藤野可織

芥川賞受賞者と最終学歴⑨

芥川賞受賞者と最終学歴⑨

⑨ 第143回~第162回(2010年~2019年)   第143回(2010上) 『乙女の密告』 赤染晶子→京都外国語大学外国語学部独語学科卒業、北海道大学大学院文学研究科独文学専攻博士課程中退  第144回(2010下) 『きことわ』 朝吹真理子→慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了            『苦役列車』 西村賢太→町田市立中学校卒業  第145回(2011上) 該当作なし  第146回(2011下) 『道化師の蝶』 円城塔→東京大学

スキ
7
私はとても上手に針を刺すことができます――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

私はとても上手に針を刺すことができます――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

 妊娠安定期に入った鳩里鳩子だが、彼女の心配は尽きない。  彼女の信念では、生まれてくる子はあらゆる意味で「完璧」でなければならないのだ。  自然かつ完璧な状態で、すべての「特権」を掌握できる存在……。  そんな彼女が選んだ選択は――。  ※当記事は連載第4回です。第1回から読む方はこちら。  私がそれを申し出たとき、私の産婦人科医はぎくりと肩を震わせる。羊水検査だ。私のつわりはすっかりおさまっている。尿検査でもケトン体は出ていない。すべての数値が正常だ。胎児にも問題は見ら

スキ
28
『文學界』から干されたオレがなぜかまた文芸時評をやっている件について(第一回)

『文學界』から干されたオレがなぜかまた文芸時評をやっている件について(第一回)

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

スキ
98
日記 2021年4月 「弱点は思いようによっては美点だ」としても、弱点は弱点だよ。

日記 2021年4月 「弱点は思いようによっては美点だ」としても、弱点は弱点だよ。

 4月某日  機種変更をした。  携帯ショップを出たら、どしゃぶりの雨だった。  近くの日常雑貨でフタ付きゴミ箱(結構大きい)を買う予定だったのだけれど、今度にするか悩む。  フタ付きゴミ箱の魅力に負けて、折りたたみ傘で雑貨店へ。  外へ出る頃には雨は止んでいた。  右にフタ付きゴミ箱、左に携帯ショップの紙袋という出で立ちで電車に乗る。  ちょっと恥ずかしい。  部屋に戻って、携帯のデータ移行をおこなう。  思ったより簡単にできて、拍子抜けした。  今のスマホはこんなに

スキ
28
今の私には人殺しができない――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

今の私には人殺しができない――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

 妊娠が判明した鳩里鳩子だが、その信条は確固として変わらない。自分より強い者しか殺さない。そんな彼女は、複数の「女性だけ」が殺された事件を「無差別通り魔事件」と報道するニュースに憤る。しかし、その後に訪れた未体験のつわりという悪夢が彼女の心をかき乱し――。  ※当記事は連載第3回です。第1回から読む方はこちら。  吐き気にもいろいろある。二日酔い。風邪。胃腸炎。食中毒。そういうのはただただ最悪だけど、そうでもないのもあって、それは高揚と緊張と集中がぴんと張り詰めたときに感じ

スキ
33
最近読んだ本の話

最近読んだ本の話

 読書が好きなのですが、最近本の話をしていないなあと気になっていました。久しぶりに本の話をします。最近読んだ本の話です。私の説明だけだとなんのこっちゃわからないかもしれないので、Amazonの本の紹介文を添えました。 1、ミシェル・ウエルベック『セロトニン』  内容はこういう感じです ↓ 巨大化企業モンサントを退社し、農業関係の仕事に携わる46歳のフロランは、恋人の日本人女性ユズの秘密をきっかけに“蒸発者”となる。ヒッチコックのヒロインのような女優クレール、図抜けて敏捷

スキ
38
2020年「本がひらく」で話題を呼んだ記事5選を振り返り――韓国ドラマからラッパー評伝、サイコサスペンス小説まで

2020年「本がひらく」で話題を呼んだ記事5選を振り返り――韓国ドラマからラッパー評伝、サイコサスペンス小説まで

 今年一年「本がひらく」をご愛読くださり、本当にありがとうございました! 2020年1月15日にサイトを立ち上げて以降、「何ができるか」「何をやるべきか」を考えて実践しているうちに、あっという間に一年を迎えようしています。  そこで、この一年を振り返る代わりに、「本がひらく」で反響のあった記事のいくつかをここでご紹介します! ①日本でも大注目の韓ドラ! EXOのド・ギョンス(D.O.)が初挑戦した時代劇が話題に  昨年、NHK-BSプレミアムで国内初放送され、今年5月に

スキ
16
○今日は 大前粟生 先生のお誕生日です
おめでとうございます!1128

○今日は 大前粟生 先生のお誕生日です おめでとうございます!1128

※この記事は2018年11月12日に書かれたものです。 大前粟生○回転草の不気味な腐蝕 ■16年(陽申)のあり得ないDNA「龍」年の 02月(鉄寅)のDNA「鳳」の天冲殺月に、 「彼女をバスタブにいれて燃やす」が、 GRANTA JAPAN with 早稲田文学公募プロジェクト最優秀作に 選出されデビュー。 同06月02日(草卯)のDNA「牽」の天冲殺日に、 「ユキの異常な体質または僕はどれほどお金がほしいか」で、 第二回ブックショートアワード受賞。 同10月30日(草酉)

スキ
4
作家藤野可織氏が描く世界(32-50)

作家藤野可織氏が描く世界(32-50)

今週後半入って、自分の気持ちに逆らわず過ごすことにしました。しっかりと寝坊をして、ゆっくりとブランチを楽しみ、洗濯をこなしつつ読書していました。 そうして読み終えたのは芥川賞作家藤野可織氏の作品です。 すぐそばにいる誰かの物語。あたしの前世はおっさんだった(「前世の記憶」)、体が腐らないよう冷蔵庫の中で眠る少女(「れいぞうこ」)、切手占いに夢中で男の子の存在を忘れた女の子たち(「切手占い殺人事件」)、軽蔑する親友からの電話にじっと耳を傾ける私(「時間ある?」)、凶器を持っ

スキ
16
人を「無差別」に殺してはいけない――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

人を「無差別」に殺してはいけない――日常に潜む狂気を描いたサイコサスペンス小説「ここからは出られません」藤野可織

 どこにでもいるような平均的で平凡な女性、鳩里鳩子。そんな彼女にとって唯一健全ならざる習慣は「ときどき殺しをする」ことだった。その手口は欲望のままに行う無差別殺人に見えるが、彼女は堅固たる自分のルールに則って人を殺し続けていた。  そんなある日、彼女の身体に異変が起こり――。  ※当記事は連載第2回です。第1回から読む方はこちら。  夕方に起こった殺人事件で、夜のニュースはもちきりだ。私はソファーで憤慨している。夫は背後の食卓でパソコンを開いている。食洗機のモーターのうなり

スキ
62