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森井の鑑賞記録 2022年9〜10月
【9月24日 トレヴァー・ピノック指揮 紀尾井ホール室内管弦楽団 第132回定期演奏会】
牧歌的なワーグナー、ドラマチックなショパン(15歳のソリスト!)、包容力のあるシューベルトというプログラム。ピノックの伸びやかな指揮が導き出す円やかな弦に陶然となった。ピノックの姿をこの目で見られてよかった。
【9月24日 青柳いづみこ CD・書籍刊行記念コンサート ハクジュホール】
新刊『ヴィンテージ
森井の鑑賞記録 2022年1月、6月
【1月10日視聴 長谷川太郎 ドゥルツィアン・バロックファゴットリサイタル配信 近江楽堂】
前半はドゥルツィアン、後半はバロックファゴットのリサイタル。後者はもとより前者は初めて聴いた。古楽が好きで最近足を運べていない近江楽堂の幽けき空間で低音楽器が冴え渡るのを聴くことができた。レアな曲も知識と思いが籠るプログラムノートが理解を助けた。
【6月4日 マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノリサイ
世界フィギュアスケート選手権2022と友野一希
2022年3月23日~26日にかけて、巡り巡って再び出番が回ってきた。代打の神様と呼ばれることに胸を張る友野一希は、2018年に続き世界選手権への繰り上げ出場を果たした。
ショートプログラム「ニュー・シネマ・パラダイス」
美しい。初の100点越えを達成した。パーソナルベストを喜ぶ以上の感慨が彼の胸を満たしたことだろう。101.12点で3位につけた。
フリースケーティング「ラ・ラ・ランド」
向き合うのはチェスではなくて
小学2年生にして難易度とドラマ性の高さが光るシミュレーションRPG『王国の紋章』シリーズ第1作にハマった紺野玉緒。何周したかは数えきれないらしい。同じハードウェアで発売された外伝も好む。
しかしもう4年生からは中学受験の塾通いが始まったため、以降デジタルゲームにじっくり触れる時間がなくなってしまった。
高校の時に設楽のヤツから屋上でチェスを教わっているのを見ただろう?あいつからは「覚えは早いが
ペダルを踏むか踏まないか
「あ…設楽先輩は結構踏むんですね。モダンピアノではやはりそのくらい必要ですか。」
俺の右足とペダルのことだ。
ちなみにこいつは一般に出回っているピアノのことを以前の鍵盤楽器と区別して頭に「モダン」とつけるクセがある。
「バッハといえば聴く側の私はチェンバロに寄せたノンペダル派ですが、弾いている側はなかなか解釈が難しいですよね。なめらかなレガートを出しにくいでしょうし。」
転向しろとでもいうの
ターンテーブルとふたり
夕飯後にコウは部屋の照明をは少し落とした。室内の空気を甘やかにさせてゆく。食器の片付けと寝支度を済ませた彼は彼女を抱き寄せ髪の匂いに鼻を埋めていた。こうしていれば敬遠しているクラシックどころか何でも聴いていたい。
あいつはハードロックは耳が痛くてつらいらしいが、ジャズならまだいいという。コルトレーンのサックスで、この深い夜に沈もう。
朝が来た。俺が用意した飯を旨そうに食うお前を見つめる。コウち
セイちゃんちのピアノ
二人暮らしをしながら高校に通っているコウとルカは両親のいる実家に帰省していた。しかし居間にいるのもなんとなく退屈な気分になり近くの勝手知ったる邸宅を訪ねた。そこには本格的なグランドピアノが置いてあった。
ルカは猫ふんじゃったを嬉々として弾き散らかす。音を外しても無邪気そのもの。鍵盤の反応の良さを本能的に察知しながら挙句の果てに大声で歌い出す始末である。
コウは棚にあるレコードを気にしながらルカ