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【読書感想文】髙田旭人「ジャパネットの経営」

こんばんは~~~
堅実な経営・堅実な戦略が好きな男、小栗義樹です!

さて本日は、読書感想文を書こうと思います!
本企画は、僕が過去に読んだ本を題材にして感想文を書くというものです。本感想文を通して、皆様に興味を持ってもらえたら最高だなと思っています!

それでは本日の題材です!

ジャパネットの経営

という本の感想文を書かせて頂きます!

日本人で知らない人はいない。そんなテレビショッピングといえばそう「ジャパネットたかた」です。社長兼プレゼンターだった創業者の髙田明さんの「みてください!このかっこいいボディー!」という言葉は、文字で表しているこの状況でも、しっかり脳内再生されています(笑)

購買意欲を掻き立てる圧倒的なプレゼン力と、あの特徴的で惹きこむような話術は、テレビ全盛の1990年代~2000年初頭まで、そのブームと相まって最強のシナジーを生んでいたと思います。

この本は、そんな髙田明社長からジャパネットたかたを引き継ぎ、父が経営していた時以上の増収を生み出した、髙田明社長の息子、髙田旭人さんが書いた本です。

カリスマワンマン社長が一代で大きくした会社。そこからカリスマワンマンが抜けた時、残された人間はどのように立ち回っていくべきなのか? 集客・方針・戦略・お金の流れ・社内の人間関係などを再構築しなければいけない状況下で、どんなことをやってきたのか? 親の七光りとして捉えられなくもない2代目社長が、どのように信用を勝ち取ってきたのか? こういう事が書いてあります。

感想文を書いている僕がこんな事を言ってはいけないのかもしれませんけど、すでに面白そうだと思いませんか?(笑) 物語でいえば、いき切った人気者から物語を引き継いだ次の主人公が、その物語をどのようにして守ったか?という話が赤裸々に語られているわけです。どんなシリーズでもそうですが、シーズン2は大体滑ります。これは、そんな滑りやすいシーズン2の物語の中でも、滑らなかった側の人間の苦労が綴られている本なのです。

物語のシーズン2としても最高だし、2代目が行う経営ノウハウとしても非常に興味深いわけです。勉強にもなるし、エンタメとしての満足度も高いと思いました。

この本の最大の特徴は、ジャパネットたかたという会社を髙田明というカリスマから、どのようにして切り離すか?という部分が明確に刻み込まれているという点です。いわば脱出系アクションものですね。至るところに工夫があり、とても細部にこだわっていると感じました。

この本はカテゴリーするとすれば、恐らくはビジネス書というジャンルになると思うのですけど、実際に読み進めていくと教科書に分類されるのではないか?と思わざるを得ません。

ビジネス書(特に僕が影響を受けた2016~2018年くらいに出版されたビジネス書)というと、新発見や新しい時代との向き合い方、行動衝動を掻き立てる何かに満ちていました。とにかく派手で熱かったし、何よりそこには刺激があったのです。

ジャパネットの経営はその真逆です。すごく堅実で、当たり前のことを丁寧にやるということがびっしり詰まっています。ビジネス書として読み始めた僕からすると、初回の衝撃は凄まじかったです。「あれ?ビジネス書なのに派手さがない」と思いました。

だんだんと読み進めていくうちに、この本の異常なまでのためになる感に驚きました。この本には基本、報連相・コミュニケーション・自信の持ち方・人の配置の仕方しか載っていません。これだけでもすごい情報量ですけど、従来のビジネス書と比べると情報量は少ないと思います。特筆すべき点はその内容の細かさと深さです。報連相・コミュニケーション・自信の持ち方・人の配置の仕方、これらについてミリ単位で書いてあり、それに付随する様々な有効だが事細かに記されています。

ビジネス書ではなく教科書として面白がると、僕の違和感は消えていき、ストンと腹落ちしていきました。それはこの本が、分野的を絞って細かく説明することに重きを置いているからです。教科書の最大の弱点は、読み返しにあると思います。ノウハウやハウツーが載っているだけの本って、必要な時に辞書のように引くことがメインになっていって、理解が深まると読まなくなりすよね。ジャパネットの経営は、そんな教科書の弱点さえもクリアしています。物語が圧倒的に面白いから、何度読み直しても楽しいわけです。そして、読み返すごとに発見があって、忘れかけていたものや不足していたものを思い出させてくれます。

2代目の経営者、サラリーマンの皆様に強くオススメしたいこの本ですが、とはいえ、興味のある方がいれば上記に該当しない方でも読んでみてほしいです。先ほども申し上げたように、物語として面白いと思います。人間が行うことには、必ず功罪があると思います。この本は、創業者が生み出した功罪の、功績に心底リスペクトを払いながらも、罪の部分、呪いみたいなものを新しい主人公が解放していくという、非常にバランスの取れた作品です。

図書館にあるのか分かりませんが、興味のある方は、お近くの本屋さん、もしくはECサイトから購入してみてください。後悔はしないと思います。

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