MasatoFunabashi

雑文を気の向いた時に書きます。

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記事一覧

幸福ってなんだろう?

はじめに直近で下記の本を読んでいた。 内容は、幸せとかいうよくわからん曖昧な概念を西洋の哲学者の言論を紐解いて、幸福論という形で定義しようというもの。 著者の長…

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広井良典「人口減少社会のデザイン」を通読して:政治に興味ない人こそ読んでほしいかもしれない本

一般常識としてご存知の方が多いかもしれないが、日本政府の債務残高ないし借金は1200兆円を超えている(2022年段階)。これは国内総生産(GDP)の約2倍以上という気が遠く…

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実家

実家についてあまり考えたことがなかった。 僕にとっては、あまりいい思い出がある場所ではなかった。 だから、なくなった時にどういう気持ちになるかがわからなかった。 …

忘却

繰り返し説明が必要になる。 わかっているからなるべく優しく努めて説明してあげる。 元の性格なのだろう、洗剤や料理をする時の水の量などはアバウトだ。 だから一緒にや…

離別

そのぬくもりが、かすかに感触として残る。 温かなその手のひらの感覚が残っているのだ。 そして、そのお腹に触れて、顔を見るのだ。 安らかだった。そう思う。 そのぬ…

京極夏彦「姑獲鳥の夏」を再読して

読む隕石。 京極夏彦の代表作である百鬼夜行シリーズの文庫新カバー版が出た時の帯コピーだ。同シリーズ一作目で、氏のデビュー作でもある姑獲鳥の夏を読み返す機会があり…

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好きなものと視点の話。

この文章の本題は「好きなもの」を見るときの「視点」の大切さについて。 僕は映画と音楽と小説とゲームなど、広く浅く色々なものが好きです。 自分ではやりませんがスポ…

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幸福ってなんだろう?

幸福ってなんだろう?

はじめに直近で下記の本を読んでいた。

内容は、幸せとかいうよくわからん曖昧な概念を西洋の哲学者の言論を紐解いて、幸福論という形で定義しようというもの。
著者の長谷川宏氏も論じるには難しいテーマと認識していたようだ。

一節だけ本から内容を引っ張ってくると、
古代ギリシャで、賢者ソロンがリュディア(現トルコあたり)のクロイソス王に「そなたが出会った、もっとも幸福なものはだれか?」
というちょっと意

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広井良典「人口減少社会のデザイン」を通読して:政治に興味ない人こそ読んでほしいかもしれない本

広井良典「人口減少社会のデザイン」を通読して:政治に興味ない人こそ読んでほしいかもしれない本

一般常識としてご存知の方が多いかもしれないが、日本政府の債務残高ないし借金は1200兆円を超えている(2022年段階)。これは国内総生産(GDP)の約2倍以上という気が遠くなりそうな額である。

そして、僕が寡聞にして知らないだけかもしれないが、現代の政治家がその点に具体的な対策を打ち出している例を聞いたことがない。乱暴に言うと、手がつけられないから後回しにしようぜ的な感じに見えるよね。
庶民的な

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実家

実家

実家についてあまり考えたことがなかった。

僕にとっては、あまりいい思い出がある場所ではなかった。
だから、なくなった時にどういう気持ちになるかがわからなかった。

持ち家でもないし、別に居心地もよくなかったし。

でも、人が減っていって。
ものがなくなっていって。

がらんどうになった姿を見て、ああ、もう帰る場所がないんだなって。
それで実家がなくなる意味がわかった。

何かがあった時に、迎え入

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忘却

忘却

繰り返し説明が必要になる。
わかっているからなるべく優しく努めて説明してあげる。
元の性格なのだろう、洗剤や料理をする時の水の量などはアバウトだ。
だから一緒にやろうね、と言って、でも、自分はいつも、つきっきりになれるわけじゃない。それで、やっぱり失敗してしまう。

だから何回も説明してあげる。
忘れるから何も言わないで、やらせない、というのは間違っていると思ったから。真摯に向き合いたかった。

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離別

離別

そのぬくもりが、かすかに感触として残る。

温かなその手のひらの感覚が残っているのだ。

そして、そのお腹に触れて、顔を見るのだ。

安らかだった。そう思う。

そのぬくもりを、まだ自分の手のひらが憶えている。

その表情を、好きな野球の話をしながら、文句など言いながら、

足を揉んであげて気持ちいいと言ってくれたことを憶えている。

いい関係だったと思う。

長く一緒にいることができて、自分は幸

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京極夏彦「姑獲鳥の夏」を再読して

京極夏彦「姑獲鳥の夏」を再読して

読む隕石。

京極夏彦の代表作である百鬼夜行シリーズの文庫新カバー版が出た時の帯コピーだ。同シリーズ一作目で、氏のデビュー作でもある姑獲鳥の夏を読み返す機会があり、その時にこのコピーをふと思い出した。

同シリーズは妖怪を題材としたミステリ小説なのだが、どれもページ数が非常に多く、科学や民俗学、宗教などの知識がふんだんに散りばめられているため、隕石とはその情報量の多さの比喩だと考えていた。
しかし

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好きなものと視点の話。

好きなものと視点の話。

この文章の本題は「好きなもの」を見るときの「視点」の大切さについて。

僕は映画と音楽と小説とゲームなど、広く浅く色々なものが好きです。
自分ではやりませんがスポーツも好きだし、お笑いも好きです。

で、色々見ていると、考えることがあります。

あ!これはあんまり好きじゃない!と感じるものが。
好みにストライクではまらないものが。

世の中、これだけコンテンツがあふれかえっていれば、そりゃあります

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