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【読書感想文】橘玲「バカと無知」

こんばんは!
残酷な真実を教えてくれます。小栗義樹です。

本日は水曜日ですので読書感想文を書かせて頂きます!僕が好きな本、最近読んだ本を題材にして、あれこれ好きなことを言う試みです。

本日の題材はコチラ

橘玲「バカと無知」

です。

副題は「人間、この不都合な生きもの」

作家である橘玲さんが、2年半前に書いたヒット作になります。デビューは金融小説ですが、人生論に関する本なども多数執筆しています。僕としては、社会学・経済学・編集などにとても明るいイメージを持っています。

バカと無知は、人生論というか人間とはなんなのか?という命題に挑んだ本だと思います。大雑把な言い方をすると、人間の限界は決まっているという事を前提に、その本質をあらゆる研究結果を用いて説明するという構造です。

めちゃくちゃ面白いですが、一方でちょっと悲しい気持ちにもなります。テンションが低い時に読むことをオススメできません。基本的に、人間という生き物は愚かであるという事を延々と説明されるだけなので、分かるんですけど、未来に希望が持ちにくくなります。

それでも僕が面白いと思えたのは、僕自身の考えが橘さんに近いからなのでしょう。どちらかといえば僕も、人間とは弱くて愚かな生き物であるという考えで物事を判断することが多いからです。

この本では、特に自尊心についてのあらゆることが徹底的に書いてあります。仮説も可能性も研究結果も、自尊心に直結するものが多いです。

自尊心が保たれる=マウントを取る、自尊心が脅かされる=プライドが高い。僕はそんな風に考えて、物事をジャッジする機会が沢山あります。自分が何かしらの商品やサービスを作るとき、この2つの視点は必ず念頭に置いています。要するに、マウント合戦が起きやすい空間を設計し、そこに臆病者を集めたほうがあらゆる展開が簡単になるという考えを持っているんです。匿名のSNSって、こういう座組の中でひたすらに自尊心を煽っていますよね。

だからこそ、この本に書いてあることはとても面白いなと思いましたし、自分も気を付けないとなぁと思いました。

これは僕自身の経験も含まれるのですが、自尊心を保つこと自体はそんなに難しくないなといつも感じます。問題は、自尊心が脅かされそうになる時です。

越谷雑談がやてっくは、いつだって自尊心を脅かされる危険を孕んでいます。匿名のコメント欄に匿名の掲示板が付いていて、おまけに毎日SNSで投稿された記事を発信しています。しかも、毎日何かしらの情報を更新しているわけですから、間違いなどが発生するだけで攻撃される可能性が常にあるわけです。

僕は運が良く、あまり怒りに身を任せることはありません。でも、やっぱり攻撃されたら危険信号が頭の中で鳴り響くものです。自尊心が脅かされているという焦りはつき纏います。「所詮は嫉妬」と今のところはスルー出来ているものの、もっと大掛かりな攻撃を受けたとき、どんな精神状態になるかなんてわかったものではありません。

だからこそ、この本を読んでおいてよかったなと思いました。

いわゆるメカニズム的な部分を知っておくことはとても大切です。知らないと、人は本能に従って行動します。ただでさえ、自分で考えたり、選んだりしなくても良くなってきた昨今、人間の判断力は年々低下しています。流されるがまま、本能に従ってしょうもない行動を起こしてしまう可能性は十分にあります。まさにバカと無知による動物化です。

この本を読んでいると、「僕はまだ人間でいたい」「無知で醜態をさらしたくない」という気持ちが湧いてきます。

勉強して新しいことを知るという行動がとても大切だという事を、この本から教えてもらえたような気がしています。

その上で、そこが人間の限界だと決めつけたくない自分もいます。

一定以上のリテラシーを保ち、貪欲に学ぶ必要があるという姿勢を理解し、お互いに知識や考え方を高めていくことが出来る。そんな社会的なコミュニティが、世の中にはあっても良いと思うんです。

それこそ、メンバーシップやオンラインサロンはそういう場所であるべきだと僕は思っています。一昔前は、それが大学の役割だったのでしょう。条件と制限を設ければ、人は己を制御することが出来る。そんなことを信じながら、僕はメンバーシップを運営しています。

バカと無知は、人間の愚かさを全面的に突き付けられる一冊ですが、同時に、だからこそ可能性を探るべきだというモチベーションに似た前向きさを与えてくれる本でもあります。

書いてある実験、実験から導かれた仮説などは、本当に興味深いものが詰まっています。読むだけで、充実したなと感じることが出来る一冊です。

恐らく古本屋さんに売っていると思います。見つけた方はぜひ読んでみてほしいです。視野が広がる一冊になると思います。

という事で、本日はこの辺で失礼いたします。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
また明日の記事でお会いしましょう!


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