#読書記録
10月の読書感想文:クレイジー・フォー・ラビット/奥田亜希子先生
この本は、秋の夜長に読む本としてはちょうどいい切なさを与えてくれるかもしれない。
窓から流れ込む金木犀の香りと、鈴虫の音色も相まってそんなふうに感じた。
この本は、愛衣という少女の小中高大、そして30代を過ぎてからの日々を切り取った連作短編集だ。
奥田先生の書かれる文章は、あの頃の私達を思い出すぶんには充分なほど丁寧な描写で、友達と歩いた渡り廊下の埃臭さや、プールの塩素の臭いなどが鮮明に蘇っ
6月の読書感想文:Z世代のネオホームレス自らの意思で家に帰らない子どもたち/青柳貴哉先生
この本を読もうと思った経緯
今年のゴールデンウィーク。買い物客で賑わう梅田の商業地に、私はいた。
友人とお出かけをし、カフェで話に花を咲かせていた。周りの客たちも私達と同じように楽しげで、解放感が室内に充満しているようだった。
帰宅する前に、同建物内のお手洗いに行った。
手を洗っていると、他の個室内から話し声が聞こえてきた。最初は分かりづらかったけど、誰かと電話しているようだ。
あー、だる
12月読書感想文:むらさきのスカートの女/今村夏子先生
12月の読書感想文は何を書こうとずっと悩んでいた。
年末やクリスマスにちなんだ本の方がいいのかな?だったり、2022年最後の読書感想文だしどういう本がいいのだろうとう~んう~んと考えていると、もう年末だ。
あれもこれも紹介したい!と候補がたくさんでたなかで、今村夏子先生の「むらさきのスカートの女」を選んだ。
いくつも候補の本が頭に浮かぶなかで、毎回頭にチラチラと姿をみせてくる。
それほど面白かっ
6月読書感想文:私の家/青山七恵先生
家族だけど、分かりあえないこと。
家族だから、分かってほしかったこと。
家族だから、ゆるせなかったこと。
家族だから、ついしてしまったこと。
誰もが、そんな後悔や苦い痛みをもって今日という毎日を過ごしてるんだろう。
『家』を題材にして、親子3代にわたって描かれるストーリー。
ひとつずつ視点が変わり、家にまつわる思いや思い出について話が掘り下げられている。
(※ここからは軽くネタバレが含まれます