
自分のあたりまえはほかの人にもあたりまえ?(「作りたい女と食べたい女」)
NHKドラマ「作りたい女と食べたい女」が最終回をむかえた。
いっしょに暮らすことを決め、部屋探しをはじめたけれど、「二人入居可」という条件が、家族や結婚を前提としたカップルに限定されていることが多いと知り、考え込んでしまう野本さんと春日さん。そんな矢先、SNSを介して友だちになった矢子さんにLGBTQ+にフレンドリーな不動産会社を紹介され、これからの暮らしがイメージできる部屋への引っ越しが決まり幸
「食べなさい」という圧(「作りたい女と食べたい女」)
NHKドラマ「作りたい女と食べたい女」。
野本さんと春日さんのマンションに引っ越してきた南雲さん。野本さんは「今度、食事でも」と誘ってみるが、すげなく断られてしまう。あとから事情を聞いてみると、小学生のときのつらい経験で会食恐怖症になってしまったという。それが原因で人間関係がうまくいかなくなって会社を辞めたといこともあり、沈んだ様子。「飲み物だけでもいいんだよ」と野本さんたちに誘われたことで、食べ
家族って…(「作りたい女と食べたい女」)
NHKのドラマ「作りたい女と食べたい女」。現在、Season2が放映されている。
主人公は、料理が趣味だけど小食なため大盛り料理に挑戦できないというジレンマをかかえる野本ユキと、食べることが大好きな春日十々子。二人は同じマンションに住んでいて、一緒に料理を作って食べることで関係を深めていくといったドラマ。
春日さんは封建的な実家や高圧的な父親をきらっている。先日の第17回では、春日さんは父親から