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思考の抽出と感情のワーク

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手を動かしながら考えるだけ考え抜く、そんな日常です。
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沈黙を超えた”Linkin Park”と魂の再生

沈黙を超えた”Linkin Park”と魂の再生

7年の時を経て

 LinkinParkが7年の沈黙を破り、復活を遂げた今日、深く複雑な感慨に浸っています。Chesterの死から7年。この歳月は、音楽の持つ力と、人間の魂の深淵について考えさせられる時間でした。私の好きなHYDEさんがSlipknotのDualityを急にライブでカバーした時は異様な興奮を覚えましたが、今年はLinkinParkのGiven upを急にカバーしてくれて、私が一番好

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合理を超えた意思決定と風の強い日 - DIC川村記念美術館の休館から考える

合理を超えた意思決定と風の強い日 - DIC川村記念美術館の休館から考える

 この歌詞好きなんですが、風の強い日の"風"を20年近く"向かい風"のことだと思っていて、唯先日誰かとこの話をした時にその人は"追い風"のことだと思っていたらしく、色んな受け取り方が出来る詩を面白く感じました。(そういえばFunnyBunnyって、私が愛してやまないちいかわのFunnyなうさぎのことか)

なんでこんな話をするのかというと、"向かい風"に合理ではなく非合理で立ち向かうにはどうすれば

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ゴーストの囁きで再定義される自己と環世界のノイズ - 追悼記録

ゴーストの囁きで再定義される自己と環世界のノイズ - 追悼記録

田中敦子さんの訃報と『攻殻機動隊』が提起する哲学的考察

 何度、死に直面しても、人間はまた会えると思っている。恐らく死を正確に捉えられるようになると、恐怖と別れの悲しさに脳が耐えられないのかもしれない。電脳化したらまず死を実感できる状態にしたい。

 田中敦子さんの訃報に接し、深い悲しみとともに、『攻殻機動隊』、そして草薙素子というキャラクターを通じて提示されてきた数々の哲学的な問いが再び頭をよ

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フィルム×AI×環世界の偏愛的行為が生む余白とアウラ

フィルム×AI×環世界の偏愛的行為が生む余白とアウラ

 フィルム写真撮影→DB作成→AI開発→画像生成 のオリジナルモデル構築のお話。(偏愛性が高いのでご共鳴できる方いればコメントください。)

自分がフィルムカメラで撮影した写真だけをデータベースにして、AIで画像を生成する環境づくりが完了しました!感動できる!!ネットの広大な海に流れていない情報。

自分で撮影したフィルム写真がまだ5,000枚程度しかないことと、AIは一旦DALL-Eベースに構築

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AM8:15 祈りを。

AM8:15 祈りを。

 毎年、年末年始や誕生日以上に自分の人生を省みる日です。毎年の思考の変遷を振り返りつつ、79年という月日に想いを馳せます。

 私がnoteを始めたのが2019年なので、デジタルに振り替えられるのはここまで。10歳の頃からと考えると20回は自分の生き方を考え直す日なので、10歳の頃にガザ地区の内戦を報じる新聞をスクラップしていたあの頃から基本的な軸は変わらず。

毎年当時の文献や日記を読み返しては

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環世界と計算機と余白の交差点にある物語

環世界と計算機と余白の交差点にある物語

 最近深く読んだ本を整理しながら、日常において喜怒哀楽色々な感情を行き来する(感情は表出するというよりは自覚するだけ)ことで、自分の中で節目となるタイミングもあり思考が整理されてきたので、半年か1年先の自分に向けた記録を。

「スティグマのない社会を見たい」という目的は変わらないものの、明日死んでも良いように今日を生きる中で明日があるなら、どういう未来に自分がいたいかの解像度が上がってきた。そんな

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ルールが生んだ”失格” cf.「人間失格」

ルールが生んだ”失格” cf.「人間失格」

誰が誰を失格させるのか?

