【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#3~学校に行く準備ができない~
はじめに
子育ては喜びとともに、時には挑戦も伴います。特に、発達障害を抱える子どもを持つ親御さんにとって、朝の学校準備は日常の課題の一つかもしれません。朝の忙しい時間帯に子どもがなかなか準備を整えないことや、行動や計画を立てることが難しいことは、多くの親が直面する問題です。
ここでは、朝の準備をスムーズにするためのコツをいくつか共有したいと思います。
1.前日に準備をする習慣をつける
子どもが学校に行く準備を全て当日に行うのではなく、前日に持ち物をそろえる習慣を取り入れましょう。例えば、毎晩の晩ご飯後に、子どもと一緒に明日の学校の持ち物をチェックする時間を設けます。リュックに必要な教科書やノート、体育着などを入れ、玄関に置いておきます。また、次の日の服装も前夜に決め、洋服を揃えておくことで、朝に慌てることなく着替える準備ができます。この習慣は、子どもが朝に焦らずに準備をする手助けになります。
2.決まりを作る
ゲームなどに夢中になりがちな子どもに対しては、例えば「宿題や準備が終わってからゲームをする」というルールを設けることが有効です。つまり、子どもが学校から帰ってきて、宿題や学習準備を終えた後に、ゲームをすることが許可されるというルールです。このような決まりは、子どもが自己管理をする助けとなります。子どもが自主的に宿題を片付け、準備を整えるようになり、その後にゲームを楽しむことができるという具体的なルール設定が重要です。
3.親が全てをやらない
子どもが自分でできることは、親が代わりにやるのではなく、子どもにやらせることが重要です。例えば、子どもが学校の準備をする際に、親がリュックの中身を詰めたり、洋服を選んだりするのではなく、子どもに自分で行わせることが大切です。親はそのプロセスで子どもに必要な手助けや指導を行いながら、自己管理のスキルを身につけるサポートを提供します。例えば、子どもにリストを作って持ち物を確認させることができます。このようにして、親は子どもが自己管理を身につけるよう手助けをする役割を果たします。
4.具体的なスケジュールを組む
子どもと一緒に、朝の行動を細かくスケジュール化しましょう。例えば、以下のような具体的なスケジュールを考えてみましょう。
7:00 - 起床
7:05 - 洗顔・歯磨き
7:15 - 服を着替える
7:30 - 朝食を取る
7:45 - リュックや持ち物を確認する
7:50 - 家を出る準備をする
8:00 - 家を出発する
このように、具体的な時刻と行動を示すことで、子どもが朝の行動をスムーズに進めやすくなります。また、このスケジュールを子どもと一緒に作成し、子供が自分の役割や責任を理解するのに役立ちます。
5.睡眠リズムを整える
そもそも、発達障害の子どもは寝つきが悪い、朝の眠りが深いなど、睡眠と目覚めのリズムが一定ではない子が多いようです。そのため、寝る前の環境や習慣に注意を払いましょう。例えば、寝る30分前からはテレビやゲームなどの刺激的な活動を避け、静かな時間を作ります。子どもと一緒に、リラックスできる活動を行うことも良いでしょう。例えば、絵本を読んだり、静かな音楽を聴いたりすることで、心が落ち着いて眠りにつく準備ができます。また、寝室の照明を徐々に暗くすることも効果的です。明かりを暗くして、リラックスした雰囲気を作りましょう。これらの環境や習慣を整えることで、子どもの睡眠リズムを整えることができます。
6.必要な道具を整理する
教科ごとに必要な道具を整理し、準備しやすい状態にしておきましょう。例えば、教科書やノート、筆記用具を教科ごとに一つのボックスファイルにまとめて収納し、机の引き出しに用意しておきます。また、ジッパーつきのファイルを使って、かばんの中も整理整頓します。このように、教科ごとに道具を分類し、整理された状態で用意しておくことで、子どもが学校準備を効率的に行うことができます。
7.睡眠薬の使用を考える
睡眠リズムの乱れが慢性化している場合は、専門家の指導のもとで睡眠薬の使用を検討することもあります。子どもが夜間になかなか眠れず、朝起きることが困難である場合は、専門医に相談してみることが重要です。医師は子どもの状態を評価し、必要に応じてメラトニン製剤などの睡眠薬を処方することがあります。メラトニン製剤は、体内のメラトニンの量を調整し、睡眠リズムを整える助けとなる場合があります。ただし、睡眠薬の使用にはリスクも伴うため、医師の指示に従い、安全に使用することが重要です。
最後に
朝の準備がスムーズに行われるようにするためには、親と子どもが協力し合いながら、習慣やルールを整えていくことが大切です。発達障害を持つ子どもを育てる親御さんの努力と理解が、子どもの成長と日常生活の質を向上させる一助となることでしょう。
前回の記事→#2~衣服のこだわりが激しい~
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