 以前、yohaku Co., Ltd. のnoteで「人間失格」を取り上げたので、私も改めて本を読み直していて一体「失格」とは何なのかを考えています。時代によってその基準も規定されるような気がしつつ、スポーツで「失格」という言葉を聞くのはルールメイクがあるからで、倫理と道徳と規範の違いについても考えていたのでその記録を。

太宰は小学生の頃から読み続けていますが、自分

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“傲慢と善良“世の中で見えている見方は、まだまだ最終的でないものだと思いたい。

“傲慢と善良“世の中で見えている見方は、まだまだ最終的でないものだと思いたい。

 ここ最近の小説で、朝井リョウさんの「正欲」と同じくらい偏愛に刺さった辻村深月さんの「傲慢と善良」。他者の感想とだいぶ違ったのでその点も来年くらいの自分のために押さえておきたく。

以前綴った記録から結局詳細を書いていなかったのですが、偶々yohaku Co., Ltd.のnoteで取り上げる機会があり、深く掘り下げられたのでこちらを記録として。

 自分の傲慢さを自覚しながら意図的な緩慢さをつく

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ネガとポジの往来をしながら

ネガとポジの往来をしながら

 カメラのフィルムにはネガがある一方でポジもあり。ソールライター然り様々な展示で見てきたポジフィルムの展示の美しさ。そんな憧れのポジ(リバーサルフィルム)というものを初めて試せたので記録へ。

反骨心がありながらも、利他的な人で、相対的な成功をしていなくても、絶対的な挫折を経験している人間こそ愛したい。そう考えた時に、一貫性のある表現者であり続けた山口小夜子さんの展示にポジを使いたく足を運びました

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余白で社会の裂け目を埋める - 300人の非行少年少女を救う「ばっちゃん」の生き様

余白で社会の裂け目を埋める - 300人の非行少年少女を救う「ばっちゃん」の生き様

ばっちゃんとその教訓

 NHKの2017年の番組「時をかけるテレビ」の「ばっちゃん〜子どもたちが立ち直る居場所〜」を観て、教育格差や生まれの格差という言葉を日々耳にする中で、その個別複雑なそれぞれの状況はどれほど多面的であるか、そしてそれを知る度に自分に何ができるのかを考えています。非行に走る子どもたちが立ち直る居場所を提供する「ばっちゃん」の存在を描いたこの番組は、親の育児放棄、家庭内暴力など

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資本と合理の傲慢さの中で余白をつくる” \n “

資本と合理の傲慢さの中で余白をつくる” \n “

 大切な人と明日も同じように会えるとは思わずに、明日も大切な人と自分の為に生きられるか分からないことに気づき続ける為に大切な余白を。道端で困っている人に声をかけられる余白を。そんなことを考えながら。

 (追記)yohakuの公式noteも始めました。

 ここ数年、「余白」という言葉を自分の中で再定義し続けてきました。ビジネスの前線で生きていると、仕事や他人軸でしか承認欲求や自己実現を満たせない

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傲慢と善良と余白

傲慢と善良と余白

#傲慢と善良  が偏愛に刺さった。

 "結婚"という得意ではない(色々とすっ飛ばすと固定されすぎた社会的価値観に違和感が強い)テーマが続いたけれど、傲慢さと緩慢さ、そして善良を日々感じているなかで、それらに意識的になった瞬間の感情をデータに残すのは、石や木に自分の存在を刻み込んでおきたいという感覚に近い。

 読みたい本だけ持って、1人でキャンプしながら、明るい時間の殆どは川の写真を撮りながら、気

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猫、剥げかけ。小説の為に写真を撮りたくなった日。

猫、剥げかけ。小説の為に写真を撮りたくなった日。

 ストーリーセラーを読んで。少しでも興味深い人には大抵おすすめの本を聞く中で、普段は専門書や哲学書、古典を勧めていただくことが多い中で久々に小説を読みました。

 写真は記憶に栞を挟む行為であり、今の自分の感性の確認であり、環世界を質量に残しておきたい、唯それだけですが、素敵な文章に出会うとそれに合う写真を撮りたいと、そう思えたので記録しておきます。(今日の感覚を、将来の自分に覚えていて欲しい)

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What time is it. What is “Time”.

What time is it. What is “Time”.

 ホロコーストを知る裏側で、日本軍の歴史も紐解きながら、人がなぜ偏った思考に突き進むのかを振り返ることができたホーツーニェンのアート。テーマは”What is Time”

 考えておいたことのエクリチュール。

 連続的な時間の流れの中で、私たちは無数の非連続的な瞬間に出会う。その一瞬一瞬の間に広がる「余白」こそが、言葉では捉えきれない存在の本質を感じ取る場となるのかもしれない。

 写真という

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